MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 6月26日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦オランダGP
■開催日:2022年6月26日(日)決勝結果
■開催地:アッセン/オランダ(4.542km)
■観客数:104,244人
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:30度
■PP:F・バニャイア(1分31秒504/ドゥカティ)
■FL:A・エスパルガロ(1分32秒500/アプリリア)
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGP、両者リタイアに終わる
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとF・モルビデリは、アッセンTTサーキットの第5コーナーで転倒。クアルタラロは再スタートするも再び同じ場所で転倒してリタイアとなり、モルビデリも再スタート後にリタイアした。
クアルタラロはグリッド2番手から好スタートを切り、F・バニャイア(ドゥカティ)と競り合いながら第1コーナーへ。しかしここでわずかにはらみ、A・エスパルガロ(アプリリア)にも先行を許してしまう。何とか抜き返そうとするもかなわず、クアルタラロはオープニングラップを3番手で終了。この間にもトップのバニャイアはリードを広げていた。
挽回を期すクアルタラロは3ラップ目に決勝のファステストラップを更新する速さを見せるも、5ラップ目の第5コーナーで転倒。最後尾で再スタートしたあと一旦ピットに戻り、マシンの状態を確認後 、すぐさまもう一度コースに復帰した。ポイント獲得を目指してペースを上げるなか、11ラップ目には再び第5コーナーで転倒し、そのままリタイアとなった。
一方、グリッド20番手からスタートしたチームメイトのモルビデリはポジションを守ってオープニングラップを終了。5ラップ後にロングラップ・ペナルティを行ったが、このタイミングが遅かったために2度目のロングラップ・ペナルティを課されて23番手まで後退してしまう。ここから挽回を目指してペースを上げていったが、クアルタラロと同様の第5コーナーで転倒。一旦は再スタートするも、すぐさまリタイアを決断した。
この結果、クアルタラロは合計172ポイントに留まり、チャンピオンシップのリードは21ポイントに減少。モルビデリは合計25ポイントでランキング19位を維持している。ヤマハは合計172ポイントでコンストラクター・ランキング2位をキープ。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計197ポイントでチーム・ランキング2位タイとなっている。
このあと5週間の夏休みがあり、次回は8月5日~7日、シルバーストーンを舞台に第12戦イギリスGPが行われる。クアルタラロはここで、3ラップ目の転倒時にA・エスパルガロと接触したことによるロングラップ・ペナルティを課されることとなっている。チームはこの裁定に抗議したが受け入れられなかった。
WithU Yamaha RNF MotoGP Teamのドビツィオーゾが完走
10万以上の観客を動員したアッセンTTサーキット。決勝は曇り空の下でスタートしたが、残り10ラップで雨粒が落ち始める波瀾の展開となった。
WithU Yamaha RNF MotoGP TeamのA・ドビツィオーゾはグリッド17番手からスタート。混戦のなかでなかなか順位を上げられず、23番手に後退してオープニングラップを終了した。しかしここからは安定した速さを取り戻し、4ラップ目には挽回を開始。中盤までに19番手に浮上し、さらにポジション・アップを目指していった。
16ラップ目頃から小雨が降り出したが、ドビツィオーゾは20ラップ目に1分33秒582の自己ベストを記録する好調ぶり。残り3ラップで17番手まで上がると、最終ラップではもう一度、全力でプッシュしてL・マリーニ(ドゥカティ)をパス。ポイント圏内にあと一歩と迫る16位でチェッカーを受けた。
チームメイトのA・ビンダーは、今回も持ち前のロケット・スタートを見せて1ラップ目に4台をパス。4ラップ後には18番手まで上がっていたが、9ラップ目の第9コーナーで転倒してリタイアとなっている。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(DNF)
