第15戦インドネシアGP:アルコバは13位、佐々木は16位
Yamaha VR46 Master Camp TeamのJ・アルコバは、高温と強風のなか行われた決勝でハード・コンパウンドのタイヤを選択して13位。チームメイトの佐々木歩夢はオープニングラップで接触があり遅れたあと、16位まで挽回した。
過酷な暑さのなかで路面温度は59度まで上昇。前日のラップタイムとタイヤの消耗を考慮し、アルコバはハード・タイヤを選択していたが、この判断が不利に働き、序盤から苦戦した。
スタートでは好ダッシュを決めたものの、直後にウイリーする間に2つポジションダウン。3ラップ後には11番手まで挽回したが、ペースを維持することができずに後半で再び13番手に後退した。さらに最終ラップではC・ビエッティにも抜かれて14位でチェッカー。その後、7番手でゴールしていたI・ゲバラが技術的なレギュレーション違反により失格となったため、アルコバの最終成績は13位となった。
強風もあり、マシンのフィーリングは前日ほど順調ではなく、とくに第2セクターではタイムが伸びなかった。チームは今回、収集したデータをもとに、第16戦日本GPに向けてセッティングの調整に取り組んでいく。
チームメイトの佐々木も厳しい展開を強いられた。オープニングラップで他車と接触してポジションを下げ、フロント周りに不具合を抱えて右旋回が難しくなってしまった。ペースの安定性ではこのところ進化が見られるもののスピードはまだ目標に到達しておらず、F・サラッチとのバトルに敗れて16位。目標のポイント獲得に届かなかった。
Yamaha VR46 Master Camp Team
J・アルコバ選手(15位)
「ハード・タイヤを選択したことで厳しい展開になってしまいました。金曜日にテストした時点ではペース、フィーリング、ラップタイムともに悪くなかったのですが、決勝ではかなり苦しめられました。判断は非常にクリアで、決してギャンブルではありませんでした。結果的に間違いだったことがわかりましたが、今も自分の決断を誇りに思っています。もしも期待通りに機能してくれたとしたら、大きな成果となったはずなのです。チームには申し訳なく、謝らなければなりません。でも同時に、リスクをかけることを許してくれた彼らに感謝しています。次の日本GPでまた頑張ります」
佐々木歩夢選手談(16位)
「ペースもスピードも十分ではなく、ベスト・パフォーマンスには届きませんでした。しかしレースのなかで多くのことを学び、今は、改善できる部分や焦点を当てるべき箇所が理解できました。その意味ではとても重要なレースだったと思っています。ホームGPをとても楽しみにしています。母国のファンの前でポイントを獲得することが目標です」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)
「ジェレミー(アルコバ)はハード・コンパウンドを選択しましたが、それが裏目に出て目標の成績を獲得できませんでした。しかしこれがレースというもので、決断は簡単ではなく、また必ずしも正しいとは限りません。それでもときにはリスクをとる価値があるのです。結果的に彼にとっては非常に長いレースになってしまいましたが、ウイーク全体では調子が上がっており、先の4戦と比べてフィーリングも良くなっていました。私たちも今後の展開には自信を持っています。
歩夢は序盤で他のマシンと接触して後退し、フロント周りのフィーリングが落ちてしまいました。そのような難しい状況にもかかわらず、彼は今大会を貴重な勉強の機会ととらえています。すでに来週の日本GPに気持ちを集中しており、明確な目標も持っています」