第11戦オーストリアGP:佐々木が21位、アルコバは24位
Yamaha VR46 Master Camp Teamの佐々木歩夢は終始、安定した走りを維持して成長ぶりを見せた。限界までプッシュして集団のなかでバトルを展開し、最終的に21位でゴールした。チームメイトのJ・アルコバは2回のロングラップ・ペナルティにより6秒以上、遅れ、24位まで後退してチェッカーとなった。
佐々木は好スタートから早々にポジションを上げ、そのまま順調にペースをキープ。マシンのフィーリングも良く、5ラップ目には1分35秒232のベストタイムを記録した。また手強いライバルたちとのバトルに加わり、その走りを見ながら多くを学ぶこともできた。毎回、少しずつ目標に近づいており、チームも本人も、このところの進化を非常にポジティブに受け留めている。
一方のアルコバは、ウイークを通して厳しい状況が続いた。スタートは順調だったものの混戦に飲み込まれ、思い通りのラインにつけずに後退。その後のプッシュもままならなかった。またコースリミット越えのロングラップ・ペナルティを課されて11ラップに履行したが、方法が適正でなかったとして2回目のペナルティ。これで6秒以上を費やし、最終的に24位まで後退した。翌月曜日に同じコースでオフィシャル・テストが予定されており、チームはそのなかでさまざまなセッティングを試して改善を目指す。
Yamaha VR46 Master Camp Team
佐々木歩夢選手談(21位)
「Moto2に上がってから最高のレースができました。21位は良い結果には見えないかもしれませんが、私としてはマシンのフィーリングが良く、ハイペースを維持できたことに満足しています。でも実際のポテンシャルはもっと高いところにあり、もっと良い結果が出せるはずだと確信しています。今日はレースのなかでライバルたちとバトルし、多くを学ぶことができました。明日またテストがあるので、今日感じた問題点を解決し、さらに一歩、前進したいと思います。絶好の機会になると思います」
J・アルコバ選手(24位)
「今週はまったくいいところがありませんでした。毎セッション、ブレーキの問題に手間取ってしまいました。予選ではいくらか改善されましたが、決勝に向けて十分なデータを収集するには至りませんでした。レースのなかでもかなり苦戦し、思うようなプッシュはできませんでした。トライは続けましたが、結局、ロングラップ・ペルティを2回も課され、そのあともあきらめずに挽回を目指しましたが、うまくいきませんでした。明日は次のレースを念頭にテストに臨みます。ベストを尽くします」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)
「歩夢は印象的なレースを見せてくれました。好スタートを決め、終始、安定したペースで走り切りました。トップライダーらとのバトルや、そこから学ぶ姿勢が、彼の成長とポテンシャルを証明しています。さらなる進化を確信しており、より高いところに到達できると考えています。
ジェレミー(アルコバ)は明らかに苦しんでいました。レースでは好スタートを切ったものの、第1コーナーで渋滞に巻き込まれて思い通りのラインがとれず、ここでの遅れがその後の展開に大きく影響してしまいました。さらにはコースリミット越えのロングラップ・ペナルティ、続いてそれが適正でなかったことによる再度のペナルティを受けて時間を費やしました。明日のテストではさまざまなセッティングを試し、次回アラゴンで本来の実力を取り戻せるよう、全力でサポートしていきます」