第18戦タイGP:佐々木が13位、アルコバは最終コーナーで転倒リタイア
2週間前の日本GPと同様、灰色の雨雲に覆われ、小雨が降るなかで行われたタイGP。スタート5分前にドライ・レースが宣言され、各車セッティングとタイヤを準備した。こうしたチャレンジングな状況の中でYamaha VR46 Master Camp Teamの佐々木歩夢は13位でフィニッシュ。J・アルコバは最終コーナーで転倒リタイアとなった。
佐々木は12番グリッドから絶好のスタート。オープニングラップの混乱を巧みに抜けて序盤は前方集団に加わっていたが、3ラップ目あたりからチャタリングが発生してやや後退した。それでも終始、ポイント圏内をキープし、チームメイトの後ろについて着実に周回を重ね、残り4ラップでアルコバが転倒すると13位に上がりチェッカーを受けた。
一方のアルコバはグリッド上で燃料関係の問題があり、ウォーミングアップ・ラップをピットレーンからスタートしたため、グリッド最後尾からの追い上げを強いられた。絶好の飛び出しで素早くポジションを上げるとオープニングラップを15番手で終え、4ラップ目には12番手まで浮上。このあと10ラップにわたりA・ロペスとバトルを展開するなど、安定感のある走行を続けていたが、20ラップ目の最終コーナーで転倒。幸い怪我はなかったが、7秒後には激しい雨の影響により赤旗中断とされた。
なお、今大会でMoto2のチャンピオンが決定。Yamaha VR46 Master Camp Teamとふたりのライダーは、タイトル獲得を決定した小椋藍選手とMT Helmets – MSIチームを祝福する。
Yamaha VR46 Master Camp Team
佐々木歩夢選手談(13位)
「思っていたよりもチャレンジングなレースになりました。マシンのフィーリングは良かったのですが、小さな問題があり、ライディング・スタイルで対応しようとしましたが、うまくいきませんでした。ずっと4台のグループの後ろを走っていて、終盤になって雨が降り出したため2ラップ早く終了となりました。これで13位となり、ポイントを獲得することができました。思うようなレースはできませんでしたが、今週も確実に前進できたと思っています。問題に対処し、あと2レースでさらに改善を目指します」
J・アルコバ選手(DNF)
「初日のフリープラクティスで6番手を獲得していましたが、今日の決勝は最後尾からスタートすることになりました。つまり前進するのでなく、後退してしまったのです。そのなかではいいレースができたと思いますが、マシンが柔らか過ぎる感じがあり、思うようにプッシュすることはできませんでした。ライバルたちはブレーキングをかなり遅らせており、十分に近づけず、オーバーテイクは難しい状況でした。雨が降り出したときにはレッドフラッグを予期しましたが、出される前にハイサイドを起こして転倒してしまいました。あれほどのヘビー・クラッシュから無傷で戻れたことを、レザースーツとヘルメットに感謝します」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)
「歩夢はポイント圏内に復活することができました。スタートが素晴らしく、オープニングラップで8番手まで上がりました。その後も終始、速く経験豊富なライダーたちとバトルし、多くを学び、Moto2の経験を積みました。ポジティブなレースでした。
ジェレミー(アルコバ)は判断ミスによりグリッド最後尾からのスタートとなってしまいました。絶好の飛び出しで一気に9番手まで上がり、終始、力強い走りを見せていましたが、終盤で路面のかなり濡れた部分に乗り転倒してしまいました。次のマレーシアでリベンジを目指します」