ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月16日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2012年9月15日(土)予選結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:30度
■PP:D・ペドロサ(1分33秒857/ホンダ)
REPORT
ロレンソとクラッチローがフロントロウ獲得
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソは、チャンピオンシップのライバルで同じスペイン人ライダーのD・ペドロサと一騎討ち。ふたりは最終ラップまで競り合い、ロレンソが0.018秒差でポールポジションを逃して2位となった。午後からの公式予選で初めてドライ・コンディションに恵まれたが、セッティングのための時間はわずかしかなく、ライダーたちにとっては難しいタイムアタックとなった。
そのなかでもロレンソのチームメイトのB・スピースはセッティングに重点をおき、コンスタントに5位あたりを走行。しかし第1コーナーで不運にも路面のギャップに乗って転倒してしまったため、セッティングの異なるスペアマシンに乗り換えることとなった。その結果、それ以降はタイムを短縮することができず、8位に留まった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームではC・クラッチローが、チームにとって今季7回目となるフロントロウを獲得。1分34秒001のベストタイムを記録したクラッチローは予選セッションの残り2分までトップをキープしており、初めてのポールポジション獲得が期待された。しかしペドロサとロレンソが最後にペースを上げたため、クラッチローは3位に後退してセッションを終了した。昨日に続き、今日の午前中まで天候に翻弄され、午後からの予選セッションに臨むまでにわずか10ラップしかできていなかったことを考えれば見事な結果。タイムもポールポジションのペドロサからわずか0.144秒しか離れておらず、明日は自信を持って臨む。そして先月のブルノに続き2度目の表彰台を目指す。
チームメイトのA・ドビツィオーゾも、悪天候に阻まれて無駄にした時間を取り戻そうと懸命に取り組んだが、1分34秒916のベストタイムで7位に留まった。しかし自信は失っておらず、今回も表彰台獲得に意欲を見せている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.857 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'33.875 |
3 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.001 |
4 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'34.221 |
5 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.299 |
6 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 134.619 |
7 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.916 |
8 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.988 |
9 | J・レイ | Repsol Honda Team | Honda | 1'35.358 |
10 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'35.401 |
11 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.648 |
12 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'35.756 |
13 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'36.048 |
14 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'36.284 |
15 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'36.340 |
16 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'37.124 |
17 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'37.162 |
18 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'37.316 |
19 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'37.751 |
20 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'38.068 |
21 | D・サロン | Avintia Blusens | BQR | 1'40.075 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分33秒875/24周)
「とても難しかったよ。だってドライになったのはこのセッションが初めてだったんだからね。とくにセッションの序盤はなかなかペースがつかめなくて大変だった。でも周回を重ねるごとに少しずついい感じになってきて、マシンの状態も上がってきたようだ。最終的にポールポジションを獲得することはできなかったけれど、ダニとの差はほんのわずか。明日は大勢のファンが僕らふたりの大バトルを期待していると思う」
B・スピース選手談(予選8位/1分34秒988/26周)
「今日は運が悪かったよ。第1コーナーでほんのちょっとラインを外れてしまって、ギャップにぶつかってしまったんだ。あのマシンはセッティングがうまくできていたのに、スペアマシンに乗り換えなければならなくなり、そのあとセッティングを変更する時間がなかった。1台目のマシンもまだ完璧ではなく、やり残したことがあったので、決勝が始まるまでにまたいくつかの変更が必要なんだけどね。いい走りをする自信はあるけど、フリープラクティスで天候に恵まれず、このような展開になってしまうと完璧なセットアップはなかなか難しい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「今回もまたホルヘとダニが激しく競り合い、公式予選は非常に熱い戦いになった。しかもこれが初めてのドライ・コンディションだったため、かなり見応えがあった。そして明日の決勝も予選同様、エキサイティングな接近戦になるだろう。マシンのほうも問題はないが、ドライの時間がわずかしかなかったため、まだ完璧とはいかない。明日までにさらに良くなるように、これからまた作業を続けていく」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「天候に恵まれず、3回のセッションをほぼ無駄にしてしまった。そのため2台のマシンを同じセッティングにしておくことができなかった。転倒で良かったほうのマシンがダメージを受けてしまったため、ベンはもう一方のマシンに乗り換えて出て行ったが、セッティングが異なっていてタイムを上げることができなかった。明日はウォームアップ・セッションで改善を試みる。そうすればきっと、決勝では上位グループに加わっていくことができるだろう。ホルヘのほうは懸命にセッティングに取り組み、とてもいい仕事ができた。明日はさらにもう一歩、前進できるだろう」
C・クラッチロー選手談(予選3位/1分34秒001/27周)
「またフロントロウを獲得することができて、とてもうれしいよ。とくに、このような状況のなかでも素晴らしいマシンを作り上げてくれたチームのみんなのためにね。昨日は2セッションとも走ることができず時間を無駄にしてしまったから、前回のブルノが遠い昔に思えてしまったほどだよ。公式予選開始直後は、リアのグリップがうまくいかず苦労した。そのことをホルヘに話したら、彼も同様に、なかなかタイヤが暖まらなくて苦しんでいた。でも路面の状態が回復するにつれてグリップも良くなってきたんだ。
最後にはコースのすべてのセクションでハイペースをキープできるようになった。4つのセクションをすべてベストで回れていれば、ポールポジションを獲得できたはずだけれど。今回は誰もが同様にドライのセッティングを十分に行うことができなかったので、明日は難しいレースになると思う。僕はブルノで初表彰台を獲得したことで自信を高め、その勢いをそのままここに持ってくることができた。昨日と今日の午前中、サーキットに来てくれたのにあまり楽しめなかったであろう多くのファンに、明日こそは素晴らしいショーをお見せしたい」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選7位/1分34秒916/28周)
「結果的に7位なのだから、ここまでの僕らの仕事に満足するわけにはいかないよね。もっと頑張らなければいけなかったんだけれど、まだ3列目にいるし、明日は表彰台を狙っていけると確信している。ドライ・コンディションの時間がとても少なかったため、明日は誰もがほとんど未知の世界に入っていくことになる。セッティングもほとんど賭けみたいなものになるだろうけれど、今日の午後の貴重なデータをしっかり活かし、できる限り強いマシンにしていきたい。明日は晴れてくれますように。そしてスタート直後のタイトなふたつのコーナーでトラブルに巻き込まれないよう注意しなければいけない。そのためにも好スタートを決めて、母国ファンの前でもう一度、表彰台争いに加わっていきたい」