MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 4月30日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦スペインGP
■開催日:2023年4月30日(日)決勝結果
■開催地:ヘレス/スペイン(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:33度
■PP:A・エスパルガロ(1分37秒216/アプリリア)
■FL:F・バニャイア(1分37秒989/ドゥカティ)
REPORT
不運のスペインGP、Monster Energy Yamaha MotoGPは10位と11位
第4戦スペインGPの決勝はMonster Energy Yamaha MotoGPにとって非常に難しい展開となった。F・クアルタラロとF・モルビデリはともにロングラップ・ペナルティにより後退を余儀なくされたが、それぞれ10位と11まで挽回してポイントを獲得した。
前日のスプリントに続き、日曜日の決勝でもオープニングラップでアクシデントが起きた。クアルタラロがM・ベッツェッキ(ドゥカティ)、M・オリベイラ(アプリリア)と接触して転倒し、レッドフラッグにより中断。予定の25ラップから24ラップに減算して再スタートとなった。
クアルタラロは16番グリッドからすぐさま11番手まで浮上したが、先のアクシデントに対する制裁としてロングラップ・ペナルティを課され、4ラップ終了後にこれを完了して14番手へ後退。しかし不運はここで終わらず、ペナルティ履行時のライン取りが不正であったと判断されて、2度目のロングラップ・ペナルティにより16番手へ後退した。
この状況を好転させるべく奮起したクアルタラロは限界までプッシュ。そしてR・フェルナンデス(アプリリア)、A・フェルナンデス(KTM)、F・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)をパスし、さらに前方での転倒もあり10位まで挽回した。最終ラップでは中上貴晶(ホンダ)に迫り、9位獲得を目指したが、わずかに届かなかった。この結果、クアルタラロは2度のロングラップ・ペナルティにもかかわらずトップから15.846秒差の10位でチェッカーを受け、ポイントを獲得している。
一方のモルビデリもまた、前日のアクシデントに対してロングラップ・ペナルティを課され、ヤマハが本人に代わりアピールしたが、この訴えは却下されていた。14番グリッドから2度目の好スタートを切ったモルビデリは、3ラップ終了後にロングラップを走って18番手へ後退。厳しい状況のなかでも精神力を維持し、8ラップ目にS・ブラドル(ホンダ)をとらえると、その後はクアルタラロの後方についてR・フェルナンデス、A・フェルナンデス、ディ・ジャンアントニオをパス。最終的にトップから17.209秒差の11位でゴールした。
この結果、クアルタラロは合計40ポイントでランキング11位、モルビデリは合計34ポイントでランキング12位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計74ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計49ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
Monster Energy Yamaha MotoGPは月曜日、同サーキットで行われる公式テストに参加し、1週間のオフのあと第5戦フランスGPに臨む。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(10位)
「1度目のスタート直後、オーバーテイクを狙っていたわけではありません。ただコーナーを無事に抜けようとしていただけです。しかし右にベッツェッキ選手、左にオリベイラ選手がいて、ふたりのマシンに接触してしまいました。でも、それはただスペースがなかったからなのです。私たちからすれば、ただベストを尽くそうとしていただけなので、ペナルティを与えられる理由はありませんでした。でもペース自体は良かったのです」
F・モルビデリ選手談(11位)
「クレイジーなスタートでした。私たちはそろそろ、このことについて真剣に考え始める必要があると思います。今日もまたレッドフラッグが出され、またも恐怖と危険な瞬間があったのですから。それでも最終的にすべてがうまくいけば、イベントとして成立するのです。ですから今、解決方法を探し始めなければなりません。私は最初のふたつのコーナーを無傷で終えたあと、ようやく自分のレースに取り掛かり、前のグループを追って行きました。でもレース序盤は本当にひどい混乱なのです。ロングラップ・ペナルティを終えたあとは何台かパスすることもできました」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「悪夢のような週末でした。モルビデリ選手が絡んだ昨日のアクシデントと同様に、今日のクアルタラロ選手に対するロングラップ・ペナルティの制裁も厳し過ぎると感じています。彼は無謀なオーバーテイクをしたわけではなく、タイトなコーナーのなかで2台のマシンに挟まれてしまっただけです。しかも、さらに悪いことには、ペナルティ履行ゾーンの出口にある白線を踏んで2度目のロングラップまで課されてしまいました。決勝後にレース・ディレクションを訪ね、彼らの決定に対する私たちの意見を述べましたが、さまざまな見解を確認したあとも私たちを納得させることはできませんでした。クアルタラロ選手のレースは管理者の決定に翻弄されましたし、昨日のモルビデリ選手に対するペナルティもまた非常に疑わしいものだったと考えています。このような状況にもかかわらず、二人はポイントを持ち返ってくれました。へレス・サーキットでの仕事はまだ終わっておらず、明日も非常に重要なテストがあります。最新のエアロパーツと新型エキゾーストのテストを予定しています」