ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 5月5日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第3戦スペインGP
■開催日:2013年5月4日(土)予選結果
■開催地:スペイン/ヘレスサーキット(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:50度
■PP:J・ロレンソ(1分38秒673/ヤマハ)
REPORT
J・ロレンソ&YZR-M1が今季2度目のポールポジション
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソがポールポジションを獲得し、26回目の誕生日に自ら花を添えた。1本目の予選タイヤで1分38秒876を記録してトップに立ったあと、2本目に履き替えるとさらに短縮して1分38秒673とし、トップをキープしたまま予選セッションを終了した。
一方、チームメイトのV・ロッシは、右高速の第11コーナーでひざでマシンを支えきれず、予選セッション残り2分というところで転倒。幸い怪我はなく、自力でピットに戻った。ベストラップは1分39秒00。ロレンソから0.627秒差で5位となった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローが4位を獲得。しかしそこまでの道のりは楽ではなかった。フリープラクティスの第3セッションで1分38秒975を記録してトップに浮上したものの、第4セッションでは3位走行中に第5コーナーで転倒。グリッド2列目獲得を目指し、タイヤを履き替えて臨んだ15分間のQP2セッションでは、3位まで上がったところでフロントを滑らせまたも転倒してしまった。気力みなぎるクラッチローはしかし、急いでピットに戻ってもう一度タイムアタックを開始。3位キープはならなかったが、1分39秒262というベストタイムでM・マルケス(ホンダ)に続く4位を獲得した。クラッチローは腰の痛みを訴えていたが、セッション終了後にメディカル・チェックを受け、決勝出場に問題はないと診断された。
チームメイトのB・スミスは12位。QP1では1分39秒990を記録してQP2進出を決定していた。今季3回目のグリッド4列目を獲得したスミスは、10位との差がわずか0.5秒。決勝では前回に引き続きポイント獲得を狙う。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'38.673 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'38.920 |
3 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'38.971 |
4 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.262 |
5 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'39.300 |
6 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'39.509 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'39.654 |
8 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'39.847 |
9 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'39.848 |
10 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'39.980 |
11 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'40.087 |
12 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'40.356 |
13 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'40.085 |
14 | M・ピロ | Ducati Test Team | Ducati | 1'40.182 |
15 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'40.466 |
16 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'40.654 |
17 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'40.852 |
18 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'41.324 |
19 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'41.513 |
20 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'41.536 |
21 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'41.779 |
22 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'41.935 |
23 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'43.220 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分38秒673/8周)
「ポールポジションを獲得できてうれしいよ!最高の誕生日プレゼントだ。今日は気温が高く、前のMoto2の予選セッションでたくさんの転倒者も出たからコース・コンディションが良くないことはわかっていた。そのなかでも何とか完璧な走りをしたいと思っていたんだけれど、結局できなかったんだ。2か所のブレーキング・ゾーンでミスをしてはらみ、コンマ数秒遅れてしまったからね。でもそれ以外の場所はかなり速く、限界ぎりぎりのところで走ることができたから、このような結果を出すことができた。予選で出したタイムはたいてい、他の機会に再現することはできないもの。明日は厳しい戦いになるだろうが、これからさらにセッティングを煮詰めて楽にハイペースを走れるようにしていきたい。そのなかで優勝を、あるいは少なくとも表彰台を狙っていきたいと思う」
V・ロッシ選手談(予選5位/1分39秒300/6周)
「悪くはなかったよ。ポジションだって今季最高だ。グリッド2列目なら文句はない。終盤で転倒してしまったのは残念だったけれど、怪我もなかったし何の問題も出なかったので大丈夫。いずれにしても明日への準備はできたということなんだ。決勝での課題は、消耗したタイヤでどこまでペースを上げられるかということ。もし気温が高くなればリアタイヤのスライドが激しくなるので、スタートから6周目、7周目あたりを過ぎたころのリズムに注意しないとね。これからまたベスト・セッティングを追求して明日に備えたい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング、チームマネジャー談
「ポールポジションを獲得して、最高の誕生日プレゼントになった。もちろん我々もとても喜んでいる。でももっと大事なのが明日。みんな苦労している様子で、今日もたくさんの転倒があった。気温が高くタイヤの消耗が激しいので、明日もそうした状況に備えてマシンのベストバランスを探さなければならない。つまりレースはどんな展開にもなり得る。トラブルの少なかったライダーが優勝することになるだろうが、序盤でトップに立ったからといってそのまま勝てるとは限らない。24ラップを1本のタイヤで走りきったことがないので、長いレースのなかでどのマシンが力を発揮してくるのか今は判断が難しい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング、チームディレクター談
「見事なポールポジション獲得だ。ホルヘは今日も素晴らしいタイムをたたき出した。バレンティーノのほうは不運にもベストラップで転倒してしまったが、スピードには満足している。一番の課題が決勝距離だ。この二日間、タイヤの消耗によっていくつか問題が起きている。しかし、それは他のライダーたちにとっても同様のようだ。これについては引き続き努力を重ね、明日までに少しでも良い状態にもっていきたい。ここまでは非常に順調。明日もきっとうまくいくだろう」
C・クラッチロー選手談(予選4位/1分39秒262/6周)
「非常に苦しい一日になった。2回も転倒してしまい、とくに2回目は高速だっただけにひどかったんだ。1回目は、午前中との気温差が激しかったことが原因で、これは完全に僕のミス。2回目は何人かが同じ場所で転倒していて、あそこに何かあったのかもしれないが、それが原因になったわけではないと思っている。僕はブレーキングでミスをしてフロントが滑って行ってしまった。でも本当に激しい転倒だったので、それからすぐにピットに戻って、またコースに復帰して、しかもハイペースを取り戻すことができたことは自分を褒めたい。気温が高くなって難しい状況だが、それは誰もが感じていること。これからさらに変更を加えてフロントのフィーリングを向上させ、明日の決勝に臨みたい。今回はみんな動揺に苦しんでいるみたいだけれど、1日に2回も転倒してしまうのはね…。ちょっと痛みはあるけれど、それで力を緩めることはないよ!」
B・スミス選手談(予選12位/1分40秒356/8周)
「今回もQP2に進むことができて良かった。そこまではかなり大変だったんだ。決勝用セッティングでのペースは順調なので不安はないけれど、この暑さのなかではとても長く厳しいレースになるだろうね。タイヤが消耗してきたところが肝心。わずか3ラップでグリップが大幅に落ちてしまうので、タイヤのコントロールが重要になるなんだ。今回も一歩一歩、少しずつ前進することができた。そして今も、初めてYZR-M1に乗ったときと同じ問題に取り組んでいる。決勝はまた勉強。好スタートを切って、上位のライダーたちについて行くことができたら、多くの経験ができるだろう」