モトクロス世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 6月11日 ロシア
RACE DATA
■大会名称:2017年第10戦ロシアGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:17年6月12日
■開催地:オリョーノク(サーキット全長:1850m)
REPORT
フェーブルがロシアGPの第2ヒートで、2位表彰台を獲得
FIMモトクロス世界選手権が黒海近くロシアのオリョーノクで開催された。全体で19戦あるMXGPは、今回のGPで第10戦目となり半ばにさしかかった。
ロシアGPの決勝は激しい雨に見舞われた。前日の予選での乾燥した粘土質の路面状態とは対照的なコンディションとなる。コースの状況は大幅に悪化し、ラップタイムで35秒もの差が出るほどであった。土曜日の予選レースにおける最速ラップタイムはA・カイローリ(KTM)が記録した1分40秒127だったが、決勝当日の第2ヒートの最速タイムはロマン・フェーブルがマークした2分13秒616であった。
第1ヒート序盤、ロマン・フェーブルはYZ450FMを駆り、激しい走りを見せる。フェーブルは、このレースで最速ラップを記録したカイローリとわずか0.2秒差の2番手のタイムをマークした。勢いに乗るフェーブルは15位から4位まで順位を上げるが、滑りやすいコーナーでフロントのバランスを崩してしまう。ゴーグルに水が入ってしまい、ブレーキレバー、クラッチレバー、そしてグリップにも泥が厚く付着してしまい、ピットレーンに向かい、すべてを取り除かねばならなかった。このストップによりフェーブルは15位まで後退し、1分以上のタイムをロスしてしまう。それでも果敢な追い上げを敢行したフェーブルは10位まで挽回したところでレースを終えた。
第2ヒートの残り2周までフェーブルは、トップで走行する。フェーブルは泥の路面での技術の高さで知られているが、今回のロシアGPでのフェーブルは泥路面で開催された2015年イタリアGPの時の、圧倒的に誰よりも早く、レースを制し、GPウイナーとなった時の彼を彷彿とさせる姿をみせた。しかし1周遅れとなっていた第1レースの優勝者、J・ハーリングス(KTM)と接触してしまう。25歳のフェーブルにとって、フラストレーションの溜まる、そして不運な幕切れとなった。それでも2位でチェッカーフラッグを受けることができたフェーブルは、総合成績6位でグランプリを終えた。
Wilvo Yamaha Official MXGPのアーヌー・トヌスは前日の予選で、粘土質の路面をノーミスで走ることができ、キャリアで初となるMXGPクラスのポールポジションを獲得した。しかし雨に見舞われて完全に別なコースとなった決勝のライディングにはまったく別の技術が必要となった。レース序盤にウエーブセクションに入るところでトラクションを失い、スピンしてしまう。再走をするもトヌスは9位まで挽回したところでチェッカーフラッグを受けた。第2ヒートで好スタートと力強いライディングで周回を重ね、4位でフィニッシュ。総合成績では7位となった。総合成績には不満が残るものの、いくつかのポジティブな点も感じながらスイスの自宅へと戻って行った。
Wilvo Yamaha Official MXGPチームは、6月25日にイタリアのオットビアーノで開催される次戦からショーン・シンプソンの復帰を予定している。一方、Monster Energy Yamaha Factory Racingのジェレミー・ファン・フォルベークは次戦を欠場することになりそうだ。土曜日の予選レースのスタート時に右手人差し指を脱臼、骨折した。負傷と復帰についての詳細は可能な限り早く発表する。
MXGP RESULT Race.1
MXGP RESULT Race.2
RIDERS RANKING MXGP
CONSTRUCTORS RANKING MXGP
COMMENT
ロマン・フェーブル選手談(10位/2位:総合6位)
「今日は良い感じで4位まで上がったけど、クラッシュしてしまい、ゴーグルとグローブが水浸しになったのでストップせざるを得なかった。クラッシュとピットレーンに入ったことで1分30秒ロスしたけど、10位まで挽回した。第2レースではホールショットを奪ってゴール2周前までレースをリードしていたけど、ジェフリー(ハーリングス)が僕の走路に居て、青旗を無視していたし、僕のラインを走っていた。僕はスライドして彼にヒットしてクラッシュしてしまった。がっかりしたけど、バイクのフィーリングは良かった」
アーヌー・トヌス選手談(9位/4位:総合7位)
「このコースはすぐに良い感じで走れたし、予選レースで勝つことができた。このコースは楽に走ることができるし、自分の速さを見せられたし、速さがあることを証明することができた。今日はコースがまったく違ったけど、それでもすごく良いフィーリングだった。第1レースではクラッシュして、9位まで挽回した。第2レースではバイクをストールさせてしまったけど4位まで挽回した。良い感じだし、この速さを次のグランプリに持ち込みたい」