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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.05 4月24日 ポルトガル

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第5戦ポルトガルGP
■開催日:2022年4月24日(日)決勝結果
■開催地:ポルティマオ/ポルトガル(4.684km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:18度 ■路面温度:26度
■PP:J・ザルコ(1分42秒003/ドゥカティ)
■FL:F・クアルタラロ(1分39秒435/ヤマハ)

REPORT

クアルタラロが独走で今季初優勝、ランキングトップへ浮上

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロが圧巻の走りを見せた。後続に5.409秒の大差をつけて昨年に続きパーフェクト・ウインを達成。この結果、シリーズポイントでもトップタイに浮上した。チームメイトのF・モルビデリは19番グリッドから13位まで挽回し、3ポイントを獲得している。

灰色の雲が上空に垂れ込めるなか、天候変化にも気を配りながら臨んだ決勝。グリッド上は、いつも以上に緊張感が高まっていた。

クアルタラロはその2列目、5番手の位置から絶好のスタートを切り、さらに絶好のラインを選んですぐさま2番手に浮上。1ラップを終えた時点でトップのJ・ミル(スズキ)に0.7秒差をつけられていたが、身体を伏せて一気に追い上げ、4ラップ目に入るところでトップに躍り出た。

前方が開けて自分自身のライディングに集中できるようになると、わずか2ラップで1秒以上のアドバンテージを構築。その後もハイペースを維持して単独走行を楽しみながら、5.409秒差まで拡大して真っ先にチェッカーを受けた。このなかで1分39秒495のレース・ラップレコードも記録している。

一方のモルビデリは19番グリッドからのスタートと厳しい状況。出場全ライダーが一斉に第1コーナーに飛び込む混乱のなかでトラブルを避けてポジションを確保し、1ラップ目を20番手で終えた。

ここから追い上げを開始すると早々に16番手まで挽回。さらにポイント圏内を目指そうというところで逆にF・バニャイヤ(ドゥカティ)に先行されたが、そのあと前方の2台が強風によりミスをおかしたためモルビデリは自動的に15番手へ浮上した。終盤に向けてバトルが激しさを増すなかでL・マリーニ(ドゥカティ)をパス。さらに数台の転倒もあり、一時は11番手まで上がっていたが、その後A・ドビツィオーゾとマリーニに先行を許して13位でチェッカーとなった。トップとの差は33.354秒だった。

今大会はクアルタラロの圧勝と同時に、L・ジャービスにとっても通算400回目となる記念すべきレースとなった。ジャービスは1999年にYamaha Motor Racing Srlのマネジング・ディレクターに就任以来、123回の優勝と336回の表彰台をチームにもたらし、ライダー・タイトル8回、チーム・タイトル7回、コンストラクターズ・タイトル6回、さらには5回の3冠達成に貢献した。

シリーズポイントではクアルタラロが合計69ポイントでランキングトップ・タイ。モルビデリは17ポイントで15位となっている。ヤマハは合計69ポイントでコンストラクターズ・ランキング4位、Monster Energy Yamaha MotoGPは合計86ポイントでチーム・ランキング3位に浮上している。

第6戦は4月29日~5月1日、スペインはヘレス・サーキットで開催される。

ドビツィオーゾが今季最高の11位を獲得。ビンダーはルーキー勢とバトル

金曜日、土曜日ともにウエット・コンディションが続いたあと、日曜日の決勝はドライ・コンディションに恵まれた。そのため午前中のウォームアップで初めてスリック・タイヤを試すこととなり、誰もが難しいチャレンジを強いられた。

WithU Yamaha RNF MotoGP TeamのA・ドビツィオーゾはウォームアップで9番手を獲得と好調。決勝はグリッド6列目からスタート後、1ラップ目で18番手に下げたものの5ラップ目には15番手まで挽回した。次のラップでは最終セクターで大きく遅れて19番手まで後退してしまったが、全力で挽回を目指すなかで、前方の転倒もあり再び上昇。全25ラップを走り終えた時点で今季最高となる11位まで浮上していた。これによりクアルタラロに続くヤマハ勢2位を獲得し、貴重な5ポイントを手中にしている。

ルーキーのビンダーにとっては、このサーキットで初めて経験するドライ・コンディションが試練となったが、他のルーキー勢と競り合いながら最後まで着実に走り切った。序盤はグリッド・ポジションの22番手をキープし、前方の転倒もあり少しずつ上昇。最終的に17位でチェッカーを受けた。シリーズポイントでは合計6ポイントでルーキー・ランキング2位をキープしている。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手談(優勝)

「自分自身を限界まで追い込んで、この勝利を達成しました。正直なところアルゼンチンやアメリカでも同様にプッシュしていたのですが、とくにここではマシンのフィーリングが良かったのです。ストレートがあまり長くないこととグリップが良かったことで、まさに全力をぶつけることができました。今日は午前中のウォームアップからフィーリングが良く、決勝でも絶好のスタートを切ることができました。ライバルたちの後ろについてしまうと厳しい戦いになることがわかっていたので、序盤から積極的に攻めていきました。その結果、ついに成し遂げたのです! ようやくシーズン初優勝を実現できたので、今はスーパー・ハッピーです! 私にとってはあきらめないことが最も重要で、今回はそのことを改めて実感しています」

