Yamaha VR46 Master Camp Teamのマヌエル・ゴンザレスとケミン・クボが、Moto2世界選手権にデビューし、初の予選となるQ1ではそれぞれ24番グリッドと26番グリッドを獲得。さらに続く決勝でゴンザレスとクボは力走し、それぞれ20位と23位を獲得、世界選手権レベルのレースへの適応を見せた。
ゴンザレスは初日から順調に取り組んできたが、2日目のFP3で転倒し、Q2セッション進出のチャンスを逃した。さらに肩と鎖骨を負傷して走行中もかなりの痛みがあったが、Q1に出場して果敢な走りを見せ、全7ラップ中、最終ラップで2分00秒551のベストタイムを記録。セッション10番手を獲得し、24番グリッドとなった。
チームメイトのクボは、ウィーク初日からロサイル・サーキットとMoto2マシンに慣れることを目標に取り組んできたが、予選ではその成果もありベストタイム更新。全7ラップ中5ラップ目で2分01秒033を記録し、セッションを12番手で終え、この結果、26番グリッドを確保し、決勝レースを迎えることとなった。
決勝では、ゴンザレスは24番グリッドから飛び出してオープニングラップで17番手まで浮上。前日の負傷があったが、経験豊富なライバルたちを相手に懸命にポジション・キープを試みた。そのなかで何台かに抜かれて22番手まで下がる場面もあったが、そのたびに歯を食いしばって再び挽回。初めてのMoto2を20位で終えている。
一方のクボはグリッドポジションの26番手をキープして第1コーナーを回り、集団に飛び込んでバトルに加わった。4ラップ目には23番手に上がり、前方を行くライダーを追う展開になると、自分のリズムに集中。終盤ではA・ザッコーネとバトルを展開し、先行を許したものの23位を維持して初戦を終えた。
Yamaha VR46 Master Camp Team
M・ゴンザレス選手談(20位)
「昨日の転倒で負傷した肩に痛みがあり、今日も苦しめられました。腕に力が入らないので思い通りにプッシュできず、マシンのポテンシャルをすべて引き出すことができませんでした。またレザースーツがきつすぎて序盤からずっと苦戦が続きました。決して楽な走りではありませんでしたが、とにかく最後まで走り切りました。20位は望んでいたポジションではありませんが、いい仕事ができていると思いますし、次はもっと期待できると思います」
K・クボ選手談(23位)
「ウォームアップ・セッションでマシンのフィーリングがとても良く、ラップタイムも上がっていたので、好調に今日をスタートすることができました。決勝が始まると第1コーナーで何台かに抜かれましたが、懸命にプッシュして彼らについていきました。フィーリングは素晴らしく、レースを大いにエンジョイできました。スタート・ポジションより上でゴールできたので、結果にも満足しています。チームのみんなのハードワークに、そしてこのチャンスを与えてくれた全ての方々に感謝しています」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)談
「シーズン開幕戦に臨み、期待通りの成績を獲得することができました。レースを完走したのです。ふたりのルーキーにとって、それがとても重要で、次につながる自信をつかめたことと思います。チームは総合的に素晴らしい仕事をしてくれました。ライダーたちと、そのクルーたちがより関係を深め、日に日に互いの信頼が高まっています。私たちはまだ最大限の力を発揮するところまでは到達していません。ただ、この素晴らしい旅を始めたばかりであり、努力は必ず報われます。
ゴンザレス選手は好スタートを決めてくれました。彼はセッションのたびに、その練習をしていたのです。以前はよく失敗していましたが、今日は本当に素晴らしいスタートでした。これにはデータ・エンジニアのダビデが大きく貢献してくれました。5ラップ目以降は腕に痛みが出ましたが、昨日の転倒の影響と、レザースーツのきつさが原因でした。これにより、彼自身もマシンもいつも通りのスムースなライディングができなかったのです。ペースは昨日ほど良くなく、20位は少し残念な結果ですが、彼がレースを最後まで走り切り、経験を積んだことが最も重要です。
クボはいいレースをしました。経験豊富なライバルたちと競り合い、それをとても楽しんでいました。ペースも良く、マシンのフィーリングも十分でした。彼とそのチームの仕事に満足しています。彼にとってはここがスタートです。ここから毎回、前進していかなければなりません。私たちの期待するところまで来てくれると確信しています」