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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.09 6月5日 カタルニア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP 第9戦カタルニアGP
■開催日:2022年6月5日(日)決勝結果
■開催地:カタルニア/スペイン(4.657km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:56度
■PP:A・エスパルガロ(1分38秒742/アプリリア)
■FL:F・クアルタラロ(1分40秒186/ヤマハ)

REPORT

クアルタラロ選手が今季2勝目、MotoGPで通算10回目となる優勝!

F・クアルタラロの2024年までの契約延長とMonster Energyのタイトル・スポンサーとしての複数年契約が発表されたばかりのカタルニアGPにおいて、クアルタラロが圧倒的強さで勝利を飾った。チームメイトのF・モルビデリは激しいバトルのなかで巧みにタイヤを温存しながら、グリッド18番手から13位まで上げてチェッカーを受けている。

クアルタラロはグリッド続き3番手から絶好のスタート。そのまま第1コーナーへとダッシュし、マシンへの信頼を示すように誰よりもブレーキを遅らせて飛び込んだ。この直後、すぐ後ろにつけていた3台が転倒して戦列を離れている。

この間も少しの時間も無駄にすることなく、さらに畳みかけていくクアルタラロ。前回2位に留まり勝利を切望していることに加え、このMonster EnergyカタルニアGPでの成功はいつも以上に重要な意味を持つ。クアルタラロはトップに立ったあと一気に後続を引き離し、マシンとの相性の良さを見せつけながらさらにリード拡大。最終的に6.473秒もの大差をつけて圧勝した。2023年~2024年の2年契約とMonster Energyのタイトル・スポンサー契約延長が決定したことで、今後数年間にわたり、大勢のレース・ファンがこのようなパフォーマンスを楽しむこととなる。

一方、グリッド18番手からスタートしたモルビデリは、第1コーナーでの混乱の影響もあり22番手まで後退。路面温度が55度まで上昇するなかタイヤをオーバーヒートさせずに順位を挽回していくのは簡単ではなく、そのため守りと攻めのバランスをとりながらレースを進めていった。

グリップ・レベルの低さにより数台が転倒する一方で、モルビデリは我慢の走りを続けて勝負の瞬間を待つ。レース後半を迎えてライバルたちが暑さに苦戦し始めると、一気に2台をパスして14番手へ浮上。これで11位争いの集団に加わり、13位でチェッカーを受けた。トップとの差は33.1687秒だった。

この結果、クアルタラロは合計147ポイントに伸ばしてチャンピオンシップのリードを22ポイントに拡大。モルビデリは合計22ポイントでランキング19位となっている。ヤマハは合計147ポイントでコンストラクター・ランキング2位をキープ。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計169ポイントでチーム・ランキング2位に浮上し、トップを2ポイント差で追っている。

ビンダーが12位でポイント獲得

6万を超える熱狂的ファンの前で、WithU Yamaha RNF MotoGP Teamのルーキーが見事なパフォーマンスを披露した。D・ビンダーは24ラップにわたり激しいバトルを展開し、12位でチェッカーを受けてポイントを獲得している。

グリッド23番手から好スタートを切ったビンダーは、第1セクターで7つポジションを上げ、さらに1周目終了までに2台をパスして14番手へ浮上。レース中盤で一時はトップ10まで上がっていたが、激しい競り合いのなかで12番手に落ち着いた。ここからJ・ミラー(ドゥカティ)、ルーキーのR・ガードナー(KTM)、モルビデリらとバトルを展開し、最終的にヤマハ勢2位、またルーキー勢2位となる12位でチェッカーを受けた。ガードナーとの差は0.438秒だった。

ビンダーのチームメイトのA・ドビツィオーゾはグリッド・ポジションの19番手を守って1ラップ目を終了。5ラップ目に1台パスし、3ラップ後には15番手まで上げてポイント獲得を目指した。しかしその後フロントのフィーリングに苦戦するようになり、7ラップを残してピットに戻り、そのままリタイアした。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手談(優勝)

「スタート直後から一気に攻めていこうと決めていました。ペースは素晴らしく、リアタイヤを温存しなければならないことはわかっていましたが、同時に、トップに出れば必ずいいレースができることもわかっていました。第1コーナー進入ではブレーキングを最大限まで遅らせ、そのときは超ワイドにはらんでしまうかもしれないと思いましたが、懸命にポジションを守りました。あとはとても長いレースになりました。第1コーナーからチェッカーまでリードし続けることができ、本当に素晴らしい勝利になったと思います。もちろんグリップ低下は感じていました。序盤の数ラップで激しくプッシュしましたが、そのあともずっと、もっと行けると思っていて、まだ少し余裕があったのです。今回、ようやく勝利を手にすることができ本当にうれしいです! とても満足しています。フィーリングは100%で、まるで家の近くでスクーターに乗っているようにYZR-M1に乗れました。これは自分のマシンなのです! このマシンが大好きで、とてもエンジョイしています! 走りながら常に進化し、とくに素晴らしいのは、走っている間も考えることができるということです。あのような高速では本来、非常に難しいことなのです」

F・モルビデリ選手談(13位)

