MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.9 8月6日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦イギリスGP
■開催日:2023年8月5日(土)予選/スプリント結果
■開催地:シルバーストン/イギリス(5.900km)
■スプリント周回数:10周(59 km)
■コースコンディション:ウエット/ウエット
■気温:12度/16度 ■路面温度:15度/21度
■PP:M・ベッツェッキ(2分15秒359/ドゥカティ)
■A・マルケス(2分10秒415/ドゥカティ)
REPORT
QUALIFYING
雨の予選でモルビデリ11番手、クアルタラロ22番手
第9戦イギリスGPのウイーク2日目は激しい雨に見舞われた。そのなかでMonster Energy Yamaha MotoGPのF・モルビデリは、Q1を突破してQ2で11番手と健闘。F・クアルタラロはQ1走行中に第16コーナーで危うく転倒という場面があり、貴重な時間を費やして22番手に留まった。
大量の雨で水浸しになったシルバーストーン・サーキット。寒さも加わり非常に難しいコンディションとなったが、モルビデリはQ1で果敢な走りを見せてQ2進出を決めた。Q1を真っ先にスタートしたモルビデリは最初の2ラップで路面状況をつかむと、豊富な経験を活かして2分18秒645でトップに浮上。その後も何度もタイムを更新しながら、全6ラップ中の最終ラップでは2分15秒884の好タイムをたたき出した。これにより後続に1.001秒もの差をつけ、Q1をトップで通過した。
Q2では3ラップ目に1分16秒885を記録して3位に浮上。しかし雨が強まるなかで転倒車が続出して何度もイエローフラッグが振られたため、アタックのタイミングをつかめないまま終了となり11番手に留まった。トップとの差は1.526秒だった。
一方のクアルタラロは、Q1で6番手まで上がったところでアクシデントに遭遇。3ラップ目の第16コーナーでマシンが大きく振られ、何とか立て直したもののコースを外れてしまった。一旦ピットに戻り、再スタートしたころには、あと1ラップしか残されておらず、タイムを更新することはできなかった。これによりセッション12番手、グリッドは22番となっている。
SPRINT
Monster Energy Yamaha MotoGPのふたりは苦戦
Monster Energy Yamaha MotoGPにとっては非常に厳しい展開となった。F・モルビデリは序盤で苦しみながら15位でチェッカー。F・クアルタラロはグリッド22位からスタート後、21位でゴールした。
活躍を期して臨んだスプリントだったが、依然として雨が残るなかで苦戦を強いられた。モルビデリはスタートで出遅れ、一時18番手に後退したあと15番手まで挽回。クアルタラロはグリッド最後尾からスタートし、フィーリングをつかめないまま21位で終えた。
モルビデリはオープニングラップの混戦のなか、中段グループに飲み込まれて16番手に後退。F・ディ・ギャナントニオ(ドゥカティ)、R・フェルナンデス(アプリリア)と競り合い、さらに18番手へと下げたが、ここから挽回を開始した。4ラップ目にM・マルケス(ホンダ)をパスし、次のラップではP・エスパルガロ(KTM)を追撃。最終的にこれに打ち勝ち16番手に復帰した。そして残り1ラップではフェルナンデスから15番手を奪い返し、そのポジションを守り切ってチェッカーを受けた。トップとの差は27.191秒。
グリッド22番手のクアルタラロは好スタートを決めて2つポジションアップ。しかしペースを上げるなかで危ない場面があり、再び最後尾まで後退してしまった。ここからもう一度、挽回を目指してI・レクオナ(ホンダ)をとらえたものの、中上貴晶(ホンダ)には届かず21位でゴール。トップとの差は30.326秒だった。
この結果、クアルタラロは合計64ポイントでランキング10位。モルビデリは合計57ポイントで12となっている。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計121ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計82ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位をそれぞれキープしている。
QUALIFYING RESULT
SPRINT RESULT
COMMENT
QUALIFYING
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・モルビデリ選手談(予選11番手/2分16秒885)
「非常にトリッキーな状況のなか、トリッキーなコンディションを走りました。それでも最大限の仕事ができたと思っています。午後の天気が気になるところですが、ウエットになってもドライになっても準備はできています。どちらのコンディションについてもデータは揃っているので、今日の午後からのスプリント、そして明日のレースも楽しみです」
F・クアルタラロ選手談(予選22番手/2分22秒931)
「望んでいた結果にはなりませんでした。午前中のFP2ではウエットのフィーリングがうまくつかめず、ほとんど前進が見られませんでした。Q1ではミスをしてしまい、ピットでしばらく待たなければなりませんでした。その間にタイヤが冷えてしまっていましたし、あと1ラップしか残っていませんでした。ここからまたフィーリング改善を目指し、その成果を見ていきたいと思います」
SPRINT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・モルビデリ選手談(15位)
「結果を受け入れるだけです。スプリントは非常に厳しい戦いでしたが、そのなかで最大限の成果を目指していきました。もっと上へ行くチャンスもあったかもしれませんが、とにかく、とてもトリッキーな状況だったのです。最善を尽くし、その結果として明日に向けて改善すべき点がわかりました。それが今日の成果です。明日のレースはドライ・コンディションになりそうです。またしても非常にタフな戦いになりますが、ベストを尽くし、ポイント獲得を目指します。それが私の仕事です」
F・クアルタラロ選手談(21位)
「昨年はここシルバーストーンで好成績をおさめました。ここは大好きなコースです。その場所にようやく戻ってくることができ、またレースに臨んでいます。昨年の成果にさらに積み上げるべく、目標に集中していかなければなりません。シーズン後半戦は非常に重要で、戦いの再開に自信を持っています」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「午前中のセッションからすでに、厳しい展開になることがわかっていました。フランキー(モルビデリ)はウエットで良いフィーリングをつかみ、Q1では難しいコンディションのなかで素晴らしい走りを見せてくれました。この結果、Q2に進出し、グリッド11番手を獲得することができました。しかし残念ながら、スプリントでは思ったようなスタートができず1ラップ目で勢いを失ってしまいました。それでも、そこから何台か抜き、マシンに良いフィーリングをつかんでいることを証明してくれました。ですから、明日も同じようなコンディションであれば、このセッティングをベースにすることができると考えています。ファビオ(クアルタラロ)のほうは非常に残念な結果になりました。ウエットでのフィーリングが良くありませんでしたし、Q1では危うく転倒という場面がありました。激しいクラッシュになる可能性もあったので、彼に怪我がなく、ほっとしました。しかし、転倒は免れたとしても、タイムアタックのチャンスは逃してしまいました。その結果、グリッド最後尾に並ぶことになったことはとても不運でした。スプリントの終盤は少しフィーリングが良くなっているようでしたが、まだ十分ではありません。明日に向けてまた作業に取り組みます」