第17戦オーストラリアGP:アルコバが11位を獲得
Yamaha VR46 Master Camp TeamのJ・アルコバが力強い追い上げを見せて11位でフィニッシュ。チームメイトの佐々木歩夢は18ラップ目、12位走行中に転倒してリタイアとなった。
フィリップアイランド・サーキットは太陽に恵まれたものの、冷たい強風が吹きつけライダーたちにとっては非常に厳しいコンディションとなった。そのなかでアルコバは21番グリッドからスタートし、序盤から順調にペースを上げて少しずつポジションアップ。中盤以降はA・アレナス、D・ビンダー、F・サラックらと熾烈なバトルを展開しながら最後まで安定した走りを維持し、11番手まで上げてチェッカーを受けた。マシンのフィーリングは上々で、ペースも素晴らしかったが、グリッド・ポジションに苦しめられた。今後は予選順位の向上が重要な鍵となる。
一方の佐々木は予選で今季最高の14番手を獲得。スタートも素晴らしく、オープニングラップでは軽い接触があったものの、しっかりポジションを確保した。その後はS・ガルシア、M・ラミレスらとバトルを展開し、10ラップ目には12番手に上がっていたが、18ラップ目の第2コーナーで転倒し、そのままリタイアした。
この結果、Yamaha VR46 Master Camp Teamは合計83ポイントでチーム・ランキング10位となっている。
Yamaha VR46 Master Camp Team
J・アルコバ選手(11位)
「ハッピーなのか、そうでないのかよくわかりません。昨日はセッティングがうまくいかず、風の影響もあってラップタイムを上げることができませんでした。ここは大好きなコースで、自分のライディング・スタイルにも合っているので今度こそはと意気込んでいただけにとても残念な気持ちでした。今日はドライ・コンディションになりましたが、ほとんど経験していなかったので、タイヤが最後までもってくれるかわからない状態でした。そのため最初は慎重にタイヤをコントロールし、結果的に功を奏しました。今日はマシンのセッティングを調整しましたが、少し硬すぎて完ぺきに乗りこなすことはできませんでした。それでも最初から最後まで全力で戦い、集団のなかでバトルを展開し、何度もオーバーテイクができたのはとても楽しかったです。エンジョイし、最後はそのグループでのバトルに勝つことができたのです。でも後方からのスタートはやはり楽ではありませんでした」
佐々木歩夢選手談(DNF)
「今年Moto2に上がってから最高のレースができました。本当に素晴らしかったのですが、残念ながら好調のまま終えることはできませんでした。マシンは絶好調でしたし、私自身もよく乗れていました。まさに残念としか言いようがないのですが、11位~9位あたりを目指して前のライダーを追ってプッシュしていたときに転倒してしまいました。限界を少し超えてしまったのです。マシンは完璧で、トップ10も不可能ではない状況だっただけにとても悔しいですし、チームにも本当に申し訳なく思っています。それでも前進できたことは間違いないので、ポジティブに受け留めたいと思います。次のタイでまた頑張ります」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)
「歩夢は本当に残念でした。今週はずっと好調で、最高のレースを展開していました。Moto2に自信を深め、彼自身、良いレベルまで到達できるとわかってきたことが大きな後押しになっています。あとはレース終盤でもう少しうまくタイヤをコントロールするだけだったのです。転倒はしましたが、彼の進化に満足していますし、怪我がなかったことが最も重要です。次のタイもこの調子で頑張ります。
ジェレミー(アルコバ)は今回もまた、グリッド・ポジションの影響を受けてしまいましたが、今日は昨日よりもセッティングの感触が良くなっていて、コーナー進入が改善されよりスムースに走れていました。次回タイは彼のお気に入りのコースなので、初日からセッティングをしっかり決めることができれば、良いポジションで戦うことができるはずです」