Yamaha VR46 Master Camp Teamは、そのデビューイヤーのわずか5戦目でふたりのライダーが揃ってポイントを獲得する快挙を成し遂げた。M・ゴンザレスは一時、表彰台争いを展開したあと5位でチェッカー。K・クボも12位に入り、Moto2で初めてとなるポイントを獲得した。
最初の走行は15ラップを残して突然の雨に見舞われ、第2コーナーでは多重クラッシュが発生。これを受けて一時、中断となり、2度目の走行は7ラップに短縮され、転倒を免れた18台だけが出場した。ゴンザレスとクボにとっては初めての経験となったが、全力のプッシュが好結果を生んだ。
ゴンザレスは初め、21番グリッドからスタートしていたが、果敢な攻めで7番手まで上がり、再スタートでは7番グリッドを獲得。ここからやや出遅れたものの、すぐさま挽回し、残り5ラップは3位争いに加わった。そして一旦4位に上がったあと、抑え切れずに5位に後退することとなったが、ベテラン・ライダーたちとのバトルも経験し、多くを学んだ。トップとの差はわずか3.199秒だった。
クボはウエット・コンディションで好調ぶりを見せていたが、Q2で転倒があり、体調は万全ではなかった。それでも出場を決意し、18番グリッド位からスタートするとドライ・コンディションでもハイペースを披露した。再スタートのポジションは16番グリッド。ここから懸命のプッシュで少しずつ順位を上げ、一時は11番手へ浮上したあと12位でゴール。待望の初ポイントを獲得した。
この結果、ゴンザレスは合計16ポイントでランキング17位、クボは4ポイントで23位につけた。Yamaha VR46 Master Camp Teamは合計20ポイントでチーム・ランキング11位に浮上している。
Yamaha VR46 Master Camp Team
M・ゴンザレス選手談(5位)
「この日曜日は最高の一日になりました。これまでのキャリアのなかで最も良かったと言ってもいいと思います。ウォームアップからすでに良い感触がありました。ラップタイムはそれほどでもありませんでしたが、マシンがよく走ってくれて周囲について行くことができました。序盤は少し遅れてしまったのですが、周回を重ねるごとにペースが上がっていったのです。レッドフラッグのあとは好位置からスタートできたので、幸運にもトップライダーたちとも競り合うことができました。このときはスピードもフィーリングも上々でした。今回とても多くのことを経験し、ますます意欲が高まった気がしています。トップライダーとも戦えるとわかり、次のレースが待ち遠しいです」
K・クボ選手談(12位)
「今日は少し複雑な心境でした。昨日は激しいハイサイドを経験し、病院で検査を受けることとなりました。今日は出場の許可が出たとは言え、体調は決して良くありませんでした。ウォームアップを走り終えてからも、しばらくは考えていたのですが、やはり自分自身のため、そしてピット内で仕事をしてくれるみんなのために欠場はできませんでした。これが結果的に良い選択でした。そして、このクレイジーなレースのなかで12位でゴールし、初めてのチャンピオンシップ・ポイントを獲得することができたのです。チームのみんなに心から感謝しています」
G・ニエト(スポーツ・ディレクター)談
「コース・コンディションは定まらず、冷たく、風が強く、雨が降りました。まったくクレイジーな展開でした。ゴンザレス選手のマシンは昨日とほとんど変更していませんでした。彼は好スタートを決めてハイペースのグループに加わり、レッドフラッグのあとは7番手から、また好スタートを切りました。全7ラップを通して速いライダーたちと競り合い、3位争いを展開したあと5位でゴールしました。彼とそのチームの健闘には私もとても満足しています。成績は彼らの励みになりますし、トップライダーたちについて行けるということも、今回わかりました。クボについては、出場させるかどうか14:00まで決めかねていました。昨日の激しいハイサイドの影響でフィーリングはあまり良くなかったのですが、彼自身が出場を希望しました。結果的に好成績を獲得し、マシンにも好フィーリングを得られたことは、とても良かったと思っています。彼が好成績への意欲を見せてくれたことは非常に重要なことです。素晴らしい仕事を成し遂げたチームにも心から感謝しています。ヘレスでもまた満足を得られるよう、次の仕事に取り組んでいきます」