アルコバが開幕戦で12位、佐々木はリタイア
Yamaha VR 46 Master Camp TeamのJ・アルコバが12位でチェッカーを受けてポイント獲得。チームメイトの佐々木歩夢は6ラップ目に転倒しリタイアとなった。
ロードレース世界選手権Moto2は15年目となるシーズンの開幕戦を迎えた。参戦3シーズン目となるYamaha VR 46 Master Camp Teamは今年、J・アルコバと佐々木歩夢とともに参戦。予選ではそれぞれ12番グリッドと25番グリッドに並んだ。今シーズンから使用することとなったピレリ製タイヤは昨年までのダンロップ製と性質が異なり、このことがチームを悩ませ、予想外の展開となった。
アルコバはオープニングラップの混戦のなかで何度か接触があり大きくポジションダウン。前方に大勢がひしめく状態からなかなか抜け出すことができず、1周目を終えた時点で22番手まで後退してしまった。しかしここからペースを取り戻して追撃開始。3ラップ続けて毎ラップ1台をパスし、4ラップ目までに18番手まで挽回した。その後も少しずつ順位を上げていき、レース中盤ではD・オンジュの背後につけてしばらく走行したあと12ラップ目にパス。さらに最終ラップの最終コーナーでZ・ファン・デン・グールベルクをとらえて12位でゴールした。これにより貴重な4ポイントを手にしている。
チームメイトの佐々木もアルコバと同様にスタートで出遅れ、オープニングラップで3つポジションをダウン。厳しい状況のなかで挽回を目指したが、6ラップ目に転倒してリタイアとなった。Moto2デビュー戦は残念な結果に終わったが、ウイークを通じて経験を積み、今後取り組むべき仕事について重要なヒントを得ることができた。次戦に向けてより一層、モチベーションを高めている。
Yamaha VR46 Master Camp Team
J・アルコバ選手談(12位)
「オープニングラップのことは非常に残念です。悔しくて仕方がありません。1周目でどんどんポジションを下げて22位まで後退してしまったのです。大勢とぶつかり、とても難しいレースになりました。その後も前半戦はタイヤのフィーリングがあまり良くなかったのですが、終盤になると調子が上がってきました。なぜこのようなことになるのか、原因を追求して理解しなければなりません。1ラップ目を順調に走れていたとしたら7~8位のバトルができたはずです。そう考えると本当に残念です。ウイーク中の仕事には満足しており、チームに感謝しています。次回また頑張ります」
佐々木歩夢選手談(12位)
「非常に難しいレースでした。スタートで小さなミスをしてしまいました。そのあと前の集団との差を詰めていき、追いついて、とても順調に走れていました。しかしブレーキングには少し手間取っていたのです。そして第1コーナー進入でマシンのコントロールを失い、大きくはらんでグラベルに出て転倒してしまいました。悔しい気持ちでいっぱいですが、このミスから学ぶことができたので、次のレースに向けて前進し続けなければいけないと思っています。何が起きたのか、なぜ起きたのかを把握し、ここからまた改善を目指していきます」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)談
「シーズン開幕戦はほろ苦いスタートになりました。佐々木選手の転倒は非常に残念で、彼は本来、この開幕戦を完走することがとても重要だったのです。Moto2マシンの経験をできるだけ多く積む必要があり、その意味でも怪我がなくて本当によかったと思っています。アルコバ選手のほうは1周目で大きくポジションを下げてしまいましたが、見事な復活でした。もしもスタートがうまくいっていれば、もっとよい位置でバトルできたでしょう。でもこれがレースというもので、私たちが常に直面するリスクなのです。チームは次回、ポルトガルGPに向けて準備を整えます」