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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.13 8月21日 オーストリア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第13戦オーストリアGP
■開催日:2022年8月21日(日)決勝結果
■開催地:シュピールベルク/オーストリア(4.348km)
■周回数:28周(121.744km)
■コースコンディション:ドライ
■PP:E・バスティアニーニ(1分28秒772/ドゥカティ)
■FL:J・マルティン(1分29秒854/ドゥカティ)

REPORT

クアルタラロが2位獲得

第13戦オーストリアGP、シュピールベルク・サーキットで、Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロが圧巻の走りを披露した。Yamaha YZR-M1の性能のすべてを絞り出し、ハードバトルを制して2位を獲得した。チームメイトのF・モルビデリも非常に好調で、何度もオーバーテイクを見せて目標のポイント獲得に近づいていたが、残り3ラップの第2コーナーで転倒しリタイアとなった。

クアルタラロはグリッド・ポジションの5番手を確保してオープニング・ラップを終了したが、ペースアップにはもう少し時間が必要で、2ラップ目にはM・ビニャーレス(アプリリア)に先行を許して、その後方に続く展開。しかし数ラップ後に'ゾーン'に入ると一気にプレッシャーをかけていき、ビニャーレスがコーナーではらむ間に5番手を奪還した。

前方を走っていたE・バスティアニーニ(ドゥカティ)がトラブルで戦列を離れたためクアルタラロは4番手に浮上。一時、単独走行になったものの少しも手を緩めることはなく、毎ラップ、限界まで攻めていった。トップ3台がフロントにソフト・コンパウンドを選択しているのに対し、ハード・コンパウンドを装着したクアルタラロは少しずつ着実に差を詰めていく。

そして16ラップ目にはJ・マルティン(ドゥカティ)がはらむ間に3番手に浮上。7ラップ後にはJ・ミラー(ドゥカティ)の背後に迫り、さらに1ラップ後のシケインで、この時とばかりに勝負を賭けた。M1の敏捷性を存分に活用してミラーを抑え込んだクアルタラロは、すぐさまトップのF・バニャイア(ドゥカティ)を追って行く。最終的に0.492秒差まで迫るもオーバーテイクはかなわず、2位でチェッカーを受けた。

一方、グリッド16番手からスタートしたモルビデリは、オープニング・ラップの混戦を懸命に抜けていく。このなかで一時、18番手まで後退したものの、素早く挽回に転じて16番手をキープした。
その後も闘志あふれる走りで何度もバトルを繰り広げながら、目標のポイント圏内を目指していく。そして12ラップ目には14番手へ浮上し、前を走るM・オリベイラ(KTM)とともに、さらにその前の2台に近づいていった。24ラップ目にはオリベイラに仕掛けるも、はらみ、再度のチャンスを狙っていたものの第2コーナーで転倒してリタイアとなった。

この結果、クアルタラロはチャンピオンシップ・ポイントを200ポイントまで伸ばし、そのリードを32ポイントに拡大。モルビデリは合計26ポイントのランキング19位をキープしている。ヤマハは合計200ポイントでコンストラクターズ・ランキング2位、Monster Energy Yamaha MotoGPは合計226ポイントでチーム・ランキング3位をそれぞれ維持している。

ドビツィオーゾがポイント獲得

WithU Yamaha RNF MotoGP TeamのA・ドビツィオーゾが15位でチェッカーを受け、1ポイントを獲得した。チームメイトのD・ビンダーも好調な走りを続けていたが、転倒リタイアとなっている。

グリッド19番手からスタートしたドビツィオーゾは1ラップ目に21番手へ後退。5ラップ後にはミスがあり、さらに順位を下げていた。しかしここから挽回を開始し、リズムをつかむと継続的にラップタイムを更新。レース中盤までに17番手に上がり、終盤でさらにふたつ上げてチェッカーを受けている。

チームメイトのビンダーはグリッド21番手から絶好のスタートを決めて13番手へジャンプアップ。さらに序盤でひとつ上げ、その後もファイティング・スピリットを露わに懸命に前のグループに食らいついていった。しかし中盤直前で転倒し、そのままリタイアとなった。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(2位)

「1ラップ目がうまくいかなかったことは残念です。それでも最終的には、可能な限り最高の結果を獲得できたと思っています。優勝にはわずかに届きませんでしたが、今日の自分の走りには非常に満足しています。ウイークを通じておもなライバルに打ち勝ち、とくに決勝では、まるでライオンのような戦い方ができたと感じています。28ラップの間ずっと、100%のリスクをかけ続けていたのです。でも今日の私は'超'集中していました。何度かミスがあり、何度もフロントをとられそうになりましたが、反応は素早く、集中力も本当に素晴らしかったのです。自分自身を誇りに思います! ペッコ(バニャイア)に勝つことはできませんでしたが、このことが次へのエネルギーになります」

F・モルビデリ選手談(DNF)