「このウイーク中にいくつかの進化が見られました。とくに初日の金曜日には、グリップがないのに良いフィーリングをつかむことができました。そのあとグリップが上がってくると、また苦戦するようになってしまったのですが、それでも以前ほどではありません。決勝ではスタートで他のライダーと接触するアクシデントもあり遅れてしまいました。でもそこから挽回し、トップ10争いにも近づくことができました。このことは明らかな前進です。とは言え、依然として理想の場所にいるわけではありません。改善すべき点はわかっていて、常に追求しています。好感触を探し続け、どこかで取り戻したいと思っています」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)談

「ほぼパーフェクトと言える1週間でした。Monster Energyとの複数年契約と、ヤマハとクアルタラロとの2年契約延長を発表するにあたり、これ以上に素晴らしい方法はなかったでしょう。好レースのチャンスはあると思っていましたが、クアルタラロ選手は予想以上のスピードで私たちを驚かせました。キーポイントとなったのが、タイヤ・マネジメントです。あれほど大きなリードを築きながら、他のライダーよりもうまく、タイヤの消耗をコントロールしていました。難しいコンディションのなかで、彼はまさに完璧なレースを成し遂げたのです。モルビデリ選手は厳しい戦いになりました。1ラップ目で他のライダーに押されてはらみ、最後尾まで後退してしまいました。そこからの挽回は大変でしたが、オーバーテイクを成功させました。彼は今回、一歩前進し、チームとともに正しい方向へ進んでいることを示してくれました。明日はIRTAテストに参加し、さらにマシンのフィーリング向上を目指していきます。マシンの最大限のポテンシャルを引き出し、次のレースに備えます」

WithU Yamaha RNF MotoGP TeamがMotoGP

D・ビンダー選手談(12位)

「今日はいいレースができました。予選の順位が実力を表していないことはわかっていました。スタートはとてもうまくいきました。でもそのあとは、タイヤを消耗していくことはわかっていますが、それがどれほどのものなのか予想がつかなかったので、序盤でどこまでプッシュできるか確信が持てませんでした。そのような状態でも結果的にいいレースができ、多くの成功を収めてきたビッグネームたちとバトルし、それをエンジョイすることができましたガードナー選手は最終ラップで私よりも余裕があり、私には抜き返すだけの力は残っていませんでした。でも素晴らしい経験でした。一歩一歩、正しい方向へ向かって進んでいると感じています。明日のテストを楽しみにしていて、予選で好位置を獲得するためのソフト・タイヤの向上にトライしたいと思っています。それができれば日曜日がもっと楽になるはずです」

A・ドビツィオーゾ選手談(DNF)

「今週はずっと、もう少し良い状態だっただけに、今日の結果は残念です。フィーリングが向上するなかで決勝を迎えていたのですが、1ラップ目の第10コーナーで目の前でブラドルが転倒し、その影響で4つもポジションを下げてしまいました。その後のオーバーテイクは難しく、加速もフロントによるブレーキングもうまくいきませんでした。ロックしてしまってブレーキがかからないので、パスは不可能でした。リアタイヤはうまくセーブできていたので、終盤は前のグループに追いついていいバトルができると考えていましたが、スリップストリームを使って背後まで近づいたときにマシンを止められず行き過ぎてしまいました。スピードでは勝っていただけに、本当に悔しい結果です。でもこれが現実です」

R・ラザリ(チーム創設者・代表者)談

「ビンダー選手が今回も素晴らしいパフォーマンスを見せ、モルビデリ選手やミラー選手とバトルを展開しました。予選で思うようなタイムを出せなかったなかで、決勝12位は見事な結果です。予選の遅れを決勝で取り戻し、勢いを維持できることを証明し、ルーキー勢2位に復帰できたことをチーム全員が喜んでいます。2週間後のザクセンリンクでも進化を続けてくれることを期待しています。
ドビツィオーゾ選手についてはポイント獲得を期待していましたが、残念ながらフロント・タイヤに何らかの問題が出てしまいました。原因は分析中ですが、まだはっきりしたことはわかりません。でも私たちは決してあきらめませんし、この月曜日のテストを含めて、状況を好転させるだけの時間もあります。ドイツGPまでの短い休暇の間に、より強くなって戻ってきます」

W・ズィーレンベルグ(チーム・マネジャー)談

「この第9戦はビンダー選手にとって、とても重要なレースになりました。素晴らしい走りを見せ、一時はトップ10争いにも加わりました。最終的に12位でゴールし、4ポイントを獲得できたことを、彼は大いに誇りにしていいと思います。気象条件は非常に厳しく、コース上は55度の暑さになりタイヤを激しく消耗しました。そのなかでもベテランライダーたちと最後まで戦い続け、決勝を通してまた一歩、大きく進化したのです。単独走行中のパフォーマンスについては、もう少し成長が必要でしょう。それでもここまでに10ポイントを獲得し、ルーキー勢2位と頑張っています。一方のドビツィオーゾ選手も今回はいいペースを持っていました。スタートはあまりうまくいかなかったものの、グループ後方の位置をキープしました。しかし3ラップもするとフロントに問題を抱えるようになりました。原因ははっきりせず、タイヤは外見上問題なく、空気圧も正常なので、より詳細の分析が必要です。タイヤの温度とコンディションによりロックしたことは明らかですが、それ以外のことはまだわかっていません。とにかく作業を続けるだけです」

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