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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.02 3月20日 インドネシア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第2戦インドネシアGP
■開催日:2022年3月20日(日)決勝結果
■開催地:マンダリカ/インドネシア(4.340km)
■観客数:62,923
■コースコンディション:ウエット
■気温:25度 ■路面温度:29度
■PP:F・クアルタラロ(1分31秒067/ヤマハ)
■FL:F・クアルタラロ(1分38秒749/ヤマハ)

REPORT

雨に翻弄されたレース、F・クアルタラロが2位表彰台獲得

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとF・モルビデリは、激しい雨のなかで行われた決勝で素晴らしい適応力を見せた。クアルタラロは自信も驚くほどの力強い走りで2位を獲得。モルビデリは絶好のスタートを切り、グリッド14番手から7位まで上げてチェッカーを受けた。

WithU Yamaha RNF MotoGP TeamD・ビンダーがMotoGP参戦2戦目で10位獲得と大健闘。チームメイトのA・ドビツィオーゾは電子制御システムの不具合によりリタイアした。

クアルタラロが2位、モルビデリが7位

MotoGP決勝のスタートを目前にして、激しい雷雨に見舞われたマンダリカ・サーキット。これによりスタート時間が1時間15分、繰り下げられ、周回数は予定の27ラップから20ラップに減算された。

このようなフルウエットのコンディションを決勝で初めて経験することとなり、グリッド上のライダーたちに緊張が走る。そのなかでクアルタラロはポールポジションから完ぺきなスタートを決めてホールショット。数台を先導しながらコース・コンディションを確認する役割を任されていた。そしてスピードと注意力とのバランスを保って走るなかで、オープニングラップでM・オリベイラ(KTM)とJ・ミラー(ドゥカティ)に先行を許して3番手に後退した。

序盤はウエット・コンディションに手間取り5番手まで下げたクアルタラロだが、周回を重ねるごとに手応えをつかんで少しずつプッシュを始める。13ラップ目にA・リンス(スズキ)をパスして4番手に上がり、14ラップ目にはJ・ザルコ(ドゥカティ)とのバトルを制して3番手に浮上。さらに1ラップ後にミラーをとらえて2番手まで浮上した。その後もトップのオリベイラを追う力強さを見せていたが、最終的には2.205秒差の2位でチェッカーを受けた。

一方、前回カタールの経験を受けて、今回はよりアグレッシブに好スタートを決めたモルビデリ。予選12番手となるも、3ポジション・ダウンのペナルティによりグリッド14番手(M・マルケスの欠場によりひとつ上げた)となっていたが、オープニングラップですぐさま7番手まで挽回した。

J・マルティン(ドゥカティ)に抜かれて一旦は8番手に下げたが、マルティンはその後、転倒。後半戦は自分自身の走りに集中して着実に走り切り、トップから21.115秒差の7位でチェッカーを受けた。

この結果、クアルタラロとモルビデリはそれぞれ合計27ポイントと14ポイントでランキング3位と7位。ヤマハは合計27ポイントでコンストラクターズ・ランキング3位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計41ポイントでチーム・ランキング2位につけている。

ビンダーがトップ10獲得の快挙

ビンダーはグリッド23番手からスタートしたあと、1ラップ目でひとつ上げて22番手に。周回ごとに自信をつかむと、ライバルたちを1台また1台とパスしていった。6ラップ目には早くもポイント圏内まで浮上し、さらに大集団に加わって兄のブラッド・ビンダー(KTM)や開幕戦ウイナーのE・バスティアニーニ(ドゥカティ)と8位争いを展開。何度も激しい競り合いを見せ、最終的に10位でチェッカーを受けた。この結果、最高峰クラスで初めてとなる貴重な6ポイントを手中にしている。

チームメイトのドビツィオーゾもウエット・コンディションに好感触を得ており、スタートではグリッド17番手から一気に4つポジションを上げた。1ラップ後には11番手まで上げて好調ぶりを見せていたが、このあと電子制御システムの不具合に苦戦し始め、6ラップ目で完全にマシンを止めてリタイアとなっている。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(2位)

「こんなことになるとは思っていませんでした! ウエットではいつも苦戦するので、ウォームアップ・ラップのときからすでに、いつもとは違う何かがあるような感じがしていました。フルウエットでグリップしてくれれば、自分のポテンシャルはわかっています。でも今日は、自分で思っていた以上にうまくできたのです! チャンスを待って、挑みました。これがとても重要なポイントでした。フルウエットでの表彰台は初めてだと思います。それだけに超ハッピーです。スタートが遅れたことで、長い間、待ってくださったファンの皆様に感謝します。ウエットで何かをつかめたことを本当にうれしく思っています。心からエンジョイできました。みなさん、ありがとう」

F・モルビデリ選手談(7位)

