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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.01 2月23-24日 オーストラリア

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権第1戦オーストラリア大会
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(1周 4.445km)
■周回数:レース1:22周(97.790km)
スーパーポール・スプリントレース:10周(44.450km)
レース2:22周(97.790km)

レース1
■開催日:2019年2月23日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度
■路面温度:41度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分29秒413)
■FL:A・バウティスタ(Ducati/1分30秒884)

スーパーポール・スプリントレース
■開催日:2019年2月24日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度
■路面温度:21度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分29秒413)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分30秒075)

レース2
■開催日:2019年2月24日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度
■路面温度:45度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分29秒413)
■FL:A・バウティスタ(Ducati/1分30秒573)

REPORT

レース1:ヤマハのメランドリ、ローズとバトルの末に表彰台を獲得

オーストラリアはフィリップアイランドで開催された2019シーズン開幕戦の第1レース。その最終ラップでPata Yamaha TeamのA・ローズとGRT Yamaha Supported TeamのM・メランドリが表彰台を賭けて競り合った。ふたりはこのラップだけで4回もポジションを入れ替える激しいバトルを展開。最終コーナーで先行したメランドリが3位でチェッカーを受け、GRT YamahaのWorldSBKデビュー戦でチームに表彰台をもたらした。ローズのチームメイトのM・ファン・デル・マークはレース終盤で急激にグリップを失い、苦しい展開を強いられながら5位を獲得。メランドリのチームメイトのS・コルテセは初めてのWorldSBKで8位と健闘した。

グリッド2列目から絶好のスタートを切り、レース序盤でヤマハ勢をリードしたのはローズだった。A・バウティスタがトップに立ってアドバンテージを築くなか、ローズはディフェンディング・チャンピオンのJ・レイ、L・ハスラム、T・ラズガトリオグルらと2位争いを展開。中盤でハスラムが転倒したあとはローズとレイの2台に絞られていたが、残り2ラップでメランドリの追撃に遭うことに。

ローズは左手首に腱炎の痛みがあり、はじめはメランドリのチャレンジを抑えることができなかったものの、最終ラップでは2度も抜き返すねばりを見せた。しかし最終コーナー進入ではメランドリにインを突かれて後退。メランドリは3位でゴールし、表彰台を獲得した。

一方、ファン・デル・マークは序盤、レース終盤のためにタイヤを温存する作戦。しかし中盤を迎える前にメランドリに抜かれると、離されまいとペースを上げてついて行った。このあと2台はラズガトリオグルとサイクスをパスして、それぞれポジションを上げたが、ファン・デル・マークはグリップ不足に見舞われてメランドリに水を開けられ、5位に留まることとなった。

コルテセもまたWorldSBK初レースを慎重にスタートし、中盤までに11位に後退したが、ここから一気にペースを上げて順位を挽回。最終的には8位でゴールし、自ら掲げたトップ10入りの目標を達成した。 明日、現地時間日曜日の12:30、初めてのTissot Superpole Raceが行われ、10ラップのスプリントレースによって第2レースのグリッドが決定する。

レース2:ファン・デル・マークとローズ、戦略が奏功

Pata YamahaのM・ファン・デル・マークとA・ローズは、難しいコンディションのなかでも、それぞれ4位と5位を獲得。ふたりは序盤でタイヤを温存し、終盤でペースを上げ、最終ラップにはM・メランドリをパスした。GRT Yamaha Supported Teamのメランドリは6位でチェッカー。チームメイトのS・コルテセは第1レースに続いて8位獲得と健闘した。

この日、初めて行われたスーパーポール・スプリントレースの結果、グリッド5位からスタートしたファン・デル・マーク。直後からJ・レイ、L・ハスラムと2位争いを展開していたが、中盤になってリアタイヤがスライドし始めるとペースを抑え、この間にメランドリに先行を許すこととなった。ファン・デル・マークはしかし、すぐさま追うことはせず、ペースをキープしながら終盤の戦いのためにタイヤを温存。この作戦が功を奏し、最終ラップに突入するところで、ついにメランドリの背後まで近づくと第2コーナーでインに飛び込み4位に浮上した。そのままゴールまでポジションをキープしたファン・デル・マークは、シーズン開幕戦で合計29ポイントを獲得して総合5位。

