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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.18 11月7日 バレンシア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第18戦バレンシアGP
■開催日:2010年11月7日(日)決勝結果
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット(4.005 km)
■観客数:80,774人
■周回数:30周(120.15km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:27度
■PP:C・スト―ナー(1分31秒799/ドゥカティ)
■FL:D・ペドロサ(1分32秒914/ホンダ)

REPORT

ロレンソ今季9勝目、ロッシ3位、スピース4位

フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが今季9勝目。チームメイトのV・ロッシは3位、モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スピースはロッシに続く4位、C・エドワーズは12位だった。

C・ストーナー(ドゥカティ)の好スタートで開始され、N・ヘイデン(ドゥカティ)、D・ペドロサ(ホンダ)、M・シモンチェリ(ホンダ)らが先頭へ。ロレンソ5番手、ロッシ8番手で1周目を終える。2周目、ロレンソは先行するシモンチェリを抜こうとした時にバランスを崩し9番手まで下がってしまうが、すぐ挽回を開始する。その後、3周目にへイデンが転倒。

先頭グループが固まってきたのは7~8周目頃、ストーナー、ペドロサ、ロッシ、ロレンソの4人が1.2秒の中を走る展開。ロッシとロレンソは10周目に揃ってペドロサをパスして2、3番手に上がり0.7秒先を走るストーナーを追っていく。その2周後の12周目にロレンソとロッシは順位を入れ替えロレンソが2番手となる。一方ペドロサは徐々に後退していく。

後半はストーナー、ロレンソ、ロッシの3人のテール・トゥー・ノーズの接近戦が続くが、ロッシは少しずつ後退。終盤までストーナーの真後ろにつけて様子を見ていたロレンソは、ついに23周目にパスしてトップに浮上、その後リードを拡大しシーズン9勝目を飾った。

ロッシは終盤トップ争いについて行こうとしたが、ツイスティーなコースで走りの支障となってきた肩の痛みがあり、それ以上ペースを上げることができなかった。ロッシはこのまま3位を守り切り、ヤマハでの最後のレースで表彰台を獲得した。クールダウンラップの途中で停まり、マシンにキスをすると、‘ヤマハ&ロッシ’のストーリーが始まった2004年のウェルコム以来の、46回の優勝の思い出を重ねて表現、最愛のYZR-M1に別れを告げた。

予選6番手のスピースは、中盤頃はペドロサ、シモンチェリ、A・ドビツィオーゾ(ホンダ)と4番手争いのグループの一番後ろ(7番手)を走行。後半ペドロサが後退するなか、その後はシモンチェリ、ドビツィオーゾ、スピースの3人の接近戦に。終盤に入ったラスト4周、27周目にスピースは前の2人を続けざまに抜き4番手に上がると、そのままポジションを守りきってゴールした。ランキング同点で並んでいたヘイデンがノーポイントに終わり、ランキングは単独6位でシーズンを終えた。

その一方で、プラクティスと予選の好調をキープすることができなかったエドワーズ。曇り空と気温の低下から、リアに柔らかめのタイヤをチョイスしたが、加速時のグリップ不足に悩まされて後退し、12位でレースを終えた。モンスター・ヤマハ・テック3チームは昨年に続いて、チームランキングではノンファクトリー・チームのトップに輝いた。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha 46'44.622
2 C・スト―ナー Ducati Marlboro Team Ducati +4.576
3 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha +8.998
4 B・スピース Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +17.643
5 A・ドビツィオーゾ Repsol Honda Team Honda +19.160
6 M・シモンチェリ San Carlo Honda Gresini Honda +20.674
7 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda +26.797
8 H・バルベラ Paginas Amarillas Aspar Ducati +29.288
9 A・バウティスタ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki +29.451
10 R・ド・ピュニエ LCR Honda MotoGP Honda +29.860
11 A・エスパルガロ Pramac Racing Team Ducati +31.761
12 C・エドワーズ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +33.604
13 M・メランドリ San Carlo Honda Gresini Honda +36.622
14 青山博一 Interwetten Honda MotoGP Honda +38.968
15 C・チェカ Pramac Racing Team Ducati +56.169

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 J・ロレンソ Yamaha 383
2 D・ペドロサ Honda 245
3 V・ロッシ Yamaha 233
4 C・ストーナー Ducati 225
5 A・ドビツィオーゾ Honda 206
6 B・スピース Yamaha 176
11 C・エドワーズ Yamaha 103

