ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.18 11月11日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第18戦バレンシアGP
■開催日:2012年11月10日(土)予選結果
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット(4.005 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:15度
■PP:D・ペドロサ(1分30秒844/ホンダ)
REPORT
J・ロレンソが予選2位
2012シーズンのチャンピオンとなったJ・ロレンソは、唯一ドライ・コンディションで行われた公式予選で好タイムをマーク。最終戦決勝はフロントロウ中央からスタートすることが決まった。母国ファンの前で順調な走りを見せたロレンソは、終始3位以内をキープしてポールポジション獲得のチャンスも窺っていたが、最後にD・ペドロサに抜かれて2位となった。一方、スポット参戦の中須賀克行は、昨日の転倒の経験から慎重な走りを心がけ、マシンのセットアップに重心を置きながら16位につけた。
午前中に行われた最終フリープラクティスは、ウエットの路面が徐々に乾いていく難しいコンディションとなり、決勝に向けた有益なデータ収集はほとんど行えなかった。10分ほどの走行でロレンソはトップから1.2秒差の6位。中須賀は15位だった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとA・ドビツィオーゾは、それぞれ4位と6位を獲得して好調。明日の決勝は、ともにグリッド2列目からスタートする。
クラッチローはラップレコードを1秒以上、上回る1分31秒512のベストラップを記録して今季8度目のフロントロウを目指したが、0.084秒届かず4位。一方のドビツィオーゾは1分31秒795。6位以内獲得はこれで11回目となり、チーム史上最高の成績を残したこととなる。そのドビツィオーゾにとってはモンスター・ヤマハ・テック3チームで最後のレースとなるが、2012シーズンを良い形で終えようと決意を持って臨んでいる。
RESULT
Pos. | Rider | Team | Machine | Time |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.844 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'31.195 |
3 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.428 |
4 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.512 |
5 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'31.757 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.795 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'32.503 |
8 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'32.585 |
9 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'32.605 |
10 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'32.834 |
11 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'32.877 |
12 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'33.346 |
13 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 1'33.442 |
14 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'33.453 |
15 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'33.971 |
16 | 中須賀克行 | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'33.979 |
17 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'33.980 |
18 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'34.407 |
19 | R・ロルホ | Speed Master | ART | 1'34.866 |
20 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'34.918 |
21 | 青山博一 | Avintia Blusens | BQR | 1'35.363 |
22 | C・コルティ | Avintia Blusens | INMOTEC | 1'36.531 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分47秒423/26周)
「明日はかなりの接戦になるだろう。ダニはドライだけでなくウエットでも強さを見せていて、明日はどうやらウエット・コンディションになるらしいんだ...。僕のほうは最後のリアタイヤでポールポジションを狙ったが、どうしてもダニを超えることはできなかった。でも2位も決して悪くない。それに重要なのは決勝での順位だからね。明日はきっと、今日とは違う展開になるよ」
中須賀克行選手談(予選16位/1分33秒979/26周)
「マシンに慣れること、マシン・セッティング、コース・コンディションを把握すること。この3つに集中してプラクティスに臨んでいた。明日はベストを尽くして、昨年の成績、あるいはそれ以上を目指したい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「予選の走りにはとても満足している。2位という結果は悪くないし、ラップタイムが非常に接近しているので、明日は激しいバトルが展開されることになるだろう。ライダーたちは新しくなった路面を概ね気に入っているようだが、リアタイヤを最後までもたせるために苦労しているように見える」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ホルヘは順調。マシンも非常にバランスがいい。ポールポジションには届かなかったが、ラップタイムは速く、ペースもとても良かったと思う。中須賀のほうは、昨日の転倒の影響からかプレッシャーを感じているようだった。同じミスをしたくなかったのだろう。マシン・セッティングはうまくいっていて本人も満足しているようだが、上位に食い込むにはまだ少し足りなかった。明日はまた雨になりそうだ。そのなかでどこまでできるのか状況を見守るしかないが、見通しは悪くない」
C・クラッチロー選手談(予選4位/1分31秒512/28周)
「今日もまた難しいコンディションになってしまい、午前中はほとんど走ることができなかった。午後になるとようやく晴れて初めてのドライ・セッションを経験することになったが、ペース良く走ることができて、タイムも上がって、ラップレコードを上回ることができた。新しい路面はグリップ性は上がっているけれど、表面の凹凸がまだ残っている。それどころか去年よりも状態が悪くなっているような気がするんだ。
そうしたなかで今日はフロントロウを獲得できず、とても残念。3位獲得は不可能じゃなかったはずだけれど、ちょっとミスをしてしまったんだ。つまり僕自身の問題だね。それでもノン・ファクトリーで最高のポジションだから、その点では満足しているよ。2年目のシーズンはここまで、とても順調だったと思う。最終戦も好成績を挙げられるよう、いつものようにベストを尽くして頑張るよ」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選6位/1分31秒795/27周)
「今週初めてのドライ・セッション。僕は正直、強い風にかなり苦しめられた。このようなコンディションの下ではマシン・セッティングが難しくなることを考えれば、こうしてトップ6に入り、セカンドロウを獲得できたことをとてもうれしく思うよ。終盤、ベストラップを走っていた周回の最終コーナーでちょっと遅れてしまったので、それがなければもっとタイムを上げることもできたはずなんだけどね...。
明日のことはわからないけれど、トップの3台が速すぎるので表彰台争いに加わるのは難しいかもしれない。でもその代わりに4位争いは面白くなるんじゃないかな。モンスター・ヤマハ・テック3チームのライダーとして走るのは、明日が最後になるが、これまでの素晴らしいパートナーシップを最高の成績で飾りたいと思っている。ハードワークで僕を支えてくれたチームのみんなに恩返しするためにも、好成績を目指すよ」