MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月4日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦サンマリノGP
■開催日:2022年9月2日(金)フリー走行、3日(土)予選、4日(日)決勝
■開催地:ミサノ/イタリア(4.226km)
CIRCUIT DATA
■開設:1972年
■コース長:4.226km
■サーキットレコードラップ:1分31秒065(2021年:F・バニャイア)
■サーキットベストラップ:1分32秒242(2021年:E・バスチィアニーニ)
■2021年の優勝者:F・バニャイア(ドゥカティ)
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGP、ホームレースに集中
Monster Energy Yamaha MotoGPは今週末、イタリアはミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリで開催される第14戦サンマリノGPに出場する。チームのホームGPとみなすミサノには良い思い出があり、F・クアルタラロは昨年ここでMotoGP世界選手権タイトルを決定している。
今シーズンはあと7戦を残し、32ポイントのアドバンテージを維持して今大会に臨むクアルタラロ。ここミサノでは2019年と2021年に2位を獲得するなど、チャンピオンシップのリードを守るために全力を注ぐ。
チームメイトのF・モルビデリにとっても、ミサノは何度も重要な役割を担ってきた。2013年にMoto2でグランプリ初参戦、2020年にMotoGP初優勝、2021年にはサンマリノGPでファクトリー・ヤマハ・デビューを果たしている。
相性の良いこの場所で好成績を狙うモルビデリ。このところの好調にさらに弾みをつけ、ランキング19位からの挽回を目指す。決勝後には2日間のテストも予定されており、同コースで多くの作業に取り組みことになる。
1972年に建設され、1980年代から1990年代初頭にかけてイタリアGPの開催地となってきたミサノ・サーキット。2007年にMotoGPの安全規則を満たすために抜本的な改修が行われ、全長4.2km、時計回りのコースに変更されてグランプリに復活した。また新たにシケインも設けられて現行の6つの左コーナーと10の右コーナーを持つレイアウトに生まれ変わり、レースの見応えも増している。
WithU Yamaha RNF MotoGP Team、ドビツィオーゾの最終戦へ
WithU Yamaha RNF MotoGP TeamのD・ビンダーはMotoGP14戦目に臨み、A・ドビツィオーゾはグランプリ最終戦を迎える。
ドビツィオーゾのグランプリ・ヒストリーが間もなく幕を閉じる。ランキング2位を3度獲得し、36歳になったイタリア人ライダーは、WithU Yamaha RNF MotoGP Teamから最後の戦いに臨み、サーキットに集まる全員の注目のなかで20年間に及んだグランプリ・キャリアに終止符を打つこととなる。
2001年に125㏄クラスでグランプリ・デビューを果たしたドビツィオーゾ。前回のオーストリアGPではYZR-M1に好感触をつかんで1ポイントを獲得しており、今回は家族、友人、多くのファンが見守るなかホームコースで最後のレースに臨む。次戦以降はヤマハのテストライダーであるC・クラッチローが同チームから出場することが決定している。
一方、MotoGP14戦目を迎えるルーキーのビンダー。前回のオーストリアGPでは一時ポイント圏内まで上がるなど速さを見せたあと転倒リタイアに終わったが、今回は好調をゴールラインまで維持することを目標に臨む。
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談
「オーストリアGPは非常にタフでしたが、大きな収穫がありました。私たちにとって難しいコースのひとつであるシュピールベルクでチャンピオンシップのリードを広げることができたのですから、あの2位は非常に価値あるものとなりました。今週はミサノを走るのでうれしいです。もちろん、昨年ここでタイトルを決定したことを今も強烈に覚えていますが、今年は今年の戦いに集中しなければなりません。シーズンは残り3分の1となりますが、この時期はいつも非常に苦しいものです。だからこそこれまで以上に集中し、ハードワークに取り組まなければなりません。私自身はコンディションをピークに保つために常にハードなトレーニングを行っています。チームも同様に懸命に仕事に取り組んでくれているので、今回もまた好成績を獲得できると信じています」
F・モルビデリ選手談
