Yamaha VR46 Master Camp TeamのK・クボは、9番グリッドから18位を獲得。経験豊富なライバルたちから多くを学び、貴重な経験を積んだ。チームメイトのM・ゴンザレスは前日の転倒で負傷していたが、検査の結果、出場を許可されて午前中のウォームアップに出走。しかしその後、チームと話し合い、安全性を優先して決勝出場を取り止めた。
Yamaha VR46 Master Camp Teamから唯一の出場となったクボ。前日に悪天候のなかで行われたQ1とQ2で9番グリッドを獲得し、決勝ではより経験豊富なMoto2ライダーたちについて行くことで、彼らから学ぶ貴重なチャンスに恵まれた。
スタートから第1コーナーを抜けるまでは、激しい競り合いに果敢に挑んで中段グループのポジションを確保したが、そのあと24番手まで後退してオープニングラップ終了。それでもリズムを崩すことはなく、大勢の転倒車が出るなかでも最後まで集中して走り切り、18位でチェッカーを受けた。
一方のゴンザレスはウォームアップで合計5ラップを走行し、さらにチームのサポートによりサイティング・ラップを走ったあと欠場を決めた。前日の予選セッションに出走できなかったことから、決勝に出場する場合はグリッド最後尾からスタートすることとなっていた。最終的にはリスクを最小限に抑え、1週間後の第17戦タイGPにベストの状態で出場することを選択した。
この結果、ゴンザレスは合計44ポイントでランキング19位、クボは合計4ポイントでランキング28位をそれぞれキープ。Yamaha VR46 Master Camp Teamは合計57ポイントでチーム・ランキング12位となっている。
Yamaha VR46 Master Camp Team
K・クボ選手談(18位)
「午前中のウォームアップで2度目のドライ・コンディションを試すことができました。ラップタイムを更新することができ、結果には満足しています。決勝ではスタートで大きなミスをしてしまい、大幅にポジションを下げてしまいました。そのため必死でプッシュして挽回を目指しましたが、非常に難しく、コーナーでは大回りをしてしまいました。そのあとは単独走行になったので、自分のペースをキープすることに専念しました。今回はチームのみんなが私を信頼してくれていたので、本当に申し訳なく思っています。自分のミスについて考え、ホームGPとなる次回ブリラムでは、より一層、集中していきたいと思っています」
M・ゴンザレス選手談(欠場)
「決勝に出場することができず非常に残念です。ヤマハのホームGPを走りたかったのですが、身体の状態が予想以上に悪かったのです。ウォームアップでのフィーリングがあまり良くなかったですし、最後尾からのスタートはリスキーで、来週のタイGPに出場できなくなる可能性もあると思ったので、チームと話し合って欠場を決めました。マシンを直してくれたチームのみんなに‘ありがとう’と言いたいです。次回、また会いましょう!」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)談
「ゴンザレス選手はウォームアップで肩の調子を確認すると同時に、昨日とは異なるセッティングのマシンを試しました。決して速くはありませんでしたが、順調でした。昨日の転倒が激しかったので、当然ながら痛みはありました。ウォームアップ・のあと話し合い、出場したいか、したくないかを彼自身に決めてもらうことにしました。彼は出場を希望しましたが、サイティングラップのあとでピットレーンに入って来ました。リスクを避け、ベストの状態で次のタイGPに臨むことを選んだのです。出場するとしても最後尾からのスタートになりますし、賭けるべきチャンスがないことを考えれば冷静な判断だと思います。
クボ選手は今朝からとてもナーバスになっていました。前のグリッドからスタートするのは初めてなので、十分に理解できることです。そしてグリッド上でミスをしてポジションを下げてしまいました。小さなミスでしたが、大きな損失になりました。彼は、もっと細かいところに取り組む必要があります。そうしたことが、この世界で違いを生み出すのです。彼自身もそれを理解しており、次のホームGPでは自分に課題を課していくでしょう」