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Yamaha 404
2 Honda 342
3 Ducati 286
4 Suzuki 108

COMMENT

J・ロレンソ選手談(優勝)

「この素晴らしいシーズンに、母国ファンの目の前で、何としてももう1勝したいと思ってこのバレンシアに臨んだ。プラクティスはずっと好調だったけれど、ケイシーはもっと速いように見えた。決勝では好スタートを切ったが、第2コーナーでケイシーをパスしようとする間に3、4台に抜かれてしまい、その後のシモンチェリとのバトルのなかでは危うく転倒しそうになってしまったんだ!でもここで冷静さを失わずに集中力を高め、1ラップごとに少しずつ挽回していった。そして最終的にはケイシーと素晴らしいバトルができたんだ。

この特別なコースで、地元ファンの目の前での優勝は、人生のなかの最高の瞬間。またシリーズポイントでは383ポイントを獲得し、1シーズン中の合計獲得ポイントの記録を更新できたこともとてもうれしい。以前の僕は、転倒の多いクレイジーなライダーだと認識されていたから、今シーズンで身につけた安定性を誇りに思っているよ。ヤマハ、そして僕のために頑張ってくれたすべての人にお礼を言うよ。今日はお祝いをして、火曜日にはもう2011シーズンの準備が始まるんだ。最後に、バレンティーノにグッバイ!そしてグッドラック!来年、彼と戦うのを楽しみにしている」

W・ズィーレンベルグ、チーム監督談

「2010シーズン、ゼッケン99で9回の優勝。少し奇妙な響きだけれど、我々はこの数字にとても満足している。今日はシーズンでも最高のレースだったと思う。ホルヘは一度9位まで順位を下げながら挽回して優勝。バレンティーノがこれまでに何度も見せてきた力強いレース展開と同じだ。そしてこのことによって真のチャンピオンとしての実力を証明したのだ。最高のライダーと最高のマシンに、これ以上何が言えるだろうか!ホルヘは本当によくやった。そしてチームのすべてのスタッフも素晴らしい仕事をしてくれた」

V・ロッシ選手談(3位)

「プラクティスから厳しい状況だったので、3位という結果には満足しているよ。スタートはあまり良くなかったけれども、走り出してみると昨日までよりフィーリングがいいし、ペースもずっと速くなっていることがわかったんだ。一時は優勝も不可能じゃないと考えたけれど、レース終盤はロレンソとストーナーについて行くだけの力が残っていなかった。このコースは体調が万全でないとかなり厳しいところ。マシンをしっかり制動するための十分な力がなくなって、何度かミスをするようになってしまったので、少しペースを落として3位をキープすることに決めたんだ。

表彰台に上ることが、マシンとヤマハ、そして7年間にわたって一緒に頑張ってきたすべての人たちにお礼を言う方法だった。とても素晴らしい経験だったし、心から楽しむことができた。優勝回数46というのも最高にうれしい。もちろんもっと多いほうがいいけれど、今日のレースには満足できると思うんだ。これで5戦連続で表彰台に上り、力強くシーズンを締めくくることができた。ここまで厳しいシーズンだっただけに、このようなかたちで終えられることをうれしく思っているよ。素晴らしい7年間だった。とても特別な雰囲気のなかで、たくさんの勝利と4回の世界タイトルを獲得することができた。レースのあとは、僕とヤマハとのストーリーが始まった7年前のウェルコムと同じようにマシンを停めた。'彼女'にさよならを言うための最良の方法だと思ったからだ。ありがとう、みんな。僕らは素晴らしい思い出を刻んだ」

D・ブリビオ、チーム監督談

「プラクティスから厳しい状況が続いていたが、バレンティーノとともに、いい戦いができたと思っている。チームが懸命に仕事をして、最終的には良いセッティングが見つかった。すべてのライダーが限界ぎりぎりで走っているなかで、バレンティーノの体調が万全でなかったために最後まで全力で戦いきることができなかったことは残念だった。しかし我々は十分に強かった。このことで、最終レースの目標は達成できたと思っている。私を含め、チームの多くのスタッフにとっても、これがヤマハとの最後のレースになった。19年間の関係がここで終了するのだ。ヤマハに、そしてともに戦ってきたすべてのスタッフに感謝。彼らを決して忘れない」

B・スピース選手談(4位)

