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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.14 10月1日 日本

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第14戦日本GP
■開催日:2023年10月1日(日)決勝結果
■開催地:モビリティリゾートもてぎ/日本(4.801km)
■周回数:12周(57.612 km)
■コースコンディション:ドライーウエット
■気温:24度 ■路面温度:26度
■PP:J・マルティン(1分43秒198/ドゥカティ)
■FL:J・ザルコ(1分55秒903/ドゥカティ)

REPORT

ヤマハのホームGPは激しい雨に見舞われて予想外の幕切れ

第14戦日本GP決勝は、まったく予測不可能な展開となった。ウォームアップ・ラップがまさに始まろうという矢先に雨が降り出し、グリッドの緊張感がより一層、拡大。そしてこの悪天候によりレースは2度にわたり中断されることとなり、再スタート時のグリッド・ポジションがそのまま最終結果とされた。Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとF・モルビデリは、レッドフラッグ提示時点でそれぞれ11位と18位。しかし前方の1台が再スタートを取りやめたため、ひとつずつ上げた。

トリッキーなコンディションに翻弄されたクアルタラロとモルビデリ。シグナル・グリーンと同時に雨が降り出しためマシン交換が可能になったが、多くがすぐさまピットに戻るなかで、ふたりはより長く走行を継続した。この結果として、12ラップ終了後に赤旗が提示されて中断となった時点でクアルタラロとモルビデリはそれぞれ11位と18位。その後、再スタートの手続きが進められたが、サイティング・ラップ中に再び雨が降り出したため、2度目のレッドフラッグが提示されてレースの中止が決定した。全体の50%以上の周回数を走り終えていたため、通常通りにポイントが与えられてクアルタラロは5ポイントを加算している。

クアルタラロは15番グリッドから好スタートを切り、想定内のリスクを冒しながら第1セクターで9番手を確保。コースの後半ではいくつか後退したものの、多くがマシン交換のためピットインする間には2番手まで浮上した。1ラップ後れてマシンを交換し、コースに復帰した時点で18番手に後退したが、すぐさまマシン、タイヤ、ウエット・コンディションに適応して14番手まで挽回。6ラップ目にはJ・ザルコ(ドゥカティ)に抜かれたもののB・ビンダー(KTM)が転倒したため14番手をキープした。クアルタラロはコースの状況がさらに悪化するなかでも引き続き順位を上げ、11番手走行中にレッドフラッグが提示されてレースが中断された。

一方のモルビデリは悪天候に果敢に挑んでいった。16番グリッドからスタートしたあと最大限まで長くコースに留まり、一時は3番手まで浮上。しかし4ラップ目には、早々にマシン交換を終えていたライバルたちに追いつかれて見る見るうちに順位を下げてしまった。その後ピットに戻ったモルビデリは17番手でコースに復帰。2台目のマシンもフィーリングは上々だったが、前方グループからすでに大きく離されており追いつくことはできなかった。レッドフラッグが振られた時点で18位。

赤旗中断直前に転倒したザルコは再スタートすることができなかったため、クアルタラロとモルビデリは、それぞれひとつずつ順位を上げた。

この結果、クアルタラロは合計111ポイントでランキング10位へ浮上。モルビデリは合計77ポイントでランキング12位を維持している。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計188ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計131ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。

嵐のようなコンディションのなかでクラッチローが13位獲得

日本GP最終日は天候変化に翻弄されることとなった。激しい雨のためレースは2回にわたり赤旗中断。1度目は最初のスタートから12ラップ後、2度目は再スタートの直前だった。

YAMALUBE RS4GP Racing TeamのC・クラッチローは最初にレッドフラッグが提示された時点で14位。1台が再スタートを取りやめたため13番グリッドに並び、結果的にそのままの順位で終了することとなった。
ウイーク最終日の突然の雨は、同チームが予定していたレース距離でのプロトタイプ・パーツのテストプランを白紙にした。それでもクラッチローのワイルドカード参戦により3ポイントを獲得できたことは、チームにとって大きな励みになっている。

MotoGP決勝のスタート予定時刻15:00になると空がますます暗くなり、オープニングラップ中に雨が降り出したためホワイトフラッグが提示されてマシン交換が許可された。19番グリッドからスタートしたクラッチローはクアルタラロの後ろにつけてオープニングラップを終了し、2ラップ目もスリックタイヤのまま走行を継続。ほとんどのライダーがマシン交換のためピットに戻ったため、この時点で5番手に浮上した。1ラップ後にマシンを交換すると、その間に20番手まで後退したが、その後はウエット・コンディションでの経験と知識を存分に発揮して着実にポジションを上げていった。レッドフラッグ提示時点で14位。J・ザルコが再スタートを取りやめたため13番グリッドにつけたが、サイティング・ラップ中に2度目のレッドフラッグが振られて再び中断となり、グリッド・ポジションがそのまま最終順位となった。

