MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 3月20日 インドネシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦インドネシアGP
■開催日:2022年3月18日(金)フリー走行総合結果
■開催地:マンダリカ/インドネシア(4.340km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度/31度 ■路面温度:34度/48度
REPORT
クアルタラロとモルビデリがワンツーで初日を終了
マンダリカ・サーキットで初開催となるMotoGPウイークが18日、スタートした。Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとF・モルビデリはFP1でコースの感触を取り戻し、FP2ではペースを上げて、クアルタラロが総合トップ、モルビデリが総合2番手を獲得した。
午前中は濡れた路面が少しずつ乾いていく難しいコンディション。クアルタラロはセッティングに多くの時間を割き、先月のIRTA公式テストで得たグリップの感触をさらに向上させていった。ハード/ミディアムのコンビネーションを試しながら全21ラップを走行し、19ラップ目に1分34秒793のベストタイムを記録。トップから1.294秒差の16番手でFP1を終了した。
午後になると天気が回復。クアルタラロはさらなる前進を目指してコースに入るが、序盤で問題が発生して出遅れてしまう。それでもセッション中盤には4番手へと浮上。さらに1分32秒570をマークして、暫定トップに躍り出た。セッションの残り5分になると、全体がペースを上げてタイムアタックを開始。クアルタラロもすぐさま反応し、全18ラップ中16ラップ目で1分31秒608のトップタイムを記録し総合でもトップとなっている。
チームメイトのモルビデリは先日のテストで確かな手ごたえをつかんでおり、レースウイークを迎えた今週も、初日から好調な走りを見せた。ハイペースで走行を続けながら、ほとんどの時間帯でトップ10をキープ。終盤でソフト・コンパウンドのタイヤに履き替えると、1分33秒881を記録して暫定トップに浮上した。その後、全体のペースが上がるなかで順位を下げ、トップから0.382秒差の4番手でFP1を終えた。
FP2ではドライ・コンディションでのパフォーマンス向上に集中。日曜日の決勝に備えて、さまざまなセッティングとミディアム・コンパウンドのタイヤをテストし、終盤ではタイムアタックを行い全18ラップ中17ラップ目に1分31秒683のベストタイムを記録した。この結果、クアルタラロに0.030秒差と迫る2番手を獲得。3位には0.255秒差をつけた。
ドビツィオーゾとビンダーがそれぞれ11番手と23番手
ところどころに水たまりが残るなかでスタートしたFP1。WithU Yamaha RNF MotoGP TeamのA・ドビツィオーゾは最初からスリックタイヤを履いて12番手を獲得。午後からのFP2はドライ・コンディションとなり、2.289秒も短縮したドビツィオーゾはトップ10に0.197秒差と迫る11番手で初日を終了した。
チームメイトのD・ビンダーはFP1、ウエット・タイヤを装着して慎重にスタートしたが、数ラップ後にはスリックタイヤに交換。路面の濡れた部分では思うような走りができなかったものの、FP2のドライ・コンディションでは一気にペースを上げた。そして第1セッションのタイムを4秒以上上回り、ドビツィオーゾに0.711秒差まで近づいて23番手を獲得している。
PRACTICE RESULT
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(フリー走行総合トップ/1分31秒608)
「第1セッションでフランコが4番手に入っているのに、私が上位に近づけなかったのは私自身のミスです。全力を尽くしましたが、ハード・タイヤでは思うような結果を得ることができませんでした。明日の午前中もまた、気温が高いなかで試してみようと思っています。午後はコンディションが良くなったこともあり、フィーリングも大幅に向上しました。小さな問題はあったのですが、すぐさま適応することができ、最後はラップタイムも向上させることができました。プラクティスを終えて、このように自信を持てたことは今年になって初めてです。テストでも十分な手ごたえをつかめていたので、前回カタールの残念な結果から立ち直ることができそうです。まだプラクティスの段階ですが、順位とスピードを上げられたことはとてもうれしいです」
F・モルビデリ選手談(フリー走行総合2番手/1分31秒638)
「テストのときとは、多くのことが違っています。タイヤや路面など重要な要素が変化してしまっていて、それに合わせてマシンを変更していくことは簡単ではありませんでした。そのため今日は新しい状況に慣れることだけに集中したのですが、それが非常にうまくいって、最後はファビオも私もニュータイヤでペースを上げることができました。全体的には充実した良い一日だったと思います。フィーリングも上々でした。カタールでもフィーリングは良かったのですが、この段階で予測を立てるのは早すぎるということでしょう」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「マンダリカでの初日は非常に充実していました。今大会のポイントはふたつ。日に日に状態が良くなってくる新しいアスファルトと、この暑さです。クアルタラロ選手は午前中は苦しみましたが、最終的に好結果につなげるいい仕事をしてくれました。FP1ではフィーリングがつかめず、FP2も序盤で問題が出て時間を無駄にしてしまったのですが、そのような状況にも彼はとても落ち着いて対処し、チーム・クルーとともにしっかり仕事をやり遂げました。モルビデリ選手もハードワークが実を結びました。仕事の方向性が正しく、走るたびにマンダリカのコースに慣れてきたことでラップタイムも上がっています。チームで1‐2を獲得できたことは大きな励みになります。でもまだ1日目ですし、コース・コンディションはあっという間に変化してしまうような難しい状況なので、このあとも集中を維持し続けなければなりません。初日ですでにさまざまなタイヤ・コンパウンドを試せたことは良かったと思いますが、データ収集は明日も続けていく予定です」
WithU Yamaha RNF MotoGP Team
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合11番手/1分32秒303)
「マシンの正しい乗り方を身に着けるのに、まだ苦労している段階です。そして正しく乗れるようになるまでは、基本的に、倍以上の労力をかけなければならなりません。とくに路面グリップがこのような状態のときは、さらなる改善が必要です。作戦を変えてソフト・コンパウンドのタイヤを使用してみましたが、これもうまくはいきませんでした。またモルビデリ選手の後ろについて何周か走ってみたのですが、正しい乗り方を知るための重要なトライだったと思っています。路面コンディションはテストのときより少し良くなっていますが、注意しなければならないラインもまだ残っています。決勝では難しい場所になるでしょう」
D・ビンダー選手談(フリー走行総合23番手/1分33秒041)
「第1セッションはかなり苦戦しました。とくに序盤は、コンディションが変わりやすくて本当に大変でした。ウエット・タイヤで数ラップ走り、そのあとピットに戻り、スリックに履き替えましたが、水たまりを越えるところでは十分な自信が持てませんでした。このビッグマシンとそのビッグパワーは、水たまりに乗るたびに激しく動きまわります。私は少しナーバスになり、気持ちよく乗るところまではいきませんでした。とは言え、これも学びの経験です。第2セッションは好調で、大幅な改善を目指しました。フィーリングはとても良かったのですが、タイヤはテストのときとは違っているように感じました。グリップが落ちているのです。私はただ、その状態を理解し、改善を目指していろいろな変更を試みるだけでした。その結果、今は理解が深まっていて、明日はさらにいくつか試したいと考えています。ニュータイヤで1周目から100%でプッシュし、最大限を発揮する方法をしっかり勉強してマスターしなければなりません。それでも全体的には、今日の成果にとても満足しています。明日も好天が続き、さらに前進できることを願っています」