「前回のシュピールベルクではスピードが上がってきていたので、今回もそれを維持し、さらに追求し、今週も来週も進化し続けたいと思っています。サンマリノGPは私にとってのホームレースで、チームにとっても同様なので、いつも以上に気合が入り、わくわくしています。ミサノを愛していますし、本当に素晴らしいコースです。このレースウイーク、そしてその翌日からのテストを通じて多くの周回を走れることがとても楽しみです」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「ミサノでのレースを非常に楽しみにしています。チームは毎年この大会をエンジョイしており、私たちのホームGPと見なしています。昨年はタイトル決定がかかっていたため大きなプレッシャーがありましたが、今年は状況が違います。トップ争いの激しさは昨年と変わっていませんが、今年は、より通常のレースウイークとして臨むことができます。そしてそれを楽しみにしているのです。クアルタラロ選手はここでのライディングをエンジョイしており、それはモルビデリ選手も同様です。ふたりとも過去に好成績をあげているので、チームも良い仕事をするべく意欲を高めています。あとはドライ・コンディションが続くこと、あるいは少なくとも3日間を通して天候が安定することを期待するだけです」
WithU Yamaha RNF MotoGP Team
A・ドビツィオーゾ選手談
「サンマリノが私にとって最後のグランプリになります。これまでのすべてのキャリアのなかでも最も不思議で奇妙なものになるでしょう。友人やファンとともに、ここミサノで最後のレースを迎えられるのは、とても幸せなことで、素晴らしいウイークになるよう期待しています。そのためにも良い走りをして、ポイント獲得を目指します。そして楽しい4日間を過ごし、パーティーで締めくくりたいと思っています」
D・ビンダー選手談
「今週末のミサノをとても楽しみにしています。前回のオーストリアが好調だったので、その土台の上にさらに積み上げ、ますます前進を続けていきたいと思っています。とくに今回は翌週の火曜日と水曜日にテストもあるので、前進と改良を継続するためのチャンスも与えられているのです。好成績獲得を目指します」
R・ラザリ談(チーム創設者・代表)
「ミサノ・グランプリはチーム、スポンサー、そしてタイトル・パートナーのWithUにとって特別な大会です。そして自身のホームGPでラストレースに臨むドビツィオーゾ選手にとっても、とても特別でエモーショナルなウイークとなるでしょう。このように今大会は、非常に多くのものが詰まった、いつもとは違うものなのです。コース上の戦いにおいては、当然ながらドビツィオーゾ選手には好レースとポイント獲得を期待しますし、ビンダー選手も好調を維持し、完走とポイント獲得と目指してもらいたいと思っています。
また同時に、クルーチーフのラモン・フォルカダとの仕事も今回が最後になります。2019年以来、ともに仕事ができたことを非常に光栄に思っています。彼は経験と知識が豊富で、何度も世界選手権タイトルを獲得してきた人物です。彼の次なる挑戦の成功を祈るとともに、4年近くにわたる素晴らしい仕事とチームへの貢献に感謝しています」
W・ズィーレンベルグ談(チーム・マネジャー)
「ミサノはリミニの海辺に近い、非常に美しい場所にあります。私たちはもちろん仕事のために訪れるのですが、そこではいつも、休暇を楽しむ人々に会うことができます。だからとても気分が良いのです。そして、ここで第14戦を迎える今シーズンは、いつも以上に特別なものとなります。ドビツィオーゾ選手がMotoGP引退を決意し、今回が最後のレースになるからです。さらには、彼の後を継ぐことになるクラッチロー選手が彼のクルーチーフの招聘を希望したため、ラモンも同時にチームを去ることとなりました。彼をチームに迎えて4年になりますし、私と彼とは2010年からともに仕事をしてきたので、実に13シーズンもの長い時間を過ごしてきたのです。優勝回数は明確に覚えてはいませんが、チャンピオンシップについてはホルヘ・ロレンソを擁して3度獲得しています。素晴らしい成果です。
そうしたことを踏まえて、私たちは今週末の戦いに集中し、最高のマシンを作り上げなければなりません。ビンダー選手は前回のオーストリアでいい走りを見せ、また一歩前進しました。決勝では転倒してしまいましたが、より速く、より安定してきています。自分自身の力で乗りやすさを実現し、マシンに良いフィーリングを感じられるようになっているのです。これがとても重要です。ドビツィオーゾ選手のほうはファクトリー・ライダーのモルビデリ選手の後ろでハードプッシュし、最終的に1ポイントを獲得しました。彼らはみなとても速いのですが、目指す順位には届いていません。このことがドビツィオーゾ選手が引退を決意した理由にもなりました。それでも彼には最後のレースを楽しんでもらいたいと思っています。ウイーク中にたくさんの良い思い出を作り、日曜日にはビッグ・ディナーと盛大なパーティーを予定しています。だから彼にはただライディングに集中し、エンジョイしてもらいたいのです。最高の結果を出すために私たちは最大限のサポートに努めます」