MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.18 10月16日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP 第18戦オーストラリアGP
■開催日:2022年10月16日(日)決勝結果
■開催地:フィリップアイランド/オーストラリア(4.448km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:14度 ■路面温度:35度
■PP:J・マルティン(1分27秒767/ドゥカティ)
■FL: J・ザルコ(1分29秒622/ドゥカティ)
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGP、ともに転倒リタイア
第18戦オーストラリアGPの決勝はすべてのチャンピオン候補がトップ争いに加わる激しい展開となった。しかしMonster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロは3ラップ目にオーバーランして22番手に後退。ここから挽回を目指したが、11ラップ目に転倒してリタイアを余儀なくされた。チームメイトのF・モルビデリは新しいセッティングで臨み、23番グリッドから19番グリッドまで上げたあと22ラップ目に転倒リタイアとなっている。
ウイーク初日からマシンのフィーリングに苦しんでいたモルビデリ。午前中のウォームアップでいくつかのセッティング変更を予定していたが、突然の激しい雨により、そのチャンスも逸してしまった。決勝はこれまで以上に冷たい風が吹くなかで行われることとなったため慎重にスタート。それでもリズムをつかんだあとはR・フェルナンデス(KTM)について集団を抜け、残り7ラップではフェルナンデスをパスして一時18番手に浮上した。その後しばらくは2台でバトルを展開していたが、モルビデリは22ラップ目で転倒。幸い怪我はなかったが、再スタートすることはできなかった。
一方、5番グリッドから好スタートを切ったクアルタラロ。第1コーナーを3番手で抜けたが、依然として大勢が接近した状態のなかで数台に先行されてしまう。7番手まで後退したクアルタラロは3ラップ目、第4コーナー進入でオーバーラン。他車との接触を避けながらマシンを維持してコースに復帰したものの、22番手まで大きく後退してしまった。ここから懸命の挽回で15番手まで上げてきていたが、11ラップ目の第2コーナーで転倒し、そのままリタイアした。
この結果、クアルタラロは合計219ポイントのランキング2位に後退し、14ポイント差を追う状況。モルビデリは合計31ポイントでランキング19位を維持している。ヤマハは合計227ポイントでコンストラクターズ・ランキング3位、Monster Energy Yamaha MotoGPは合計250ポイントでチーム・ランキング5位となっている。次回、第19戦マレーシアGPは、1週間後の10月21日~23日、セパン・インターナショナル・サーキットで開催される。
WithU Yamaha RNF MotoGP Team、今季最高成績
第18戦オーストラリアGP決勝で、WithU Yamaha RNF MotoGP TeamのC・クラッチローとD・ビンダーがともにポイント獲得と健闘した。
日曜日午前中のウォームアップ・は雨に見舞われたが、間もなく太陽が姿を現してコースを乾かし、決勝はドライで行われた。
クラッチローは17番グリッドからスタートしたあとやや後退し、2ラップ目を終えた時点で21番手。ここから集団を巧みにすり抜けて着実にポジションを上げ、13ラップ目にはポイント圏内の15番手まで浮上した。クラッチローはレース後半もプッシュを続け、最終的に13位でチェッカーを受けた。
一方のビンダーは18番グリッドからスタート後、すぐさま15番手へ浮上。その後の数ラップでいくつかポジションを落として、13ラップ目にはクラッチローにも先を譲る格好となったが、そのあとはクラッチローのペースにぴったりついて行き14位でゴールラインを通過した。ビンダーのポイント獲得は今季3回目。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・モルビデリ選手談(DNF)
「残念ながら転倒してしまいました。後方からのスタートだったので、ポジションを挽回するのはとても大変でした。単独走行ではスピードが上がりませんでしたが、誰かについて走っているときにはポテンシャルを感じることができました。いずれにしても全体的に厳しい一週間になってしまったわけですが、そのなかでも良い感触や良い瞬間があり、FP4では非常に速く走ることもできました。ですから私たちはこれからもハードワークを継続し、良い瞬間がより長く続くよう、さらに掘り下げて追求していきます。今回は、すべての要素を揃えることができませんでしたが、次のマレーシアでまたトライします」
