ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月21日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦マレーシアGP
■開催日:2012年10月19日(金)初日総合結果
■開催地:マレーシア/セパン(5.548km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:27度 ■路面温度:33度
REPORT
天候に翻弄された初日、J・ロレンソ&YZR-M1が3番手
マレーシアGPのフリープラクティスは、湿度85%を超える蒸し暑さのなかで行われ、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、午前中の第1セッションでマシンのベース・セッティングのほか、コーナーの多いこのコースに対応するためリアグリップ向上に取り組んだ。午後の第2セッションは、序盤で雨がぱらついて路面はハーフウエット。ロレンソとスピースはウエットタイヤでそれぞれ1周ずつ周回したが、転倒のリスクがあり、有益なデータも得られないことから走行を中止した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾとC・クラッチローは、午前中のセッションでそれぞれ4位と5位を獲得。午後のセッションは得るものがないと判断して走行を取り止めた。ふたりとも第1セッションでは好感触をつかんでおり、明日の公式予選ではポールポジション獲得に自信を見せている。
ドビツィオーゾは非ファクトリーのトップで、そのベストラップの2分02秒236はトップ3にコンマ3秒差と迫る好タイム。チームメイトのクラッチローも2分02秒266と、わずか0.03秒差で追っている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'01.621 |
2 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 2'01.773 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'01.934 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'02.236 |
5 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'02.266 |
6 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'02.358 |
7 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'02.617 |
8 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 2'02.754 |
9 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 2'02.872 |
10 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 2'03.221 |
11 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 2'03.274 |
12 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 2'04.624 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 2'05.029 |
14 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 2'05.077 |
15 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 2'05.387 |
16 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 2'06.058 |
17 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 2'06.452 |
18 | R・ロルホ | Speed Master | ART | 2'06.470 |
19 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 2'07.257 |
20 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 2'07.291 |
21 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 2'07.818 |
COMMENT
ホルヘ・ロレンソ選手(初日総合3番手/ 2分01秒934/ 14周)
「午前中のセッションは非常に順調。序盤から好タイムが出て、ダニやケイシーとも、ほぼ互角の戦いができた。とくにケイシーは、前回の日本GPよりも格段に強くなっているね。マシンはちょっとナーバスな状態なので、もう少し楽に乗れるようにしたい。明日はおもに立ち上がり加速のマシンの挙動を改善していきたいと思っているよ。午後は天気が悪くなってしまったので、走ることができず残念」
ベン・スピース選手(初日総合6番手/ 2分02秒358/ 16周)
「調子はまぁまぁ。コースの状態が完璧でなかったことと、電子系のシステムでいくつか気になるところがあって、あまり伸びなかったけれど、マシン自体はとても良く走ってくれている。午後のセッションに期待していたんだけれど、今日は天気が味方してくれなかった。コースの状況がドライとウエット半々という感じだったので、ここでリスクをおかす必要はないと判断したんだ。だから明日に期待するよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「誰もがさらなるステップアップを期待していたのに、午後のセッションを十分に走れず非常に残念だ。コース上は4つのコーナーがウエット、残りがドライという状況で、ここで走っても収穫は期待できなった。あとは明日に賭けるだけ。晴れてくれればいいのだけれど...」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「今シーズンは、このようなことが何度かあったが、今回もまた金曜日を無駄に過ごすことになってしまった。幸い、午前中はデータ収集もできたが、午後はまったく得るものがなかった。午前中の状態から判断して、セッティング変更を準備していたのだが、これが明日に持ち越しということになってしまったので、明日は何としてもドライ・コンディションを期待したい。日曜日が今日と同じようなミックスした天気になる可能性もあるので、明日は一定の周回数をこなして、できるだけ多くのデータを収集したい」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合4番手/2分02秒236/16周)
「コースが滑りやすくて大変だったけれど、そのなかで4位を獲得できたことは、とても良かったと思う。ラップタイムだけでなく、マシンに強さがあったので、セッション終盤になってリアタイヤをかなり消耗したあともタイムをさらに更新することができた。これならウイークのスタートとしては上々と言っていいだろう。午後からはマシン・セッティングに重要な変更を加えようと考えていたんだけれど、スタート前に雨が降ってきたので取りやめた。ウエットとドライが混在していて、リスクをおかすだけの価値はないと判断したんだ。モディファイは明日へ持ち越しだね」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合5番手/2分02秒266/16周)
「午前中は序盤から好調で、自信を持って走ることができた。コースが滑りやすかったので、それほどハードには攻めなかったが、ラップタイムは順調に上がってきたんだ。午後のセッションで試したいことがあったのに、雨の影響で走ることができず残念。明日はもう少しコンディションが良くなって、決勝用のマシン作りに集中できるようになることを期待しているよ」