F・モルビデリ選手談(13位)

「ドライ・コンディション用のセッティングを構築するための時間が足りませんでした。今日の午前中まで、一度もそのチャンスがなかったのです。ウォームアップから決勝までのわずかな時間で調整を行って、フィーリングが少しは良くなったのですが、本当ならこれをさらに煮詰め、慣れていく時間も必要でした。決勝ではブレーキングが早くなり、適切な加速ができなかったためペースが上がりませんでした」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)談

「開幕以来、苦しい戦いが続いていたなかで、チーム全員が待ち望んでいたシーズン初優勝をようやく達成することができ非常にうれしいです。今日のクアルタラロ選手は別次元の走りでした。コースのアドバンテージを活かしてできるだけ多くのポイントを獲得しなければならないところでしたが、ウォームアップですでに素晴らしい速さを見せてくれていたので、私たちはその時点で、どんなことも起こり得ると感じ始めていました。そして彼は最高のシナリオを描き、自分自身の手で完成させたのです。その結果としてチャンピオンシップのトップに返り咲いたことも非常にうれしいです。その一方でモルビデリ選手は厳しい戦いを強いられました。ずっとウエット・コンディションが続いていたため、ドライでの決勝には十分な準備ができませんでした。私たちはすでに、次のレースのことを考え始めています」

WithU Yamaha RNF MotoGP TeamがMotoGP

A・ドビツィオーゾ選手談(11位)

「最後は何とかポイントを獲得することができました。私たちのスピードからすれば、まずまずの結果ですが、全体的には決して満足していません。その一方で、終盤のペースは素晴らしかったので、うれしい気持ちと同時に興味深くもありました。前半はグリップがまだ残っているにもかかわらず、いつもあまり速く走れません。プラクティスや決勝序盤でペースが上がらないのも、このことが原因になっているので、これから改善していかなければならないポイントです。私がビニャーレス選手の後ろにつくと、彼がプッシュし始めて1分40秒5あたりを出していたのですが、私は1分40秒7を切ることができませんでした。さらにミスをしてコースアウトしてしまいました。でも終盤になると、単独走行で1分40秒2まで上がっていたのです。序盤はフィーリングがつかめないし、依然としてマシンの扱い方が十分に理解できていない状況です。この問題を解決するため、すぐにでもヘレスへ行ってテストをしたいです」

D・ビンダー選手談(17位)

「まずまずのレースだったと思います。昨日までずっと雨で、今朝のウォームアップでいきなりドライ・コンディションを走るのは、私にとってはとても大変なことでした。ペースもまったく上がりませんでした。それでも決勝では、幸運にも少しフィーリングがつかめました。ウォームアップの1分44秒台から決勝では1分41秒台まで上がり、3秒も短縮できたのです。そして決勝全体を通して、いいペースで走り切ることができました。ここからさらに一歩前進し、ライバルたちについて行くためには、ドライ・コンディションでの走り込みが必要でしたが、それができなかったことは残念です。終盤はギャナントニオ選手と競り合いながら一緒にベッツェッキ選手に近づいていきましたが、ギャナントニオ選手が転倒してしまったあと、私ひとりでは追い上げることができませんでした。どうやら単独走行では、あまりうまくいかないようなのです」

R・ラザリ(チーム創設者・代表)談

「ヨーロッパ・ラウンド初戦のポルティマオは、初日から雨と寒さに苦しめられました。ドライ・コンディションは土曜日のFP4の最後に、少しずつ乾いていくなかでわずかに経験できただけで、それ以外には一度もありませんでした。ドライとなった決勝で、ドビツィオーゾ選手が11位、クアルタラロ選手に続くヤマハ勢2位を獲得できたことは非常にうれしく思います。彼は決意を持って戦い、YZR-M1のポテンシャルを発揮する方法を見出したようです。そして早くも、次のレースを心待ちにしています。
ビンダー選手は依然としてマシンへの適応に苦戦しており、ポイントを獲得できなかったことは残念です。集団のなかではラップタイムも安定しており順調ですが、単独走行なるとそのペースをキープすることができなくなってしまうのです。今回のことは一度リセットし、次のヘレスでは、すべてのプラクティスでより一層アグレッシブに挑戦していきたいと思います」

W・ズィーレンベルグ(チーム・マネジャー)談

「ヨーロッパ・ラウンド初戦が終わり、ドビツィオーゾ選手が11位を獲得しました。決勝中はさまざまなトラブルもあり、ビニャーレス選手を追っているときには何度か転倒しそうな場面もありましたが、そのなかでここまで挽回し、良い結果を得られたことをうれしく思っています。しかし同時に、トップとの差は前回のオースティンとほとんど変わっておらず、これで満足するわけにはいきません。
ビンダー選手については、決勝の2ラップ目で早くも、朝のウォームアップより2秒も速くなっていました。2日間の雨のあとウォームアップで初めてドライコンディションを走ったのですから、十分なリズムをつかめなかったとしても無理はありません。それでも決勝を走りながら着実に前進していました。残念ながらポイント獲得には届きませんでしたが、ライバルたちと競り合うなかで、今日も多くのことを学んだことと思います。次は彼も走ったことのあるヘレスなので、より上位を期待したいと思います」

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