F・クアルタラロ選手談(DNF)
「第4コーナーで風に悩まされてしまいました。この場所では序盤ですでにミスをしていて、2度目のミスのあとは、ひたすらプッシュするだけでした。かなり大きく遅れてしまいましたからね。何とか数台を抜き返しましたが、第2コーナーではプッシュし過ぎてしまったのです。これも私のミスで、今後のレースのなかで、どのように対処できるかが問われることになるでしょう。次のマレーシアはヤマハに合っていると思いますし、私も大好きなコースなので期待しています。ザクセンリンク以来、チャンピオンシップの状況は大きく変化しましたが、それは同時に、このあとの2戦のなかで、また私たちに運が向いてくることもあり得るということです。最後の2レースは、いい戦いができると感じています。しっかり集中し、良い仕事をして、結果を待つだけです。モチベーション全開で次のマレーシアに臨みます! 残り2戦を楽しみたいと思っていますし、それが最も重要です。レースをエンジョイすれば速く走れることがわかっているからです」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「残念なレースになりました。午前中からすでに、私たちは厳しい状況に置かれていました。ウォームアップの20分間でドライ・セッティングの最終調整を行う予定でしたが、ウエット・コンディションになってしまったのです。でも、チャンスを失っても気持ちは前向きでした。そして最善の方法でレースに備え、好成績を獲得でき
ると考えていました。しかし残念ながらこのような結果になったのです。クアルタラロ選手とモルビデリ選手が転倒して早々にレースが終わってしまい、その結果としてクアルタラロ選手はチャンピオンシップのリードを失ってしまいました。しかしその差はわずか14ポイントで、レースはあと2戦残っています。MotoGPではどんなことも起こり得ます。だから私たちは早く埃を払い、シートに座り直さなければなりません。次のマレーシアでチャンピオンシップをまた取り戻すため、力強く戦います」
WithU Yamaha RNF MotoGP TeamがMotoGP
C・クラッチロー選手談(13位)
「正直に言えば、結果にはがっかりしています。でもこれは私自身が引き起こしたことなのです。スタートでミスをして、ほぼ最後尾まで後退してしまい、そこから挽回しなければなりませんでした。問題は1ラップ目にあって、ブレーキがまだ暖まっていなかったのです。好スタートを決めて第1コーナーに飛び込みましたが、少しはらんだあと遅れてしまいました。でもそのあとのペースには満足していますし、思い通りに数台をパスすることができました。ペースが良かったので、もしもザルコ選手について行って、いい走りを続けていたら、上位に留まることができたでしょう。ウイークを通じてフィーリングが素晴らしかっただけに、結果は本当に残念です。マシンにはとても満足しています。あのラップタイムで走りながら、しっかりコントロールできていたのですが、最後の5ラップはタイヤを使い切ってしまいました。このあとマレーシアへ向かい、クアルタラロ選手とともに勝利を目指して戦います。今、できることは優勝を狙うことだけですから」
D・ビンダー選手談(14位)
「今日のレースには満足しています。またポイント圏内に戻ることができてうれしいです。ほぼずっとカクラッチロー選手の後ろについていて、集団のなかで本当にいいレースができました。そしてトップとの差も、これまでで最も少ない14秒になったのです。今回は毎セッションで前進し、その成果をすべて決勝に注いでいい戦いができたと思います。結果に満足していますし、またポイントを獲得できてうれしいです。次のマレーシアも楽しみです」
R・ラザリ談(チーム創設者・代表)
「クラッチロー選手とビンダー選手が13位と14位を獲得してヤマハ勢のトップ2となり、チームのために貴重なポイントも持ち帰ってくれました。本当に素晴らしいレースでした。ビンダー選手は好スタートを見せて、その後も力強く戦っていましたが、タイヤを消耗したあとはクラッチロー選手の後ろについて走ることになりました。そのクラッチロー選手も、見事なペースをキープして好ポジションを確保したのです。ふたりのライダーとチームが素晴らしいレースをして、ヤマハ勢トップに立つことができました」
W・ズィーレンベルグ談(チーム・マネジャー)
「13位と14位という成績は、チームにとって今季最高のものです。もちろんトップ争いは非常に熾烈な戦いでしたが、我がチームのふたりもその後方で、本当にタイトで接近したレースを展開していたのです。ふたりは基本的に最後まで、互いに競り合っていました。私たちは今日の結果に満足しています。このハイレベルの戦いのなかで、ふたり揃ってポイントを獲得できたのですから十分に素晴らしい結果だと思っています。満足して、次のマレーシアへ向かいます」