「自分自身、そしてモンスター・ヤマハ・テック3のスタッフたちの背中をなでたよ。だってランキング6位獲得は、僕ら全員にとって素晴らしい成績だからね。今日のレースもとても良かったと思う。序盤の戦いが落ち着いてくると、ホンダの3台が急激に近づいて来るのが見えたので、まずは彼らを1秒ほど前に置いて観察し、確実に抜いて逃げ切れるという自信がついたところで勝負に出た。コーナー立ち上がりでは彼らのほうが速いところもあったので、抜くならストレートへと続く場所ではなく、コーナーが連続しているところのほうがいいと思ったんだ。そしてアンドレアとマルコをパスしたあとは、ひたすら体を伏せて数周走り差を拡大した。

先週のエストリルは転倒してしまったので、ここで4位を獲得できたことはとても良かったと思う。シーズンが始まったばかりの頃は、5位以内に入れれば、僕にとっては優勝と同じようなものだと話していたけれど、それが今では普通のことになっている。自分で考えていたよりもいいシーズンになったので、チームをはじめ僕のまわりでサポートしてくれたすべての人たちに感謝している。今シーズンはとてもたくさんのことを学ぶことができた。2011年はもっと強くなれると確信しているよ」

C・エドワーズ選手談(12位)

「僕のために懸命に働いてくれたチームのみんなに報いるために、今日はいいレースがしたかったが、自分の希望には遠く及ばなかった。この気持ちは、がっかりしているとか、残念だとかという言葉ではとても言い表せないよ。スタート直後から加速でのグリップが感じられなかった。昨日まではおもにハードタイヤを履いてマシンをセットアップしてきていたのに、今日は気温が少し下がったために柔らかめのタイヤに替えてしまった。これによってコーナー立ち上がりでグリップが十分に得られなくなり、他のライダーについていくことができなくなった。プラクティスのなかではハードタイヤに変更して調子が上がっていたので、それを思うととても残念なんだ。ベンのランキング6位獲得は素晴らしかった。いつもいい走りを見せてくれるし、これからも強くなっていくばかりだ」

H・ポンシャラル、チーム監督談

「ベンは今回も非凡な才能を見せてくれた。それ以上に語るべきことはほとんどないだろう。このようなハイレベルな戦いの場で、序盤での遅れを取り戻すというのは簡単なことではない。しかし彼はよく我慢をして、前方の集団に追いついたときには完全な戦闘態勢に入った。このときの戦いぶりを見るのは非常に楽しかったのだ。ランキング6位獲得は、ルーキーとしては高く評価できるもので、そのことにモンスター・ヤマハ・テック3チームが何らかの役割を果たすことができたとすれば、誇りに思っていいだろう。

2010シーズン、テック3、ヤマハ、モンスターのために貢献してくれたベンにお礼を言いたい。彼の前途には非常に明るい未来が待っていることを信じて疑わないし、彼と我々との関係がこんなに短期間で終わってしまったことを残念に思ってもいる。ベンを我がチームに迎えられたことはとても光栄なことで、彼の働きを決して忘れることはないだろう。コーリンのほうは思い通りのレースをすることができず、きっととてもがっかりしているに違いない。プラクティスはとても好調だっただけに、6位入賞を果たすことができなかったことは残念だ。最後に、今シーズンの最強のタッグとなり、最終戦の今日もそのことを証明したヤマハとホルヘ・ロレンソを祝福する」

中島雅彦MS開発部MotoGPグループリーダー談

「まず最初に7年間共に闘い、このレースを最後にチームを去るバレンティーノとチームスタッフに、我々にたくさんの感動と勇気を残してくれたことを感謝したいと思います。
バレンシアのサーキットはグリップ、ブレーキング、旋回性の要求が高く、難しいコースで2004年以来勝利から遠ざかっており、今回はどうしても勝ちたいとライダーに話していたのですが、ホルヘが見事に約束を果たしてくれました。バレンティーノはフィジカルコンディションが完全では無い中で表彰台を獲得、有終の美を飾ることができ良かったと思います。ベンも足首に痛みを抱えながら4位と健闘し、来年に繋がる結果です。コーリンは昨年に比べると厳しい結果となりましたが、開発に大きな貢献をしてくれました。
今シーズンを振り返ると楽なレースは一つもありませんでしたが、目標であった3年連続3冠を達成することができました。これはライダー、スタッフ、関係各位の努力の賜物です。そして何よりも応援くださったみなさま、また多大なご支援を頂いたスポンサーやテクニカルサプライヤーのみなさま方に心から感謝したいと思います。ありがとうございました」

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