第5戦フランスGP:アルコバが19番手から11位、佐々木は22位で今季初チェッカー
Yamaha VR46 Master Camp TeamのJ・アルコバと佐々木歩夢は持ち前の卓越したスキルと決意を発揮し、それぞれ11位と22位で全22ラップを走り切った。
アルコバは14番グリッドからスタート後、第1コーナー進入の混乱で後退して19番手でオープニングラップを終了。ペースを取り戻したあとは数台をパスし、9ラップ目にはM・ラミレスを捉えて14番手まで挽回した。その後は最後まで集中を切らさずプッシュを続け、13ラップ目には1分36秒365のベストタイムを記録。終盤はF・サラッ クとバトルを展開し、21ラップまで後ろについていたが、最終ラップでオーバーテイクに成功して11位でチェッカーを受けた。この結果、5ポイントを加算し、ランキング9位となっている。
一方、ここまで手術や怪我などに苦しんできた佐々木は、今回初めてMoto2完走を果たした。3ラップ目には1分37秒426の自己ベストを記録。さらに前進を目指すなかでマシンのチャタリングに見舞われて苦戦したものの、走行距離を伸ばしてデータ収集を図るという重要な目標に向けて集中力を維持し、22位で走り切った。
Yamaha VR46 Master Camp Team
J・アルコバ選手(11位)
「今日の結果に完全に満足しているというわけではありません。でも今週はずっと順調でしたし、いつものル・マンと比べて、フィーリングがずっと良かったのでそのことはうれしく思っています。もしも予選中のラップキャンセルがなくて、9番グリッドからスタートしていたら、もっとずっと楽な展開になっていたでしょう。スタート自体は悪くありませんでしたが、そのあとアウト側へいきすぎてうまくいきませんでした。オープニングラップでたくさん順位を落としてしまい、その後の挽回が難しくなりました。ペースも悪くありませんでしたが、明らかに差がつき過ぎていたのです。もっとやれると思っていたので悔しい気持ちですが、今はもう次のレースのことに集中しています」
佐々木歩夢選手談(22位)
「ようやくMoto2のレースを完走することができました。怪我があったので、久しぶりのレースでした。それでも正直なところ、もう少し速いペースを期待していたのですが、レースのなかで何度か危ない瞬間を経験したので、やや抑えて走ることにしました。そのため全力を出し切ることはできませんでしたが、22ラップを走り切ったことでたくさんの情報を得ることができ、多くのことを学びました。そのことには満足しており、これからもまだたくさんの課題がありますが、ここが本当のスタートだと考えています。改善すべきことを確実に改善し、常に上を目指してハードワークに取り組んでいきます」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)
「今回もまた、グリッド上位からスタートすることの重要性を改めて理解しました。昨日、イエローフラッグによりジェレミー(アルコバ)のベストタイムがキャンセルになったことが悔やまれます。レース終盤は非常に力強い走りを見せ、11位でゴールできたことは良かったと思いますが、もしももっと上の位置からスタートしていれば、もっと良い成績を獲得できたはずです。今後も改善を目指していきます。
歩夢は今季初めて、レースを完走しました。大きな励みになっていると思います。多くの情報と経験を得て、彼自身、そしてチームの力を結集して次のレースに挑みます」