モトクロス世界選手権
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Rd.09 6月11日 ドイツ
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権 第9戦ドイツ
■カテゴリ:MXGP/MX2
■開催日:2023年6月11日
■開催地:トイチェンタル(1.590km)
REPORT
ドイツのトイチェンタルで開催されたFIMモトクロス世界選手権第9戦ドイツで、Monster Energy Yamaha Factory MXGPのグレン・コルデンホフがレース1で4位、レース2では2位に入り、総合2位となった。一方、ジェレミー・シーワーは2レースで高いパフォーマンスを見せて同点総合3位になったが、総合結果ではレース2で上位に入ったライダーが優先されるため4位となった。
MX2では、Monster Energy Yamaha Factory MX2のティボー・ベニスタントが総合3位に入り、今季6度目の表彰台を獲得した。この結果、ベニスタントはMX2選手権ランキングで2位に浮上した。一方、ヤゴ・グリーツは手首の負傷という問題を抱えながらも見事、総合9位に入った。リック・エルジンガも力走して総合15位でグランプリを終えた。
MXGP
コルデンホフがドイツ・グランプリで総合2位、シーワーは総合4位
レース1、シーワーはMXGPタイトル候補のJ・ハーリングス(KTM)やJ・プラド(GASGAS)と激しいバトルを繰り広げ、真のポテンシャルを発揮した。YZ450FMを巧みに操り、目を見張るようなホールショットを決めて、レース前半をリードする。その後、3番手まで後退したが、15周目にハーリングスがクラッシュをしたところでポジションをひとつ取り戻した。
チャレンジングなトイチェンタル・サーキットは、ラフでわだちの多い路面でオーバーテイクが難しい。シーワーはポイントリーダーのプラドにわずか2秒差の2位でフィニッシュし、コルデンホフはトップ5圏外から猛プッシュして激戦末4位を得た。
レース1で好成績を収めて自信を得たコルデンホフは、レース2でさらに力強さを発揮した。目を見張るようなホールショットを決めると、18周で争われるレースの最初の15周をリード。その奮闘にもかかわらず、コルデンホフは残り3周で大きなミスをおかして、最終的に2位でフィニッシュ。総合結果では2位となった。
シーワーは、リア・ショックにトラブルが発生しサイティングラップの後にレース用バイクからスペアバイクに乗り換えるアクシデントに見舞われてしまった。レースではターン2で転倒した後、最後尾まで後退しながら、驚異的な速さで追い上げ5位フィニッシュを果たした。
ドイツGPで好成績を収めたシーワーとコルデンホフは、ランキングでそれぞれ5位と6位を維持している。FIMモトクロス世界選手権、次戦は6月24、25日にインドネシアのサモタ・スンバワ島で開催される。
MX2
タイトルを争うベニスタントがドイツGPで今季6度目の表彰台獲得
ラフでわだちの多い路面で悪名高いトイチェンタル・サーキットはライダーにとって挑戦の場となっている。タイトでコンパクト、わだちがちりばめられたコースは追い抜きが難しく、スタートの重要性が一層強くなっている。ベニスタントはレース1で5番手スタートするが、2022年のドイツGPを制した時のような勢いには及ばなかった。それでも3番手を走行していたR・フォン・ドゥ・モーシュタイク(ハスクバーナ)が最終ラップにクラッシュすると、4番手に浮上しそのままフィニッシュした。
エルジンガとグリーツの復帰は、Monster Energy Yamaha Factory MX2チームを大いに勢いづかせることとなった。グリーツはレース1で強力なパフォーマンスを披露して最初の25分間に渡って7番手をキープするが、その後、岩だらけのわだちで転倒してしまう。他のライダーにヒットされたにもかわわらず、再びバイクにまたがると、13位でフィニッシュした。
一方、エルジンガはオープニングラップでハイサイドを喫し、集団の中をすり抜け、順位を上げてゆくことを強いられた。競争力を取り戻し、体力を構築することをメインに取り組んでいるエルジンガは18番手まで挽回してフィニッシュした。
最終レースに向けて、トイチェンタル・サーキットは粉塵を最小限に抑えるため、サーキットのスタッフにより、コースに大量の散水が行われた。このことにより、ライダーたちには慎重なスロットル操作が求められることになった。グリーツは見事なスタートを決めると、可能な限り選手権ポイントを獲得すべく、負傷をものともせずにプッシュ、7位でフィニッシュした。
