ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月21日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦マレーシアGP
■開催日:2012年10月20日(土)予選結果
■開催地:マレーシア/セパン(5.548km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度 ■路面温度:39度
■PP:J・ロレンソ(2分00秒334/Yamaha)
REPORT
ポール・レコードを更新する好タイムでJ・ロレンソ&YZR-M1が予選1位
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが公式予選の最終ラップでレコードラップを更新し、連続3回目となるポールポジションを獲得した。セッション序盤から好調をキープしていたロレンソだが、タイムアタックが始まるとA・ドビツィオーゾやD・ペドロサが次々に前へ出ていった。そのなかで一時はフロントロウから外れることもあったが、最後の数分で2分00秒438を記録するとペドロサからトップの座を奪い、さらにその次のラップでは2分00秒334に更新してポール・レコードを塗り替える快挙を成し遂げた。
ロレンソのチームメイトのB・スピースも順調にペースを上げて4位につけ、フロントロウ獲得を目指して周回を重ねていた。しかし終盤のタイムアタックでトップ争いが激化するなか、スピースは徐々にポジションを下げて6位で終了した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾが予選3位を獲得。同チームにとっては今季10度目、連続6度目のフロントロウ・スタートが決定した。
雨に濡れて滑りやすくなっていた路面で、ドビツィオーゾは持ち前のスムースなライディングを見せて2分00秒567のファステストラップを記録。これで一時はトップに立ったが、その後ロレンソとペドロサに先行を許して3番手に後退した。2位のペドロサとの差はわずか0.039秒。ドビツィオーゾのマシンはリア・グリップが格段に向上しており、明日の決勝では今季7度目となる表彰台を狙う。
一方、チームメイトのC・クラッチローは連続5回目のフロントロウを獲得することはできなかったものの、マシンの仕上がりには満足している。最終ラップでベストラップの2分01秒178を記録し、予選5位を獲得した。前回、前々回ともに最終ラップまで表彰台争いを展開したクラッチロー。今回も表彰台獲得を目指し、最終ランキング5位への望みをつなげたいところ。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'00.334 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.528 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'00.567 |
4 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.811 |
5 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'01.178 |
6 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'01.185 |
7 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 2'01.294 |
8 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'01.491 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 2'01.526 |
10 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 2'01.640 |
11 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 2'01.783 |
12 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 2'02.842 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 2'03.389 |
14 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 2'03.774 |
15 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 2'04.152 |
16 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 2'04.515 |
17 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 2'04.726 |
18 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 2'04.941 |
19 | R・ロルホ | Speed Master | ART | 2'05.100 |
20 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 2'05.921 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選1位/ 2分00秒334/23周)
「セッション終盤で新品の予選タイヤを履いて、最高のラップタイムを記録することができた。中盤では少しチャターが出たり、リアタイヤがうまく走ってくれなかったりで苦労したんだけどね。ペース自体はまだ伸びるはずなので、決勝のためにいくつかのオプションを用意している。明日は厳しいコンディションのなかで、長いレースになるだろう」
B・スピース選手談(予選6位/2分01秒185/22周)
「決して悪くなかったよ。セッション序盤はペースも良かったんだけれど、それを1ラップのラップタイムにつなげることができなかったんだ。それに、今日はとにかくマシンを壊さずに持ち帰りたかった。今シーズンは何度かそのようなアクシデントが起こってしまったからね。明日の決勝を楽しみにしている」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「ポールポジション・アゲイン!これで51回目だ。セッション自体は決して最高のものではなかっただけに、最後の最後に素晴らしいタイムが出たことがとてもうれしい。序盤はいくつか問題も出ていて、ホルヘは何度かピットインを繰り返した。今日はフロントにソフト・コンパウンドのタイヤを履いてタイムアタックを行ったのだが、これは通常の状態ではない。決勝までにこの問題について何ができるか考え、改善していきたい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ホルヘがまた、見事ポールポジションを獲得した。決して2位を狙っているのではないことを、何としても証明したかったのだろう。ホルヘもベンも特別に大きな問題があるわけではなく、いいペースをキープしている。そうしたなかで一番の問題が明日の天候だろう。非常にタフなレースになるだろうが、見ごたえある戦いを期待している」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選3位/2分00秒567/19周)
「フロントロウを獲得することができて、とてもハッピー!これで今回の好調をしっかりと確認することができたよ。モンスター・ヤマハ・テック3のスタッフが頑張ってくれて、セッションごとに良くなって、予選でもさらに一歩前進して、こうして好結果につなげることができた。彼らには本当に感謝しているよ。フロントロウはもちろんだけど、それよりも今は、決勝用セッティングの仕上がりに満足している。ロレンソやダニにかなり近づけたので、明日も彼らにできるだけ長くついていくことが目標。セッション前に雨が降って路面が滑りやすくなっていたんだけれど、こういうときはたいてい、僕は速いんだ。今日もそれを証明できたね。決勝はもちろん晴れてほしいけれど、もしも雨になったとしても大丈夫。条件はみんな同じ。誰もフルウエットを走ったことがないんだから、誰にもアドバンテージはないよ」
C・クラッチロー選手談(予選5位/2分01秒178/21周)
「前の4回はフロントロウを獲得したので、今回の5位には満足できない。マシン・パフォーマンスが完璧ではなくて、先週の日本GPの予選と同じ問題が出てしまったんだ。マシンの震動がひどく、いろいろ変更してみても、どれもうまくいかない。グリップがないような状態で、データ上にも問題が表れている。でも振動の原因はまだ特定できないんだ...。今夜は宿題が山積みなので、チームスタッフと協力しながら一緒にデータを分析し、明日までに何らかの解決策を見つけ出したい。もしも、このまま状況が変わらないなら、戦いはかなり厳しいものになってしまうだろう。いつも通りにベストを尽くし、日本GPのバッドラックで失ったポイントを取り戻したい」