モトクロス世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 10月24日 トレンティーノ
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権 第14戦トレンティーノ
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2021年10月24日
■開催地:ピエトラムラータ(1,550m)
REPORT
コルデンホフとシーワーが激戦のトレンティーノ・グランプリで総合2位タイ
4選手が38ポイントの同点で2位5位までに並ぶ僅差の争いとなったトレンティーノMXGPで、Monster Energy Yamaha Factory MXGPのグレン・コルデンホフが総合2位に入った。チームメイトのジェレミー・シーワーは同点ながら5位となり、ベン・ワトソンを含め、YZ450FMを駆る全3選手がトップ10内に入った。
Monster Energy Yamaha Factory MXGPチームは、全18戦で争われるFIMモトクロス世界選手権の第14戦に臨むため、表彰台獲得を目指しイタリアのピエトロムラータにやって来た。
シーワーはセンセーショナルな走り出しを見せ、予選で1分37秒314のタイムを叩き出し、ランキングトップのJ・ハーリングス(KTM)、イタリアのレジェンドライダー、A・カイロ―リ(KTM)を抑えて2021年自身初となるポールポジションを獲得した。YZ450FMを駆るチームメイトのコルデンホフは1分38秒812のタイムで9番手、ベン・ワトソンは1分40秒023で22番手となった。
最初のレースで、シーワーはYZ450FMのパワーを活かしてホールショットを奪い、レース開始から20分間に渡ってMXGPタイトル争いの主役たちに先行し、トップを快走した。
トップ争いは手に汗握る展開となった。レース終了まで残り9分となったところでハーリングスがトップを奪い、シーワーは2番手に後退。元世界チャンピオンのR・フェーブル(カワサキ)とディフェンディングチャンピオンのT・ガイザー(ホンダ)の追撃を防御する。
終盤、フェーブルとガイザーは、シーワーを激しく攻めるが、シーワーは2番手のポジションを守り切り、レースに勝つことができるポテンシャルを証明すると共に、完全な健康状態に回復したことを印象づけた。
絵のように美しいチクラミーノ・サーキットで、選手たちが抜き難さに苦労する中、コルデンホフは集団の中をすり抜けるべく奮闘。1周目を8番手で終えたコルデンホフは、見事な追い抜きを見せて5位でフィニッシュした。
ワトソンはオープニングラップで2番手を走行中に転倒を喫したが、そこから15番手まで挽回してフィニッシュした。
レース2のスタートは劇的な様相を呈し、ターン1で多重クラッシュが発生したが、YZ450FMを駆る3選手はかろうじてこれを回避した。コルデンホフは3番手につけると、すぐにH・ジャコビ(ホンダ)をパスして2番手に上がる。一方、ワトソンはトップ5圏内のポジションを守るべく奮闘する。
タイトル候補のハーリングス、フェーブル、そしてガイザーが互いに接近し、コルデンホフを含めた4選手による激しい争いが続く。13周目、コルデンホフはフェーブルをイン側から見事にパスしてトップに立った。コルデンホフは5周に渡ってレースをリードするが、残り3周となったところで速く、猛烈な動きを見せるハーリングスがこれをかわして先行する。
最終ラップに入るところで、コルデンホフとガイザーは、接近戦を展開するが、現チャンピオンの挑戦を退けたコルデンホフがポジションを守り切って2番手でフィニッシュし、総合2位を獲得した。
シーワーは集団の後方から追い上げ、5番手まで順位を上げてフィニッシュ。驚くべき復調ぶりを示した。一方、ワトソンはまずまずのスタートを見せて7位でチェッカーフラッグを受けた。
トレンティーノMXGPで総合2位タイのポイントを獲得したシーワーは、ランキングでトップ5との差を8ポイントに短縮。コルデンホフは8位を守り、ワトソンはひとつポジションを上げて12位に浮上した。
Monster Energy Yamaha Factory MXGPチームは2日後にここピエトロムラータのゲートに戻り、10月27日水曜日に開催される2021年シリーズ第15戦に臨む。
MXGP RESULT Race.1
MXGP RESULT Race.2
RIDERS RANKING MXGP
CONSTRUCTORS RANKING MXGP
COMMENT
グレン・コルデンホフ選手談(5位/2位:総合2位)
「マジョーラ(イタリア)での第3戦を除いて、今年はずっと苦戦していたので、ここで表彰台に戻れて良かったです。とても長く、厳しい道のりでしたけど、自分がいるべきところに戻れて本当に良かった。今朝は良い感触で、最初のレースはまあまあの5位でした。レース2はかなり激しいレースで、控えめに言っても、後ろからのプレッシャーが大きかったですね。どうにかトップに立って数周リードしたのは、正直言って快感でした。こういうレースがもっと増えることを断然、期待していますし、トレンティーノでの3連戦をポジティブなカタチでスタートできたのは良かったです。シーズン残りのレースを楽しみにしています」
ジェレミー・シーワー選手談(2位/5位:総合5位)
「今日は今シーズンこれまでで最高の日のひとつになりました。バイクはこのコースでうまく機能するようで、これは本当にポジティブなことです。良い感触だし、シャープな感覚で、バイクのライディングを楽しんでいます。すごく楽しめているし、僕は速いですよ。どうにかポールポジションを獲得できましたけど、これは通常、自分の強みではありません。ホールショットを奪って、レース1を一時リードしたのは最高だったし、僕は勝利に近づいていますよ。レース2に向けて感触は良かったのですが、スタート直後に両側から挟まれてしまい、転倒しないで済んだのはラッキーでした。ホルヘ(プラド)の後輪にぶつかってしまいましたが、直進するしかありませんでした。5番手まで挽回できたのは素晴らしかった。スタートは最後尾でしたからね。表彰台に立てなかったのは残念です。同ポイントに4人のライダーがいるので、ポジティブに、良い点をとらえることにして、数日後にここでまたレースをすることを楽しみにしています」
ベン・ワトソン選手談(15位/7位:総合10位)
「今日はスタートが良かったので、それが良かった点ですね。これは常に力になりますから。ここは追い抜きが本当に難しい。僕はまだ100%の感触ではありません。足首は未だ完璧ではなく、全体に、怪我をしてからあまり長い時間、バイクに乗っていないので、ちょっと遅れをとっています。コースの感触は良く、レース1で数回転倒しましたが、レース2では一貫したペースで周回できました。全体に、悪くない一日でした」