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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.17 10月2日 タイ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP 第17戦タイGP
■開催日:2022年10月2日(日)決勝結果
■開催地:ブリラム/タイ(4.554km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:27度 ■路面温度:29度
■PP:M・ベッツェッキ(1分29秒671/ドゥカティ)
■FL: J・ザルコ(1分38秒941/ドゥカティ)

REPORT

Monster Energy Yamaha MotoGP、ウエット・コンディションと格闘

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・モルビデリが13位獲得と健闘。チームメイトのF・クアルタラロはウエット・コンディションに苦戦して17位に留まった。

モルビデリは雨のなかで好走し、一時トップ10争いを展開。しかしレース後に3秒間のペナルティーを受けて13位となった。一方のクアルタラロは1ラップ目で大きくポジションを下げ、この時点ですでに、トップ争いへの希望ほぼなくなっていた。

スタート直後から激しくしぶきが上がり、前方の視界はわずかにあるかないかの状態。ライバルたちが雨に足を取られたり互いに接触したりするなかで、モルビデリはグリッド・ポジションの14番手を維持して1周目を終了した。そしてハードにプッシュしながらも限界を超えない絶妙のバランスを見つけ、少しずつペースを上げて5ラップ目までに12番手へと浮上。その後も好レースを続けて12ラップ目には9番手まで上がり、さらに前を行くE・バスティアニーニ(ドゥカティ)を追って行った。

しかし最後の5ラップではタイヤの消耗やコース・コンディションの変化もあり、ライバルに追い上げられ最終的に12番手でチェッカーを受けた。しかし、3秒間のペナルティーを課されて13位となった。トップとの差は22.439秒だった。

一方のクアルタラロは4番グリッドから好スタートを切ったあと第1コーナーへ向かう混戦のなかで他車に押し出されてしまう。これには冷静に対処したが、第4コーナーではマシンを激しく振られてさらにポジションを下げ、1ラップ目を終えた時点で17番手と大きく出遅れてしまった。ここから挽回を目指して最後まで懸命にプッシュを続けたが、良いフィーリングがつかめないまま17位でチェッカー。トップとの差は34.072秒だった。

この結果、クアルタラロはノーポイントとなり、219ポイントでランキングトップを維持しているが、2位との差は2ポイントとなった。モルビデリは合計31ポイントでランキング19位をキープした。ヤマハは合計224ポイントでコンストラクターズ・ランキング3位、Monster Energy Yamaha MotoGPは合計250ポイントでチーム・ランキング5位となっている。

クラッチローとビンダー、雨のブリラムに苦戦

ウイーク初日から好天に恵まれ、すべてのセッションがドライ・コンディションで行われてきたが、日曜日の午後は一転、激しい雨に見舞われた。これにより決勝のスタート時刻が遅れ、周回数は25ラップに減算となった。

WithU Yamaha RNF MotoGP TeamのC・クラッチローは、チームの今季ベストタイとなる15番グリッドからスタート。1ラップ目で20番手まで後退したものの、その後は着実に挽回し、レース中盤にはチャンピオンシップ・リーダーのF・クアルタラロをパスして17番手に浮上した。しかし最後の数ラップで再びポジション・ダウン。ハード・プッシュを続けるも思うようにペースが上がらなくなり、最終的には19位でチェッカーを受けた。

チームメイトのD・ビンダーはいつものように好スタートを決め、23番グリッドから18番手へジャンプアップ。しかし難しいコンディションに苦戦するなかで数台に先行され、最後は21位で終えている。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP

F・モルビデリ選手談(13位)

「最初の10ラップは人生で最大の恐怖体験でした。前はまったく見えていませんでした。それでもありがたいことに、誰もがとてもスマートで、視界はゼロのなかでもクレイジーな動きをすることはありませんでした。そして大きなトラブルなく何とか10ラップを終えることができたのです。これは驚きでしたが、同時にとてもほっとしました。そのあと本当のレースがスタートしました。マシンのペースをいくらか引き出すことができ、実際にスピードはかなり上がっていました。でも前のマシンに追いついたあとはオーバーテイクも、それ以上のこともできなかったので、一歩引いて最後まで走り切るしかありませんでした」

F・クアルタラロ選手談(17位)

