MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.9 8月6日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦イギリスGP
■開催日:2023年8月6日(日)決勝結果
■開催地:シルバーストン/イギリス(5.900km)
■スプリント周回数:10周(59 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:16度 ■路面温度:24度
■PP:M・ベッツェッキ(2分15秒359/ドゥカティ)
■FL:A・エスパルガロ(2分00秒208/アプリリア)
REPORT
モルビデリとクアルタラロは14位、15位
Monster Energyが大会のタイトルスポンサーとなって行われた第9戦イギリスGPで、Monster Energy Yamaha MotoGPのF・モルビデリとF・クアルタラロのハードワークが報われることはなかった。ともにトップ10入りに近づいたが、最終的にはそれぞれ14位と15位に留まった。
モルビデリは後半、タイヤの消耗により大きく後退。終盤でマシン交換を行うも、成果を得ることはできなかった。クアルタラロは終盤でL・マリーニ(ドゥカティ)と接触し、作戦外のマシン交換を強いられてポジションを下げた。ふたりはこうした難しい状況のなかでも14位と15位でゴールし、ともにポイントを獲得している。
モルビデリはスタートで順位をひとつ下げたあと、すぐさま取り返して11番手でオープニングラップを終了。続いて10番手に上がり、マリーニ、M・ビニャーレス(アプリリア)、J・ザルコ(ドゥカティ)に追いついて6番手争いに加わった。後方から迫ったM・オリベイラ(アプリリア)に先行を許したものの、前方でA・マルケス(ドゥカティ)がマシントラブルにより、M・ベゼッキ(ドゥカティ)が転倒してそれぞれ戦列を離れたため、モルビデリは8番手まで浮上した。
しかし好調は長くは続かなかった。レース後半に入るとタイヤが徐々に劣化し、思うようにペースが上がらなくなる。この間にJ・マルティン(ドゥカティ)に抜かれ、さらにわずか2~3ラップのうちに大きくポジションを落としてしまった。残り5ラップで雨が降り出したため、すでに失うものがない状態になっていたモルビデリはマシン交換に賭けたが、成果は得られなかった。最終ラップではチームメイトと競り合って14位でゴールした。
クアルタラロは午前中のウォームアップのなかで、ウエット・コンディションをスリックタイヤで走る練習を行い手応えをつかんでいた。自信を持って臨んだ決勝では、22番グリッドからジャンプアップ。2ラップ目の途中で早くも14番手まで挽回し、その後、J・ミラー(KTM)がコースアウト、A・マルケス(ドゥカティ)がマシントラブル、ベゼッキが転倒で離脱したため11番手まで浮上。ここまでは非常に順調な展開に見えた。
8ラップ目にはM・マルケス(ホンダ)をとらえて10番手。さらにE・バスティアニーニ(ドゥカティ)に仕掛けようとしていたが、マルティンが間に入る格好となったためアタックを一時、中断した。ここで雨が落ち始め、このチャンスを最大限に活かそうとマルティンについて前方グループを追っていく。作戦は実り、果敢に攻めてバスティアニーニをとらえると、さらにモルビデリもパス。その後、マリーニと数ラップにわたりバトルを展開していたが、18ラップ目の第2セクターでマリーニと接触して順位を下げることとなってしまう。接触の際にフロントカウルが外れたため、ピットに戻ってマシンを交換。15番手でコースに復帰し、モルビデリに迫ったが届かず、トップから1分29秒075離される厳しい結果となったが、今回、試した新しいエアロパーツに手応えを感じることができた。
この結果、クアルタラロは合計65ポイントでランキング11位。モルビデリは合計59ポイントでランキング12位となっている。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計124ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計84ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位をそれぞれ維持している。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・モルビデリ選手談(14位)
「マシン交換は適切な判断ではありませんでした。でも雨が見えましたし、そのときすでにフロントタイヤを使い切って3~4ラップにわたって苦戦していたのです。もう、どうすることもできない状態だったので、雨を期待し、タイヤ交換を行いましたが報われませんでした。レース前半はとても順調でした。ライバルたちと直接、比較するには彼らについていくことが重要で、このことは将来のためにも良い情報になるはずです」
F・クアルタラロ選手談(15位)
「あまりよくわかっていないマシンでスタートしていました。でも私にとっては、新しいものをテストできたことは良かったと思っています。そして良い情報が得られたので、チームにとっても興味深い結果になっただろうと思います。グリッド最後尾から7位まで挽回できたことは良い経験になりましたし、そのことは評価できると思います。新型フェアリングで周回を重ねたこと、そしてその効果を確認できたことも良かったです。でも依然としてオーバーテイクは簡単ではありません。オーバーテイクを試みましたが、あのような限界の状態にいるときには接触も起こり得ます。ルカ(マリーニ)と接触してフロントカウルが外れてしまいました。今日はF1ドライバーのランド・ノリスに会うことができました。日程がまったく違っているので彼らがここを訪れる機会はあまりありません。彼とは良い友達なので、会えてうれしかったです。私もいつか、また別のF1レースに行ってみたいと思います。いつになるかはわかりませんが、少なくともトライします」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「今日のレースはジェットコースターのようでした。スタート時点ではドライだったので、そのままいけばチャンスもあるだろうということはわかっていたのですが、やはり雨を予測していました。ふたりとも昨日よりも良いスタートができて、とくにファビオ(クアルタラ)は最後尾から、わずか数ラップで8つもポジションを上げました。そしてふたり揃ってトップ10に入れるかもしれないと思っていましたが、終盤ですべてが悪い方向へ進んでしまいました。フランキー(モルビデリ)はタイヤが劣化して遅れてしまいました。雨が降り出したとき、彼はマシン交換を決断しましたが、雨が続かなかったので報われませんでした。ファビオは素晴らしい走りを見せていましたが、ルカ・マリーニと7位争いを展開中に接触してしまいました。転倒は免れましたが、運悪くフロントカウルが外れてしまったためマシンを交換しなければなりませんでした。14位と15位という結果は、すべてを表すものではありません。ふたりのハードワークと素晴らしいライディングは、それ以上の価値がありましたが、これがレースというものなのです。そのなかでも小さな明るい兆しも見えました。ファビオが最後尾からのスタートとなったため、私たちは、決勝用セッティングのなかで新しいエアロパーツを試すことを決断しました。そして評価に値する結果を得ることができたのです。このあとは2週間後のオーストリアで好成績を狙うことに集中していきます」