「順調に追い上げていて、フィーリングもとても良かっただけに、転倒は残念です。ミゲール(オリベイラ)と、さらにその前の2台を狙っていてペースはとても良かったのですが、ミゲールをパスしたときには第6コーナーでコースアウトし、第7コーナーではらんでしまいました。そして次の左コーナーに差し掛かると、タイヤが汚れていたのか何か、マシンを左に向けた途端にフロントをとられてしまいました。非常に残念な結果ですが、今回は確かに、大きな進歩がありました。これまで以上にマシンの性能を引き出し、速く走ることができました。このことはポジティブに受け止めており、この状態をキープしたいと思っています。次のミサノではこの好調を再現し、あるいは、より一層、高いところを目指していきたいと思います」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)談

「ファビオ(クアルタラロ)の走りは本当に見事でした! 今のチャンピオンシップにおいては、ひとり抜きん出たレベルにあると思います。マシンの性能を最大限まで引き出し、2位に上がったシケインでも見せたように、誰も考えなかったけれどもヤマハの強みに合ったオーバーテイクを実践していたのです。彼は本当に速く、安定しており、スマートでした。自己満足の偏見ですが、私たちはファビオが今日の最強のライダーだったと思っているだけに、優勝にわずかに届かなかったことは残念です。いずれにしても、チャンピオンシップのリードを拡大できたことは、私たちにとっては勝利と同様です。フランキー(モルビデリ)については二通りの見方ができます。グリッド16番手からスタートした彼がポイントを獲得できなかったことは、もちろん残念です。しかしその一方で、まったくプッシュせずに完走することよりも、ハードプッシュをして、ときにミスをするライダーを見たいと思います。今日の彼はペースも良く、オーバーテイクもできていました。このことを高く評価しており、2週間後のミサノにつなげたいと考えています」

WithU Yamaha RNF MotoGP Team
A・ドビツィオーゾ選手談(15位)

「いつものように、レース序盤はポジションを上げることができず、逆にいくつか後退してしまいました。スタートは良かったのですが、下位集団が混戦となるコーナーではギャンブルのようになってしまいます。そしてどんどん遅れてしまうのです。5ラップ目には第1コーナーでコースアウトし、さらに順位を下げてしまいました。レース展開は変化し、私はここから挽回していかなければならなくなりました。レース中盤はフリープラクティスと同等のペースで走れていたのですが、ここまで下がってしまったあとでは、どうすることもできませんでした。そのなかで最終的に1ポイントが獲れたことは良かったと思っています」

D・ビンダー選手談(DNF)

「オーストリアGPウイークが終わりました。もっと良い展開を期待していましたが、中盤に入る直前に転倒し、ほろ苦い結果になってしまいました。スタートは素晴らしく、そのあとも非常にいいペースで走れていました。ポイント圏内をキープして、フィーリングもとても良かったのです。ところが13ラップ目の第9コーナーで転倒してしまいました。ウイークを通じて好調で、セッションごとに強くなってきていて、決勝中も非常に好調だっただけに、このような形で終わったことは本当に残念です。良かったところをしっかり評価し、次につなげたいと思います」

R・ラザリ(チーム創設者・代表者)談

「最後のポイント獲得から、永遠とも思えるような長い時間が経ちました。今日こうしてアンドレア(ドビツィオーゾ)が1ポイントを持ち帰ってくれたことを非常にうれしく思います。ダリン(ビンダー)は素晴らしいスタートでポジションを上げましたが、残念ながら転倒してしまいました。でもその瞬間までは、私たちは皆、良い週末を享受していました。少なくとも1ポイントを獲得できたことは評価できますし、アンドレアの最終レースであり、ダリンにとってはさらなる進化を目指すことになる次回ミサノを楽しみにしています」

W・ズィーレンベルグ(チーム・マネジャー)談

「全員が突然の雨に備えながらの難しいレースでしたが、幸いにもドライ・コンディションが保たれたまま一日を終えることができました。実際にはコンディションは素晴らしく、タイヤ・チョイスに迷うこともありませんでした。ダリンは今日も絶好のスタートを決め、一気に順位を上げて長い間13番手を走っていました。しかし中盤でフランコ(モルビデリ)の後ろにつけていたとき、第9コーナーでリアが流れ、さらにフロント・グリップを失って転倒してしまいました。幸いダリンは無事で、ダメージは大きくありませんでした。高ポイント獲得が期待されただけに残念です。
アンドレアは序盤、ブレーキングに苦しんでいました。そのなかでしっかり最後まで走り切り、1ポイントを獲得できたことをうれしく思っています。16位は何度かあるのですが、そのような状態が続くのは良いことではありませんし、少なくとも1ポイントをチームに持ち帰ってくれたことはとても重要です。その一方でトップから30秒も離されたことはもちろん残念ですが、これが今の状態だということを現実的に受け止めなければなりません。彼のラストレースでは、ふたり揃ってのポイント獲得を期待しています」

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