「最悪のタイミングで雨が降り出しました。決勝スタートの前にウエット走行はわずか数分しかありませんでした。レース序盤は非常に難しい状況で、第1コーナーではライバルに押し出され、そのあとはさらに状況が悪くなりました。何とかフィーリングをつかみたかったのですが、第4コーナーでは危うく転倒しそうになり、視界も本当にひどい状態でした。タイのファンの皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。もっといいレースをお見せしたかったです。苦戦した原因について思い当たることはありますが、今後の改善のために、より詳しく分析したいと思っています。次のオーストラリアは、もっと強くなって臨めるよう頑張ります」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)談

「ブリーラムに到着した時点では、すべてのセッションが雨になると予想していました。ところが運の悪いことに、最悪のタイミングで雨が降り出したのです。それまで一度もウエット・コンディションがなく、ライダーもマシンもまったく準備ができていなかったので、レースは完全なギャンブルとなってしまいました。このことが私たちに、とくにクアルタラロ選手に悪影響をもたらしました。モルビデリ選手は難しいコンディションのなかでも素晴らしい走りを見せていましたが、終盤はフロントタイヤのグリップが落ちてしまいました。また3秒間のペナルティーも課されて13位に下げたのです。今日はコースも味方をしてくれませんでした。周回ごとに路面が乾いていき、ウエットとドライが混在するようになると、ますます難しい状況になりました。インドネシアでは雨のなかでもいいレースができましたが、今日はまったく逆の結果になってしまいました。その理由を知る必要があるでしょう」

WithU Yamaha RNF MotoGP TeamがMotoGP

C・クラッチロー選手談(19位)

「今日はかなり苦戦しました。何よりも1ラップ目が非常に危険な状態で、後方からは何も見えていませんでした。何人かは5速走行中、ストレートがまだ残っているのにスロットルを閉じていました。私から見ればとても不思議なことです。ヤマハ勢はみな苦しんでいましたが、タイヤの空気圧と熱という同様の問題を抱えていたようです。ドライではずっと好調だったのに、ウエットになったら問題が大きくなってしまいました。実際にはドライでも同じ問題があったのですが、何とかうまく対応できていました。
そういうわけで、もしもドライだったら素晴らしいレースができていたはずなので残念です。でも正直に言えば、ストレートのスピードはアラゴンやもてぎほど速くはありませんでした。雨のなかで十分にペースを上げられるマシンではなかったのです。今はこのような状況ですが、前を向いて前進しなければなりません。次のオーストラリア、さらに残りの2戦に全力で臨むだけです」

D・ビンダー選手談(21位)

「非常にがっかりしているというのが正直な気持ちです。ずっと好天が続いていて、いきなりウエット・レースに飛び込むのは、いつだってとても難しいことです。スタートはうまくいって、序盤はフィーリングも良かったのですが、第1コーナーから第3コーナー、第4コーナーへと進むところは何も見えない状態で、非常にショッキングでした。
どこへ向かっているのかさえわからなかったので、最初の4ラップは4速で走っているような感じでした。それでも何度かパスを試み、何台かを抜いて徐々にリズムを築いていきました。そして4ラップ目か5ラップ目でクアルタラロ選手に追いつき、もう少しで追い越せるという場所に並んだときは気分が良かったです。ところがそのあとは、あちこちでフロントがロックするようになってしまいました。タイヤが熱くなり始めていたのかどうかわかりませんが、フロント・ロックによりミスをしてしまい、コースアウトしては戻ってを何度も繰り返したのです。私はペースを維持することに集中していましたが、ライバルたちはだんだん速くなっていきました。それが本当に悔しいです。いいレースができると確信していたのですが、このような結果になりました。次のフィリップアイランドまたトライします」

R・ラザリ(チーム創設者・代表)談

「予想通りスタート時間が遅れ、難しいコンディションのなかでのレースとなりました。このことがライダー全員に影響を及ぼし、とくに我がチームのクラッチロー選手とビンダー選手は苦戦しました。ビンダー選手は序盤、好調でしたが後半で徐々に遅れました。彼がうまく適応できなかったのはコンディションによるところが大きいと思います。クラッチロー選手も着実に上げてきていたのですが、残念ながらポイント圏内は遠すぎました。このあとは短い休養をとってからオーストラリアのフィリップアイランドへ向かいます。ベストを尽くし、ポイント獲得を目指します」

W・ズィーレンベルグ(チーム・マネジャー)談

「非常に難しい展開でした。今までで最悪の結果だと思いますが、とにかくコンディションがひどく、雨が激しくて、最初の数ラップは前がまったく見えない状態でした。そのなかでもふたりはベストを尽くしてポイント獲得を目指していきましたが、今回は実現できませんでした。次戦フィリップアイランドでは、もっといい仕事ができるよう期待しています。楽しみです」

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