MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 6月26日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦オランダGP
■開催日:2022年6月24日(金)フリー走行総合結果
■開催地:アッセン/オランダ(4.542km)
■コースコンディション:ウエット-ドライ
■気温:19度/21度 ■路面温度:21度/24度
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGP、雨のアッセンで奮闘
F・クアルタラロが総合2番手
アッセンTTサーキットでのフリープラクティス初日、午前中の第1セッションは激しい雨に見舞われた。Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとF・モルビデリはこのウエット・コンディションを回避するリスクをとり、午後からの第2セッションで全力のプッシュ。路面は急速に乾いていき、ふたりはそれぞれ2番手と17番手を獲得した。
フリープラクティス第1セッションのスタート時点ですでに、雨がこの日の最大のテーマとなることは明らかだった。路上に大量の水が出ている上に、灰色の空から次々に雨がこぼれ落ちている。クアルタラロは慎重な走りを心掛けながらも多くの時間帯で4番手をキープ。しかし終盤で全体のペースが上がると後退し、最終ラップで記録した1分44秒248により、トップから1.659秒差の17番手で終えた。
午後になると路面が乾き始め、フィーリングが向上するなかで終始、熱心に作業に取り組んだ。初めはウエット・タイヤでスタートするも後半はスリック・タイヤに履き替え、タイムアタックを行うと一時トップに浮上。さらにプッシュを続け、全20ラップの最終ラップで1分33秒579のベストタイムを記録して総合2番手につけた。トップとの差は0.305秒。
一方のモルビデリは午前中のウエット・コンディションを順調にこなし、序盤で何度もトップタイムを記録する健闘ぶり。終盤もアタック継続を試みるも、多くのマシンに阻まれてフル・ポテンシャルを発揮できずに徐々に後退した。ベストタイムは全13ラップ中12ラップ目に記録した1分43秒724。トップから1.135秒離されて15番手でセッションを終えた。
第2セッションでも、雨が残る序盤はハイペースを維持して何度かトップに立ったが、路面が乾き始めてスリック・タイヤに交換すると順位を下げた。全22ラップ中18ラップ目に記録した1分34秒828がこの日のベストタイムとなり、トップから1.554秒差の17番手となっている。また、わずかにコースアウトしたあと誤ってE・バスティアニーニを妨害したことにより、決勝でのロングラップ・ペナルティが課されている。
WithU Yamaha RNF MotoGP Team、'スピードの聖地'で雨の洗礼
典型的な変わりやすい天候が続くアッセンTTサーキット。木曜日は暑い晴天、金曜日の午前中は激しい雨、そして午後になると雨雲が去り急速に路面が乾いていった。そのなかでWithU Yamaha RNF MotoGP TeamのA・ドビツィオーゾはトップ10に0.338秒差と迫り、D・ビンダーは刻々と変化するコンディションに対応しながら、コースに慣れるために淡々と周回を重ねた。
ドビツィオーゾは第1セッションでウエット・コンディションのフィーリングを確認。第2セッションでは最後の15分でスリック・タイヤに履き替え、1分34秒650のベストタイムを記録してトップ10に0.338秒差の14番手につけた。
一方のビンダーはウエット・コンディションで20番手。第2セッションではウエットとドライが混在する難しい状況のなかで、初めてスリック・タイヤを履いて1分35秒571と健闘した。
なおフリー走行2で総合2番手につけていたA・エスパルガロ選手(アプリリア)に対し、FIM MotoGP Stewards Panelは、スリックタイヤを装着した際にリアにウォータースポイラーを使用したとの理由でスリックタイヤでの全ての周回をキャンセルすることを発表。初日総合25番手に後退することとなった。
PRACTICE RESULT
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(フリー走行総合2番手/1分33秒579)
「午前中のウエット・コンディションは非常に難しい状況だったので、無理にリスクを冒すつもりはありませんでした。そのためトップから大きく離されていたのです。ウエットでも、私たちの本来のポテンシャルはずっと高いところにあるとわかっていますが、当然ながらドライ・コンディションほどではありません。第2セッションは路面が乾いていくなかでの走行となり、それもまた難しい状況ではありましたが、マシンのフィーリングが素晴らしかったので自信をもって走ることができました」
F・モルビデリ選手談(フリー走行総合17番手/1分34秒828)
「グリップがあまり高くない状況のときにフィーリングが良く、自分の力をアピールすることができました。でもそれ以外のコンディションでも同じことができるようにしなければなりません。マシンのポテンシャルをすべて引き出すために、より良い乗り方をする必要があるのです。今はなかなか難しい状況ですが、ポテンシャル自体はあるのですから、トライを続けるのみです。第2セッションでのミスは申し訳なく思っています。コースアウトしてしまい、そのあとエネア(バスティアニーニ)の邪魔をしてしまうことになりました。そのためロングラップ・ペナルティを課されています」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「コンディションが非常に難しく、とくに第1セッションのウエットは大変な状況でした。午後からの第2セッション、そして明日の第3セッションもドライ・コンディションになりそうだとわかっていたので、第1セッションではふたりに無理をしてもらいたくなかったのです。ファビオ(クアルタラロ)については作戦が当たり、第2セッションで路面が乾いたところで絶好のタイミングが来ました。一方、フランキー(モルビデリ)は両セッションの序盤でいいペースを見せてくれましたが、このところの問題がまた出てしまいました。ソフト・タイヤを履くとグリップが大きくなり過ぎてしまって、本来あるはずの、他のライダーたちと同程度のアドバンテージを得ることができないのです。この問題の解決に今後も取り組んでいきます。明日のフリープラクティス第3セッションと第4セッションがドライ・コンディションになれば、ラップタイム向上を狙っていきます。そのためにもさらにセッティングを煮詰め、最後に決勝用タイヤを決定します」
WithU Yamaha RNF MotoGP Team
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合14番手/1分34秒650)
「終盤になってようやくドライ・コンディションになってくれて良かったです。おかげで明日に向けての非常に重要なヒントを見つけることができました。コーナリング中のフィーリングはとても良くなっているのですが、以前に乗っていたマシンとまったく違うものなので、ライン取りをもう一度、考え直さなければなりません。ペコ(バニャイア)の後ろについて数ラップ走り、これが大きな助けになりました。明日の午前中は好調にスタートしたいと思っています」
D・ビンダー選手談(フリー走行総合22番手/1分35秒571)
「コンディションが変わりやすく、第1セッションはウエット、第2セッションはウエットで始まりましたが乾いていったので、最後はスリック・タイヤを履きました。第1セッションでは、MotoGPマシンで初めて走ったアッセンの感触がとても良くて、晴れてくれればもっと良かったとは思いますが、雨も悪くありませんでした。ゆっくりですが着実に、乗り方を覚えていきました。午後になってようやく、ドライで数ラップ走ることができました。今晩、全体を見直して明日に備えます」