また、ベニスタントはトップ5圏外から猛チャージを見せて4番手まで上がると、12周目にトップのL・クーネン(ハスクバーナ)がリタイアすると3番手に浮上し、フィニッシュラインを通過した。一方、エルジンガは粘り強く走り続けて11位でフィニッシュした。
過酷な争いが展開されたドイツ・グランプリを終えて、グリーツは貴重なポイントを獲得して選手権ランキング5位を守ったが、エルジンガは13位に後退。ベニスタントは2位にランキングを上げ、新たに選手権リーダーとなったA・アダモ(KTM)を13ポイント差で追っている。
FIMモトクロス世界選手権、次戦は6月24、25日にインドネシアのサモタ・スンバワ島で開催される。
MXGP RESULT Race.1
MXGP RESULT Race.2
MX2 RESULT Race.1
MX2 RESULT Race.2
RIDERS RANKING MXGP
RIDERS RANKING MX2
CONSTRUCTORS RANKING MXGP
CONSTRUCTORS RANKING MX2
COMMENT
MXGP
Monster Energy Yamaha Factory MXGP
グレン・コルデンホフ選手談(4/2位:総合2位)
「リオラで初めてポディウム・フィニッシュを決めてから道のりは長く、精神的にも大変でした。フランスの後、トレーニング・プログラムを少し変更することにして、本当にハードなトレー二ングを積んできました。スタートに大きく重点を置いてきましたが、今日ついにFox Holeshotを獲得することができました。僕にはこれが必要だったんです。ライディングの感触は良くて、これまでの努力が報われました。毎週末、僕はどんどん強くなって、ここトイチェンタルのようなコースで表彰台に上ることができました。正直に言うと、このコースは好きなコースではありませんが、この結果は僕らが正しい方向に進んでいることを示しています。所属チームであるMonster Energy Yamaha Factory MXGPのハードワークに感謝しています。それが報われたのは素晴らしいことです」
ジェレミー・シーワー選手談(2/5位:総合4位)
「今週末は順調でしたが、レース2では珍しい問題が発生したため、サイティングラップの後にバイクを交換しなければなりませんでした。僕自身はバイクに異常を感じたわけではなく、メカニックがリア・ショックに何かがあることに気づいたので、予防措置としてバイクを交換したのです。1周も走ったことがないバイクに乗るのはかなりチャレンジングです。スタートで少し集中力を失って、それからジャンプをミスして、その後ターン2で小さなクラッシュをしました。その後、集団の中を追い上げて、ほとんど表彰台獲得というところまでいきました。今年最高のレースのひとつに数えられるレースをしたと思います。次のGPを楽しみにしています」
MX2
Monster Energy Yamaha Factory MX2
ティボー・ベニスタント選手談(4/3位:総合3位)
「3回連続で表彰台に立ちました。週末を通してバイクの感触があまり良くなかったので、調子の悪い日に3位に入ったのでまずまずの結果です。苦戦したような気がしましたが、自分たちにできるかぎりのことをしました。バイクをアジャストしたり、ライディングスタイルを調整しましたが、今日は頭打ちになっていたと思います。トイチェンタルは自分が速く走ることができるはずのコースなので残念です。ただいずれにしても、表彰台に立つことができてここを離れることができたのはよかったです」
ヤゴ・グリーツ選手談(13/7位:総合9位)
「この状態での今日の結果には本当に満足しています。レース1から既にかなり良かったのです。スタートが良かったし、レースの大半で7番手を走っていましたが、フロントホイールが石に当たって小さなクラッシュをしてしまいました。その後、他の選手にぶつけられましたが、それでも13位で8ポイント獲得できて、すでに満足でした。2回目のレースでも好スタートを決めることができて、7位でフィニッシュできました。これはすごく良かった。このように一度に22ポイントを獲得することができたのは最高の結果なので、非常に満足しています」
リック・エリジンガ選手談(18/11位:総合15位)
「この週末はまずまずでした。前回レースをしてから1ヶ月も経っているので普通だと思います。バイクに乗っている時は良い感触でしたけど、ミスが多すぎました。最初のレースでは大クラッシュをしてしまい、最後尾から追い上げることになってしまい、2レース目ではスタートが悪く、フロントブレーキが安定して機能していないように感じて大変でした。ポジティブなポイントを見れば、ライディングはOKでした。スタートを良くして、ミスを減らせば、結果はおのずとついてくるはずです」