「ルーキーみたいなミスをしてしまいました。まだ3ラップ目だったのに、まるで最終ラップのように攻めてしまいました。完全に私のミスです。アレイシ(エスパルガロ)を押し出してしまったことを、アプリリアと本人に謝罪しました。再スタート後、マシンに何か問題がありそうだったので一度ピットに戻ったのですが、チームからは、雨が予想されるということで続行するように言われました。ところが、また転倒してしまったのです。骨折がなかったことは本当に幸運だったと感じています。最初の挙動はこらえたのですが、少し動くと、もう一度振られて転倒してしまいました。肩を少し痛めましたが、それも私のミスです。3ラップ目の転倒も、2度目の転倒も、本当ならもっと良い結果を引き出すこともできたはずなのです。第10戦までに転倒はわずか2回でしたが、今日は10ラップのなかで2回転倒してしまいました。決勝前にチームと話したことは、前に出られればプッシュし、出られなかった場合はミスをしないようにするということでした。でも私はその反対のことをしてしまったのです。わざとやったわけではありません。ただのつまらないミスだったのです」
F・モルビデリ選手談(DNF)
「第5コーナーでフロントから転倒してしまいました。非常に残念です。適切なスピードを引き出すことが最大の課題ですが、それをしようとすれば、かなりアグレッシブにならなければなりません。でもそれは私の走り方とは違っているのです。このあとの夏休みの間に、そのようないろいろなことを分析し直し、理解を深めたいと思っています。ライディング・スタイルについても考え直して、このマシンのパフォーマンスを十分に発揮しるためのアグレッシブな乗り方を追求していきます」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「期待したものとはまったく違う結果になってしまいました。そのなかでもふたりに怪我がなかったことは幸いでした。私たちは決勝に向けて十分に準備をし、良いパフォーマンスを期待して臨んでいました。でもこれがレースというものです。ファビオ(クアルタラロ)の最初の転倒をビデオで見直しましたが、次回のレースでペナルティを課すというレース・ディレクションの裁定は、彼が誰も転倒させていないこと、そしてアレイシがポイントを獲得していることを考えれば厳しすぎるというだけでなく、これまでの罰せられなかった前例と一致していないと感じています。夏休みの間に気持ちを整理し、1か月後のシルバーストーンに準備万端で臨みたいと思います」
WithU Yamaha RNF MotoGP Team
A・ドビツィオーゾ選手談(16位)
「スタートで遅れてしまい、最初の3つのコーナーでポジションを下げてしまいました。第1コーナーでは大勢がイン側に集中して混戦になり、コースから押し出されてしまったのです。このコースはライン取りが非常に混乱するため序盤はオーバーテイクが難しく、これはシーズン開幕戦からずっと同じですが、スタート直後は適切なブレーキングができません。そのためアグレッシブに攻められず、マシンのポテンシャルを十分に引き出すことができないのです。ほとんどすべてのレースで、最初の5ラップで12秒ほど遅れてしまったのは、後方からのスタートが原因です。それでもときには挽回が可能なこともあり、今日は終盤でブラドルとマリーニをパスすることができました。でもポイントは獲得できず、残念です」
D・ビンダー選手談(DNF)
「全体的に、とても難しいウイークになってしまいました。金曜日にドライ・コンディションに恵まれず、そのあとはずっと一歩遅れたまま来てしまい、常に追いかける状況が続いた感じです。決勝では少し前進があり、リアにハード・タイヤを履いて予選以上に速く走ることができました。ゆっくりですが着実に良くなっていったので、リズム・キープを心掛けて走っていました。ところが9ラップ目の第9コーナー進入で転倒してしまい、本当に残念です。このような形で夏休みを迎えたくはなかったのですが、とにかく5週間の間に自分を鍛え直し、より強く、より速くなって帰って来たいと思っています」
R・ラザリ(チーム創設者・代表者)談
「ダリン(ビンダー)は序盤、いい位置につけていましたが、数ラップ後に転倒して残念な結果になってしまいました。怪我がなかったことは幸いです。アンドレア(ドビツィオーゾ)の16位も期待していたものには届きませんでしたが、彼はハードに攻め、ベストを尽くしました。5週間の夏休みを利用して前半戦を振り返り、後半の9戦に向けてより良い状態で臨むための方策を練るつもりです」
W・ズィーレンベルグ(チーム・マネジャー)談
「第11戦が終わり、天候には恵まれましたが、結果にはあまり恵まれませんでした。ダリンは序盤で激しくプッシュしましたが、ウイーク初日の雨で周回数も経験も不足していたことから転倒を招くこととなってしました。アンドレアは最初の2ラップは思うように走れず、混戦に飲み込まれて23位まで後退してしまいました。しかしそこから懸命にプッシュを続け、好タイムも記録しながら16位を獲得しました。前回のザクセンリンクではかなり調子が悪かったのですが、ここではフィーリングが良く、パフォーマンスも向上していました。夏休みは太陽とリラクゼーション、そしてライダーたちのトレーニングに期待し、すべての準備を整えて次のシルバーストーンに臨みたいと思います。私たちのマシンに合ったコースのひとつなので楽しみです」