モトクロス世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 5月1日 ロシア
RACE DATA
■大会名称:2018年第6戦ロシアGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2018年5月1日
■開催地:オリョーノク
REPORT
フェーブルが第2ヒートで3位とし総合4位を獲得
Monster Energy Yamaha Factory Racingのロマン・フェーブルがロシアのオリョーノクで行われたFIM MXGP世界選手権第6戦で総合4位となった。チームメイトのジェレミー・ファン・フォルベークは予選レースで2位に入ると、わずかに残る舟状骨負傷の痛みと不快感をいとわずベストを尽くし、レース1を6位でフィニッシュするが、レース2では2度のクラッシュを喫して総合成績は12位にとどまった。
オリョーノクのコースは、MXGPの伝統的な雰囲気を備えていた。黒海の東海岸を見渡す険しい丘の上に広がり、路面は白い粘土質。 路面が裂けていないこのコースでは、ライダーは状況を判断し想像力を働かせてレースすることが強いられる。ライダーたちはアグレッシブさを保ちながらレースにコミットする一方で、トラクションを求め、スロットルを丁寧に操作しなければならない。 また、わだちが少なく、明るい青空と約30度にも及ぶ高温により、太陽の下にさらされたコースにまかれた水は、砂埃を抑えてサーキットを滑りやすくした。
フェーブルは前日の予選レースで、ホールショットを奪い、速いラップタイムを記録し続けて後続グループを引き離しにかかった。YZ450FMを駆って好感触で本領を発揮するフェーブルだったが、トラクションを失い、首位から脱落してしまうが、11位まで挽回。一方、チームメイトのミスによりジェレミー・ファン・フォルベークがトップに立って、レースをリードする。だが、選手権ランキング1位のJ・ハーリングス(KTM)にパスされて2位でフィニッシュした。
このコースでは好スタートが不可欠であり、フェーブルのレース1での7位フィニッシュが、スタートがいかに重要かを改めて明確にした。 レース1でフェーブルはスタートで出遅れ、レースを難しいものにしてしまう。自身の前を走る450ccのバイクが放つ鋭い石をかわしながらトップ15圏外から追い上げ、スタートからフィニッシュまで6位を走行したチームメイトのファン・フォルベークに続く7位でレース1をフィニッシュした。
レース2ではスタート良く飛び出したフェーブルは、5番手につけると、9度の世界チャンピオンの座についているA・カイローリ(KTM)にプレッシャーをかける。カイローリは結局、小さなミスを冒して後退する。フェーブルは4番手に上がり、元世界チャンピオンのT・ガイザー(ホンダ)を追う。一方、チームメイトのファン・フォルベークは他のライダーと接触してポイント圏外に後退する。 MXGPのトップライダーたちと共に、フェーブルはガイザーをパスすべく懸命なライディングを続ける。フィニッシュまで残り2周となったところでガイザーを抜いたフェーブルは、レース2を3位でフィニッシュ。総合結果では4位となった。ファン・フォルベークはこのレースを18位でフィニッシュしてポイントを獲得。総合結果は12位となった。
Wilvo Yamaha Official MXGPの23歳ジェレミー・シーワーは、ビッグジャンプで強烈な動きを見せて熱狂的な観客を興奮させた。最上位クラスで最上位に居るルーキーライダーとして、YZ450Fを華麗にライディングするその姿は、シーワーが大型バイクを、自信を持って、無理なくライディングしているという良い兆しだ。シーワーが、4番手でスタートして6位に入った昨日の予選レースと同じスタートを決めていたら、今日の決勝レースの結果は違っていたかもしれない。それでもシーワーは両レースを9位と8位で終え、総合結果で8位となった。
ショーン・シンプソンは昨日の予選レースで派手な転倒を喫し、その後のレースを走ることができなかった。シンプソンはすべての負傷は処置されたが、腰に受けた衝撃と打撲によって、高速サーキット、オリョーノクでのレース参加は困難となった。4日後に開催されるオランダ選手権参加を目指し、シンプソンはグランプリ欠場を決めたが、5月13日の週末にラトビアで開催されるMXGP世界選手権第7戦には復帰することが期待される。
MXGP RESULT Race.1
MXGP RESULT Race.2
RIDERS RANKING MXGP
CONSTRUCTORS RANKING MXGP
COMMENT
Monster Energy Yamaha Factory Racing
ロマン・フェーブル選手談(7位/3位:総合4位)
「この週末はかなり良かった。予選は自分が一番速かったけど、ふたつミスをして11位でフィニッシュするにとどまった。スタートがすごく重要で、レース1ではたくさんのライダーをパスしなければならなかった。速さは感じていたけど、スタートではラスト5番手以内に入っていたので、本当に大変だった。自分が一番速かったのがわかっているし、このクラスでは、自分が一番速いときにはそれを最大限に活用して、高いポイントを獲得しなければならない。だからこの週末については本当に満足というわけではない」
ジェレミー・ファン・フォルベーク選手談(6位/18位:総合12位)
「ファルケンスワールトの後、運に見放されているように感じる。自分のやることのすべてが、まるでいくつかのことはOKとなり、いくつかのことはそうではなくなるかのようだ。必要なのは集中することとポジティブでいること。今週のうちに再びライディングをスタートさせたい。最近は手首のケガでそれができなかった。常に良くなっているのは感じているが、癒すことが必要だ。週のうちに乗ることができずにGPからGPへというのは大変だから」
Wilvo Yamaha Official MXGP
ジェレミー・シーワー選手談(9位/8位:総合8位)
「何よりも先ず、バイクに乗っていてすごく楽しめた。これは一番重要なこと。また充実した週末を過ごせた。この週末は本当に良い感じだった。この週末、ひとつだけミスを冒して軽いクラッシュをしたけど、それ以外はかなり良かった。速さはあったし、体調も本当に良かった。トップ5に入るために努力しているので、もちろんもっと満足する余地はあるけど、最終的な目標はすべてのGPでトップテン内に居ること。砂、ハードパック、泥、雨、太陽。そうしたことは重要ではない。何であれ、すべてのGPに参加する。良くなっているし、良い時が来ていることを感じられるので、努力を続けるだけだ」
ショーン・シンプソン選手談(DNS)
「このコースでギリギリまでプッシュするのは楽ではないと感じたが、予選レースの最初の数周はかなり安定していた。でもミスを冒してわだちを横切って広告版にまっすぐ行ってしまい、3メートル落ちてしまった。背中と腰右側をひどく痛めてしまった。足を引きずってメディカルセンターに行って、診察を受けてすべての処置はされたけど、昨晩はほとんど歩くことができなかった。今朝は良くなっているのを感じたのでライディングを試みたけど、それは無理だった。今はかなり良い感じだけど、3、4日は良い治療をして、ライディングを再開して、ラトビアに行くのを楽しみにしている」