第19戦マレーシアGP:アルコバ、転倒リタイア 佐々木は負傷欠場
今大会はYamaha VR46 Master Camp Teamにとって非常に厳しい戦いとなった。佐々木歩夢はウイーク初日のプラクティス第1セッションで転倒して右手首と足首を骨折し、その後の走行を取りやめた。チームメイトのJ・アルコバは決勝の最終ラップでM・ゴンザレスとバトル中に転倒し、手を3ヵ所骨折した。
アルコバは17番グリッドから好スタートを切って着実にポジションアップ。レースのなかではA・ロペス、A・アレナスとバトルを展開し、ふたりをパスして12番手まで浮上した。過酷な暑さのなかでチームはタイヤの消耗を心配していたが、アルコバは巧みにコントロールしながら温存を図り、中盤以降はトップグループと同等のペースでプッシュ。そして最終ラップではゴンザレスと11位争いを展開し、第14コーナーでオーバーテイクを仕掛けたあと転倒してしまった。手を骨折しており、そのままリタイアした。
アルコバはスペイン・バルセロナの主治医のもとで手術を受ける予定。佐々木も来週火曜日、スペインで診察を受け、骨折の程度を検査して手術が必要かどうかを判断する。
Yamaha VR46 Master Camp Team
J・アルコバ選手(DNF)
「スタートからプッシュしていきましたが、オーバーテイクには少し苦労しました。ペース自体は上位と互角だったのですが、前のライダーを抜くのに時間がかかりフル・ポテンシャルを出し切ることができませんでした。最終ラップの最後からふたつ目のコーナーでゴンザレスにオーバーテイクを仕掛けましたが、彼はそのあともすぐ後ろについていました。そして立ち上がりでスロットルを開けたところで接触し、私は転倒してしまいました。左手の中手骨に3カ所骨折があり手術が必要ですが、早く回復して次のレースに備えたいと思っています」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)
「チームにとって残念なウイークとなってしまいました。今日の決勝は気温の高さとタイヤの耐久性の面でジェレミー(アルコバ)には非常に難しいチャレンジとなりました。序盤は慎重な走りを守っていましたが、周回を重ねるごとにどんどんペースを上げていきました。そして最終ラップでは11位争いを展開し、第14コーナーでゴンザレスをパスして前に出たのです。しかしそのすぐあとにスロットルを開け直したところで接触し、転倒してしまいました。チームは彼の早い回復を願っています」