MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 6月26日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦オランダGP
■開催日:2022年6月25日(土)予選結果
■開催地:アッセン/オランダ(4.542km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:29度
■PP:F・バニャイア(1分31秒504/ドゥカティ)
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロが予選2番手獲得
ウイーク2日目、予選セッションの時間帯には灰色の雲がアッセンTTサーキットを覆っていたが、結果的に両セッションともほぼドライ・コンディションで行われた。Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロはラップレコードを更新する速さで予選2番手を獲得。チームメイトのF・モルビデリはQ1の1回目の走行で力強い走りを見せるも、2回目で伸ばせず、グリッド20番手が決定している。
クアルタラロはQ2の30分前に行われたフリープラクティス第4セッションでトップタイムをマーク。この時点ですでに頭上に雨雲が広がり始めていたため、Q2では早々からアタックを開始した。最初のトライでトップに0.010秒差と迫る2番手。次のラップでは第1コーナーではらんで遅れ、このあとすぐさまピットに戻って前後タイヤを新品に交換した。
残り5分でコースに復帰した時点で3番手に後退していたが、ここから再び攻め、全8ラップ中7ラップ目には、雨粒が落ち始めたなかで1分31秒620を記録して2番手に浮上。最後の1ラップは第5コーナーで激しく振られて更新ならず、そのまま2番手で終了した。トップとの差は0.116秒。
一方のモルビデリは午前中のフリープラクティス第3セッションでハイスピードからの転倒があったが、幸い怪我はなく、第4セッションも無事に走り終えてQ1に臨んだ。Q1では序盤で一時トップに立ったあと5番手に後退。ここから1分33秒190まで短縮すると3番手に浮上するも、ライバルたちもペースを上げており、7番手に後退してピットに戻った。
7番手を維持してコースに復帰し、懸命にラップタイム向上を目指したモルビデリは全8ラップ中7ラップ目に1分33秒096まで短縮。しかし順位を上げることはできず、トップから0.611秒差の10番手で終えた。この結果、決勝グリッドは20番手となり、また、フリープラクティス第2セッションでE・バスティアニーニ(ドゥカティ)の進路を妨害したことによるロングラップ・ペナルティも課される。
WithU Yamaha RNF MotoGP Teamはグリッド6列目と8列目獲得
前日の雨のあと、再び太陽が戻って来たアッセンTTサーキット。予選セッションの直前から雲が広がり始めて気温も下がったものの、路面はほぼドライのまま、絶好のコンディションで行われた。
WithU Yamaha RNF MotoGP TeamのA・ドビツィオーゾは午前中のフリープラクティス第3セッションで、前日のタイムを1.304秒短縮。Q1ではさらに0.337秒縮めて7番手を獲得した。Q2進出には0.459秒足りなかったが、グリッド6列目獲得と健闘した。
チームメイトのD・ビンダーは、YZR-M1でのコース攻略に未だ手間取っている状況。フリープラクティス第1セッションはフル・ウエットのコンディションで、第2セッション終盤でようやくドライを経験できたが、作業は思うように進んでいなかった。それでもウイーク2日目の第3セッションでは0.614秒短縮し、Q1ではさらに1秒近く縮めて1分34秒の壁を破っている。決勝ではグリッドは最後尾からポジションアップを目指す。
RACE RESULT
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(予選2番手/1分31秒620)
「第1コーナーでのコースアウトは、第一に集中力が十分でなかったこと、それに加えて、あの時はやはり限界を超えてプッシュしていたのです。でも予選ですから、それも必要なことでしょう。結果的にはとても素晴らしく、そしていつも以上に恐ろしいセッションになりました。第6コーナーに差し掛かったところでは、ストレートで遅れた分を取り戻さなければならないので、より一層、集中して長い間、息を止めることになります。この感覚が面白く、かなり楽しんでやっていました。大いに満足しています! フリープラクティス第4セッションのペースも良かったですし、予選での1ラップのスピードも上々です。タイヤ・チョイスもほぼ見えてきたので、今はハッピーな気持ちです。楽しいレースになりそうです。良い成績をつかんで夏休みを迎えたいと思っています」
F・モルビデリ選手談(予選20番手/1分33秒096)
「今日はいいところもありましたが、ソフト・タイヤを履くとやはり、ポテンシャルを出し切れませんでした。とにかく自分自身の改善に励むしかありません。またハード・タイヤについても改善は必要です。非常に速いファビオ(クアルタラロ)とペコ(バニャイア)を除けば、私たちは皆、ほぼ同ペースと言っていいと思います。ハード・タイヤではかなりハイペースで走れていますが、ふたりに近づくためにはハード、ソフト両方でもう一歩、前進しなければなりません。私の場合はとくにソフトが課題になっているわけですが、決勝に向けては当然、ハード・タイヤへの取り組みも必要ということです。アッセンはオーバーテイクのポイントがいくつかあります。ヤマハのマシンにも合っていて、前回はレース終盤でたくさんパスすることができました。明日はロングラップ・ペナルティを受けなければなりませんが、オーバーテイクも可能なコースなので、挽回できると思います!」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「ラップタイムが非常に上がっています! トップ4台がラップレコードを更新したことが、レベルの高さを物語っています。ファビオは素晴らしい走りで2番手を獲得しました。そして最終ラップのアクシデントがなければポールポジションを狙っていけたでしょう。いずれにしてもグリッド2番手はとてもいい位置ですし、このところの彼はスタートがとても速いので、明日も初めから飛び出してレースをエンジョイしてもらいたいと思っています。非常にエキサイティングなレースになると思います。フランコ(モルビデリ)はフリープラクティス第3セッションでビッグ・クラッシュがありましたが、幸い無事で、その後も走行を継続することができました。第4セッションで自信を取り戻し、Q1では最初の走行でセクター毎に好タイムを出しましたが、2回目の走行ではまたソフト・タイヤに苦戦してしまいました。決勝はグリッド20番手となり厳しい状況ですし、ロングラップ・ペナルティも受けています。それでもこのレースを'無駄'にしたくないので、できるだけ多くのライダーをパスし、私たちとしては、いつも以上のデータを集めて次に備えたいと思っています」
WithU Yamaha RNF MotoGP Team
A・ドビツィオーゾ選手談(予選17番手/1分33秒009)
「正直なところ、決して大喜びはしていません。もっと上を目指していたのです。ライバルたちと比べるとタイヤ・オプションのテストが少なかったので、これからは、もっといろいろ試していかなければならないと思っています。今日はミディアム・タイヤとセッティングに集中していたのですが、他のものを使えばもっと良くなるかもしれません。自分の感覚ではとても速くなっているとは思っていないのですが、予選タイムは少し上がっていたので、このあとの課題はタイヤの分析ということになります」
D・ビンダー選手談(予選24番手/1分33秒998)
「今日は一日中ドライ・コンディションに恵まれてラッキーでした。午前中から好調で、セッション序盤はひたすら周回を重ね、ようやく少しずつコースを理解できるようになってきました。昨日はドライ・コンディションがほとんどなかったので、ここまで来るのに時間がかかり過ぎてしまい、今回はどうも出遅れてしまった感じがしています。それでもゆっくりですが着実に、明日に向けての課題がわかり始めています。スピードには満足していないので、明日はもっと速く走れるようになりたいです」