チームメイトのローズはグリッド4位からやや出遅れたあと、3ラップ後にようやくE・ラバティをパスしてひとつ挽回。しかしこのあとも激しくプッシュすることはなく、ファン・デル・マークと同様にタイヤを温存しながらコンスタントなペースで周回を重ねていった。その後グリップに苦しめられることとなったメランドリに近づき、最終ラップでこれを捉えて5位でチェッカー。合計30ポイントを獲得し、ランキング4位につけている。

メランドリは第1レースの3位、第2レースの6位、そしてスーパーポールの6位によって合計30ポイント。ローズと同ポイントで並び、ともにサテライト勢トップに立っている。メランドリのチームメイトのコルテセも賢明なレース運びで8位を獲得し、3レースでトップ10に入って期待を超える活躍ぶり。合計19ポイントを手中にし、ランキング7位につけている。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Superpole Race

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1
Pata Yamaha Team
A・ローズ選手談(4位)

「チームのみんなが素晴らしいマシンを用意してくれました。おかげでテストの時よりペースが上がり、今日はレースをエンジョイすることができました。何より、またレースができることをうれしく思っています。小さな問題はいくつかあって、最後はマルコを抜き返すためにかなり深くまで攻めなければなりませんでした。これ以上は無理というところまで頑張りましたが、その結果、最後の4~5ラップはグリップが著しく低下してしまいました。これでは最後までもたないのではないかと不安になったため、そのあとはできるだけスムースに走るよう心掛けました。最終ラップの最終コーナーで表彰台のチャンスを失ったことは残念ですが、総合的に見れば、順調なシーズンのスタートを切ることができたと思います」

M・ファン・デル・マーク選手談(5位)

「厳しい戦いになることはわかっていたので、タイヤにはとくに気をつけなけらばならないと思っていました。最初の数ラップは非常に慎重に走り、そのなかでタイヤにストレスをかけない良いリズムを見つけることができました。しかしレースを間違いなく走り切るためには、もっとハードにプッシュしたいと思っても、そうすることができません。その意味でとても難しいレースでした。マルコはいいペースで走っていたので、抜かれたあとついて行って、終盤の表彰台争いにつなげたいと考えましたが、結局そうはなりませんでした。それでも、テストで苦しんだあとこのように戦略的なレースをして、5位を獲得できたことに満足しています」

GRT Yamaha Supported Team
M・メランドリ選手談(3位)

「テストのときも、ウイークが始まってからもニュータイヤに手を焼いてきたので、今日、このようなレースができてとてもうれしいです。最初の数ラップですでに、フィーリングが向上していることがわかり、ニュータイヤでもトップから大きく離されることなくついていくことができました。そのあと燃料が減り、タイヤを消耗し始めるとますます好調。ファン・デル・マークをパスしたあとさらにペースが上がり、ラップごとに自信を持って走れるようになりました。アレックスのうしろに付くと、彼は大きくペースダウン。おそらくリアタイヤに問題が出ていたのだと思います。それでも彼をパスしたあとは抜き返そうと攻めてきたため、最終ラップは激しいバトルになり、抜いたり抜かれたりを4回も繰り返しました。最終ラップで私のほうが少し速いことはわかっていたのですが、風が強くマシンを安定させることが難しかったので、去年のように出口まで待つことはできません。それで作戦を変え、進入でインに飛び込み素早く前に出たのです。この表彰台は私、チーム、ヤマハにとって非常に素晴らしい結果。でもこれで終わりではなく、ますます向上できるよう努力を続けなければなりません」

S・コルテセ選手談(8位)

「総合的に、とても素晴らしい一日になりました。スーパーポールが好調だったのでグリッド6位からスタートすることができ、決勝は、YZF-R1に乗り始めて以来、最高のレッスンになりました。とても多くのことを学ぶことができましたが、最初の数ラップはうまくいかないことも多かったので、もしも初めからペースをつかむことができれば順位をもっと上げることができたかもしれません。目標はトップ10だったので、それを達成することができました。その意味では今日の自分の仕事に満足していますが、ひとりのライダーとしては、常により上の順位を目指したいと思うものです。今日は初参戦のWorldSBKでポイントを持ち帰ることができました。明日が待ちきれない気持ちです」