「クレイジーなレースでした! 視界はゼロで、白い雲のなかに赤い点が見えるだけだったのです。だからクレイジーなのですが、誰でも時にそのようなことを感じるもので、今日は私も同様でした。昨日は最悪の状態でしたが、今日は復活することができました。好スタートを切り、1ラップ目を好調に走り切りました。そのあと少し手間取ってしまったのですが、やはりまだ新しいクルーと新しいマシンに十分に慣れていないので、できるだけ早く適応して遅れを取り戻したいと思います。アルゼンチンGPでは、それができるよう頑張ります」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)談

「ファビオ(クアルタラロ)は見事な走りでした! あるときは、まるでドライ・コンディションを走っているかのようにも見えました。スタート時点では、このような結果は想像できませんでした。通常、このようなコンディションでは苦戦を強いられるのですが、今日はマシンが非常に好調で、もしもファビオが最初の数ラップをもっと自信を持って走っていたとしたら、もうひとつ上を目指すこともできたかもしれません。この2位は素晴らしい結果で、カタールGPのあとでは、より一層うれしく感じられました。フランキー(モルビデリ)は絶好のスタートを切り、これが最終結果を大きく左右することとなりました。1ラップ目の第1セクターで7つも上げ、それを最後までキープしたのです。今日の結果は予想外のものでしたが、私たちはとても満足しています。温かく、そして熱狂的にサポートしてくれたインドネシアの皆様に感謝します。マンダリカ・サーキットで初めてのMotoGPを待った甲斐があったと思ってもらえるよう願っています」

WithU Yamaha RNF MotoGP Team
D・ビンダー選手談(10位)

「とても面白いレースでした! スタート前に雨が降り始めたとき、ウエットレースを経験できることにわくわくしていました。私にとっては貴重な勉強の機会ですし、いつかは必ず出会うことになるからです。グリッドまで向かうラップで早くも、ウエット・タイヤのグリップ力の高さに驚かされました。そして決勝をスタートし、周回を重ね、少しずつ激しく、速くなっていきました。ウエット・タイヤのグリップ感とフィーリングは本当に素晴らしく、どんどんプッシュしていくうちに何台か抜いて、いつの間にかポイント圏内まで上がっていました。そのあと兄をパスしたときは最高の気分でした。レース終盤で集団の先頭に出たときは、リアタイヤにちょっと手間取って、序盤ほどはプッシュできなくなっていました。バトルはさらに激しくなっていきましたが、このときはとにかく他のライダーを抑えることだけを考えて走っていました。兄に抜かれたあとはアレイシ(エスパルガロ)ともバトルしました。全体的には雨のなかで素晴らしい経験ができましたし、その経過もとても順調でした。いい走りができたと思いますし、結果にも満足しています」

A・ドビツィオーゾ選手談(DNF)

「非常に残念です。スイッチを入れた瞬間からダッシュボードが機能していなくて、何も見えないし、聞こえないし、スタート・コントロールも使えませんでした。それでも、とにかく走り続け、はるか後方でいくつかポジションを上げることもできました。ハンドリングとグリップは素晴らしかったと思います。でも1ラップ目からハンドルバーの左側が回り込んでしまっていて、そのせいで右腕をいつも通りに使うことができませんでした。グリッド・ポジションがもっと良くて、普通のレースだったとしたら、もっといい結果が出せたでしょう。ファビオはそれを実践しています。私のほうは望んでいた結果にはなりませんでしたが、このようなことが時に起こるものです」

R・ラザリ(チーム創設者・代表者)談

「まずアンドレア(ドビツィオーゾ)について話しましょう。不運にも電子制御システムに問題が出てリタイアとなりましたが、それまでは11番手で好調に走っていました。この問題さえなければ、もっと上へ行っていたでしょう。ダリン(ビンダー)のほうは、私としてはただ驚くばかりです。ルーキーが多くのベテランライダーと戦って10位を獲得したのですから、非常に素晴らしい結果だと思います。ウエット・コンディションでの能力が非常に高く、私たちもとても満足しています。トップルーキーとなった彼と、この瞬間をエンジョイします。そのあとアルゼンチンへ向かいます」

W・ズィーレンベルグ(チーム・マネジャー)談

「気持ちは複雑で、コンディションももちろん非常に難しいものでした。激しい雨だったにもかかわらず、驚くべきことに、多くのライダーが競り合ういいレースになりました。アンドレアは問題に見舞われ、初めからダッシュボードが機能していませんでした。それでも何とかスタートしましたが、数ラップ後にまた別の問題が見つかり、とうとうマシンが止まってしまいました。このことは本当に残念です。その一方で、ダリンのほうはとても好調でした。どう表現したらいいかわかりませんが、素晴らしい走りをし、兄と8位争いを展開し、最終的に10位でゴールして6ポイントを獲得。そしてトップルーキーになったのです。私たちチームにとっても大きな誇りであり、大きな励みになりました」

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