モトクロス世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 4月30日 ポルトガル
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権 第5戦ポルトガル
■カテゴリ:MXGP/MX2
■開催日:2023年4月30日
■開催地:アゲダ(1,630m)
REPORT
ポルトガルのアゲダで開催されたFIMモトクロス世界選手権第5戦で、Monster Energy Yamaha Factory MXGPのジェレミー・シーワーとグレン・コルデンホフがそれぞれ総合5位と6位でフィニッシュした。一方、マキシム・ルノーも厳しい状況を乗り越えてトップ10フィニッシュを果たした。
MX2では、Monster Energy Yamaha Factory MX2のヤゴ・グリーツがYZ250FMを駆ってダブルウィンを果たした。この結果、ランキング2位との差を36ポイントに拡大した。
MXGP
シーワーとコルデンホフが総合5・6位を獲得、ルノーはトップ10フィニッシュ
白熱した争いとなったポルトガルGPのレース1、コルデンホフは10番手からヤマハ・ライダー最上位の4番手へと順位を上げてチェッカーフラッグを受けた。一方、シーワーはハードにプッシュして5位でフィニッシュ。ルノーは身体的な問題とクラッシュを乗り越えて13位でレースを終えた。
レース2では、YZ450FMを駆るシーワーが見事なホールショットを決めるとトップ3圏内につけたが、結局4位でフィニッシュ。予選結果から、それぞれ15番手と24番手という不利なポジションについたコルデンホフとルノーは、後方から猛チャージし、コルデンホフは7位。ルノーはクラッシュがある11位まで挽回してチェッカーを受けた。
Monster Energy Yamaha Factory MXGPチームは既に、6日後にアゲダの東、500キロに位置するスペインのマドリッドで開催される次戦に照準を合わせている。ルノーはランキング4位で、コルデンホフとシーワーはそれぞれ7位と8位で第6戦スペインGPに臨む。
MX2
グリーツがポルトガルGPを完全制覇、ランキングでリードを拡大
埃を防ぐために大量の散水が行われた結果、ポルトガル・グランプリのオープニングレースは晴天で暖かい気候ながらウエットでマッディなコンディションとなった。グリーツはこれに対して最適なアプローチを採り、トップ3圏内でスタートした後、序盤をリードしたA・アダモ(KTM)を辛抱強く追い上げた。
MX2世界タイトル獲得を目指して費やした5年間の経験を活かしグリーツは、30分のレース時間をフルに使って自身のラインを見出すと、残り2周となったところでアダモを攻略。ひとたびトップに立つや、グリーツは後続を引き離し、圧勝のチェッカーフラッグを受けた。
ティボー・ベニスタントはアゲダの硬く滑りやすい粘度質の路面に適応するのに苦戦。レース序盤のクラッシュもあり、13位でフィニッシュするにとどまった。一方、ルーキーのリック・エリジンガは高いポテンシャルを見せて7位でフィニッシュした。
勢いに乗るグリーツは、週末最後のレース2もライバルを圧倒。18周で争われたレースの全周回をリードし、今シーズン6度目の優勝を果たした。ベニスタントはレース2ではわずかに改善を見せ、不調ながらも8位でフィニッシュ。エリジンガは、ここでも賞賛すべきパフォーマンスを見せて9位に入った。
巧みなレース運びで総合優勝を果たしたグリーツは、MX2世界選手権でのリードを拡大した。ベニスタントとエリジンガはそれぞれランキング4位と11位につけている。
Monster Energy Yamaha Factory MX2チームはこの後、アゲダから東に500キロ離れたスペインのマドリッドへ向かい、5月6、7日に開催される選手権第6戦スペイン・グランプリに臨む。
MXGP RESULT Race.1
MXGP RESULT Race.2
MX2 RESULT Race.1
MX2 RESULT Race.2
RIDERS RANKING MXGP
RIDERS RANKING MX2
CONSTRUCTORS RANKING MXGP
CONSTRUCTORS RANKING MX2
COMMENT
MXGP
Monster Energy Yamaha Factory MXGP
ジェレミー・シーワー選手談(5/4位:総合5位)
「表彰台に立ったわけでも勝ったわけでもありませんが、今シーズンの苦戦の中で、大きな一歩を踏み出したと感じています。ポジティブであり、身体的には強力で、ようやく準備ができた感じです。これまでのGPでは、序盤にクラッシュを経験して、かなり自信を失っているので、序盤でペースを上げることに取り組む必要があるんです。全体として、これは正しい方向への一歩だと言えます。もっと上を望んでいますが、それには時間がかかることはわかっていますが、すぐに次の一歩を踏み出せると思います」
グレン・コルデンホフ選手談(4/7位:総合6位)
「タフな週末でした。昨日は不調でしたが、今日はどうにか好転できました。ゲートの位置が悪く、好スタートは不可能でした。レース1ではハードにプッシュして4位に入りました。かなり後方からスタートして良いライディングができました。2レース目は10番手前後でスタートして、路面が乾いて埃っぽく、ひどいバンプもあったので追い上げるのは大変だったのですが、7位まで上がり、総合6位に入りました。これは目指している結果ではありません。スペインで立ち直れるようがんばります」
マキシム・ルノー選手談(13/11位:総合10位)
「土曜日は予選で技術的な問題があり、僕にとってとてもタフな週末になりました。この問題のために最下位からスタートしなければならなかったのです。誰もが知っているように、スタート位置はとても重要なんです。両レースともハードにライディングしなければなりませんでしたが、身体のコンディションにも苦しんでいたので容易ではなく、すべてが困難でした。選手権のために可能なかぎりポイントを獲得するためにベストを尽くしましたが、それだけでは十分ではありませんでしたが。スペインで100%のコンディションに近づけるよう努力して、それからまた目標に向かってがんばります」
MX2
Monster Energy Yamaha Factory MX2
ヤゴ・グリーツ選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「自分にとって完璧な週末でした。プラクティスの最初のラップからコースの感触は良かったので、良い週末になるだろうと思っていました。そしてその通りになりました! 予選レースも含め3つのレースで勝てて本当にうれしいです。これ以上言えることはあまりありません。すごく楽しめたし、60ポイントに満足しています」
リック・エルジンガ選手談(7/9位:総合7位)
「この週末はかなり良かったと思います。最近、メンタル面で苦労しているのですが、それに取り組んでいて良い感じになり始めています。昨日の予選では大きな石がフロントブレーキをブロックしてしまったのでちょっと不運でした。それによって今日のレースではグリッドがアウト側になってしまい、コーナーまでが遠すぎてすごく大変でした。後ろからスタートして7位と9位でフィニッシュできたのはかなり良かったです。自分のライディングが良かった証拠ですからね。僕にとってはそれが一番重要なことです」
ティボー・ベニスタン選手談(13/8位:総合10位)
「この週末はすごく大変でした。バイクやコースに馴染むことができず、2レースとも良いスタートを決めたのですが、フィーリングのせいで良い結果を得られませんでした。もちろん、できることはすべてトライしました。異なるライン、ライディングスタイル、セッティング、すべてです。でも楽に走ることができませんでした。それでも前だけを見て、スペインで立て直したいと思っています」