レース2
Pata Yamaha Team
M・ファン・デル・マーク選手談(4位)

「スタートがうまく決まり、ペースも速かったのですが、早々にタイヤを使ってしまうことには少し不安がありました。前を行く2台のカワサキを追っていたのでペースを落としたくはなかったのですが、マルコに抜かれたときに、それについて行こうと少しだけタイヤをプッシュし過ぎていたことに気づいたのです。そこで、自分のリズムを維持することに専念しました。自分にとって最も心地よいペースよりも、ほんのわずかに下げることになりましたが、レースを最後まで走り切るためにはそれが唯一の方法だったのです。そして終盤に近づくとカワサキ勢もマルコもペースが落ちてきたので、最終ラップでマルコをパス。タイヤの耐久性に苦しみ続けたウイークでしたが、最後に4位を獲得できたことをとてもうれしく思います。いくつか問題もあったなかで、多くのポイントを獲得することができました」

A・ローズ選手談(5位)

「スタートのあと、ユージン・ラバティの後ろで多くの時間を費やしてしまいました。ドゥカティはストレートが非常に速いので、うまくパスすることができなかったのです。スプリントレースのなかでも見てきた通り、パニックになったり無理にペースを上げたりすればタイヤを消耗してしまうので、冷静さを失わないように心がけながら、最後の戦いに照準を定めていました。ラップタイムを見る限り、カワサキ勢を追いかけて表彰台にチャレンジできるレベルだっただけにフラストレーションもありました。しかしこのコースで、2ラップ目ですでに3秒も離されてしまったら、その差を埋めるのは難しいでしょう。残念ですが、今日はこの5位を受け入れ、次のタイでより力強い走りをお見せしたいと思っています」

GRT Yamaha Supported Team
M・メランドリ選手談(6位)

「今日はもっと上を目指していました。スーパーポールでは序盤で何度かミスして大きくポジションを下げることになってしまいました。何とか挽回したかったのですが、それには距離が短すぎました。第2レースは好スタートを切って序盤から順調なペース。2台のカワサキをとらえたあとはタイヤを温存するために少しペースを抑えていましたが、ジョニー(レイ)がレオン(ハスラム)をパスしたときに私も真ん中に割って入ろうとチャレンジしたのです。しかしリアタイヤが言うことを聞いてくれず、そのあとはまたペースを落としてひたすらゴールを目指すしかありませんでした。最後にファン・デル・マークとローズにパスされて悔しい気持ちもありますが、依然として、私たちチームにとっては非常に素晴らしい1週間であったと思っています。冬の間は苦労しても、レースになれば状況は変わります。今はフィーリングも上々で、このあとますます良くなっていくと確信しています」

S・コルテセ選手談(8位)

「総合的に見て、とても良い週末を過ごすことができたと思っています。初めて参戦したWorldSBKで両レース8位、スプリントレースでも7位を獲得できたのですから評価できる結果だと思います。タイヤについてはウイークを通じて苦戦しましたし、第2レースでは小さな技術的トラブルもあったなかで8位を獲得できたことがうれしいのです。目標にしていたトップ10を両レースで達成し、この1週間で非常に多くのことを学び、テストのときより格段に良くなっています。次のタイGPが楽しみです」

A・ドソリ、Yamaha Motor Europe ロードレーシング・マネジャー談

「オーストラリアでのチームのパフォーマンスに満足しています。4人とも非常に安定しており、全員が3レースすべてでトップ8に入ったことで、彼らの成長ぶりを実感することができました。マシンについても、ウインター・テストでは苦戦させられたところも、今回は同じサーキットでしっかり性能を引き出すことができていたと思います。経験豊富なマイケルとアレックスの手によってYZF-R1が力強く走るのを見てうれしく思いましたし、今回初めてこのマシンで出場したマルコとサンドロのパフォーマンスにも感動しました。このようにシーズンを好調にスタートすることができた一方で、これから改善していかなければならないところもはっきり見えてきたので、満足と同時にライバルたちに近づきたいという気持ちも、ますます大きくなってきています。私たちの4台のマシンが互いに競り合っているのを見るとき、このプロジェクトが正しい方向へ進んでいることを確信することができます。これはライダーたち、チーム、ヤマハのすべてのスタッフのハードワークと献身のおかげです。心から感謝しています」

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