レース距離をフルに走り切れば、データをより多く収集できたところだが、YAMALUBE RS4GP Racing Teamはチャンピオンシップ・ポイントを3ポイント獲得したことをポジティブに受けとめている。ウイークを通して集めたデータをヤマハ・エンジニアが注意深く分析し、今後のマシン開発に役立てることで今後もファクトリー・チームをサポートしていく。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(10位)

「1ラップ長く走行を継続しようとしました。確かに雨が降っていましたが、あの時点ではそれほど濡れていたわけではなかったのです。結局はその判断が間違っていたことになりますが、あのときは12位か13位、あるいはとにかくどこかのポジションを争っていたわけですから、試してみるしかありませんでした。つまり自分自身に挑戦を課したのです。その点をポジティブに受けとめるべきだと思っています。より良い展開になっていれば、もっとよかったですが、それでもポジティブな面にも焦点を当てる必要があります。次のマンダリカ・サーキットがヤマハのマシンに合っていることを期待しています」

F・モルビデリ選手談(17位)

「他とは違う戦略を試み、スリックタイヤのまま行くことにしました。雨は降っていましたが、そのうちに止むことを期待したのです。でもその戦略全体が、結局は報われなかったということです。ウエット・タイヤに替えたあとはスピードが上がりましたが、すでに差が広がっていました」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)談

「シーズンのなかでも、かなり複雑な大会のひとつとなりました。昨日の予選、スプリントともに苦戦し、今日は激しい雨に邪魔されてコース・コンディションがかなりひどい状態になってしまいました。レッドフラッグによるレース中断の判断には全面的に賛成です。レースについては、あまりお話しすることもありません。このウイークを過去のことにして、これからは1週間のブレイクを利用してバッテリーを充電し、そのあとの忙しい日程に備えたいと思っています」

YAMALUBE RS4GP Racing Team
C・クラッチロー選手談(13位)

「スターティング・グリッド上で雨が降り出し、波瀾に満ちた展開になりました。スリックタイヤで数ラップ走行し、早めのピットインのチャンスを逃してしまいました。賭けに出ることも可能だし、雨は止むかもしれないと思いましたが、明らかにそうはならず、むしろ一層、強くなりました。結果的に私たちはピットストップのやり方を間違え、もう一度、ロングラップ・ペナルティを課されてしまいました。つまりウイーク中に2度のロングラップ・ペナルティを経験したのです。それでも今回は、YAMALUBE RS4GP Racing Teamとともに良い時間を過ごすことができました。マシン開発を前に進めるための解決策を探すことで協力し合い、ともにベストを尽くしました。前にも話した通り、私の好みのセッティングではありませんでしたが、このデータ収集が非常に重要です。セッティング変更の効果を確認するためにも、今日は何としてもドライ・コンディションでレースがしたかったのですが、難しい状況のなかでもベストは尽くしました。雨のなかでいいレースをして、フルウエット・コンディションでポジションを上げることもできました。でも視界が遮られるようになり、非常に危険な状態だったので、レース中止の判断は正しかったと思っています。11月にヘレスとバレンシアで予定されているテスト・セッションのなかでも私たちのテスト・プログラムを継続していきます。ふたりのヤマハライダーの幸運を祈っています」

増田和宏談(チーム・ディレクター)談

「日曜日の今日も、私たちは引き続きニューアイテムのテストを行っていました。残念ながらドライ・コンディションに恵まれた時間はわずかしかありませんでしたが、そのなかでもデータを収集することができましたし、併せてカル(クラッチロー)のフィードバックをオフィスに持ち込むことで来年のマシンの方向性の探求に役立てたいと思います。テストチームにとっては非常にタフなレースで、学習プロセスのグラフは急激なカーブを描きました。それでもフラッグ・トゥ・フラッグ・レースを含めてさまざまな経験ができ、私たちにとっては全体的に非常に有益なものとなりました。これからもハードワークを続け、残りのシーズンのなかでファビオとフランコをサポートし、来年のマシン開発にも取り組んでいきます」

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