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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.08 7月18日 ドイツ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第8戦ドイツGP
■開催日:2010年7月18日(日)決勝結果
■開催地:ドイツ/ザクセンリンク(3.671km)
■周回数:21周(77.091km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:31度
■PP:J・ロレンソ(1分21秒817/ヤマハ)
■FL:D・ペドロサ(1分21秒882/ホンダ)

REPORT

ロレンソ2位、ロッシ復帰戦で4位!

フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが2位を獲得。怪我から復帰したばかりのV・ロッシも4位と大健闘を見せた。モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スピースは8位、C・エドワーズは転倒リタイアだった。レースは10周目でレッドフラッグが提示されて中断。再スタートで決勝21周が行われD・ペドロサ(ホンダ)が優勝した。

4戦連続のポールポジションからスタートしたロレンソ。スタート直後はペドロサに先行されたが、1周目のうちに抜き返してトップに立ち、その後リードをコンマ数秒に拡大した。一方のロッシはグリッド・ポジションからふたつ下げて7番手となったが、2周目にはH・バルベラ(ドゥカティ)をパス、4周目にはM・シモンチェリ(ホンダ)をパスして5位に復帰。この時点で4位のA・ドビツィオーゾ(ホンダ)との間に1秒以上の差があったが、急速に差を詰めて9周目までに射程距離に捉え、10周目でパスに成功した。ところが後方で3台が絡む事故が発生し、レッドフラッグが提示されて中断。再スタートは9ラップ目終了時点の順位で行われることとなったため、ロッシは5番手。1位から4位まではロレンソ、ペドロサ、ストーナー、ドビツィオーゾの順。

再スタートのレースは13台が出場。スタートは1度目とほぼ同じ展開で、第1コーナーでペドロサがロレンソをパス。しかしロレンソは1周目終了までに抜き返してトップに浮上した。その後の数ラップはロレンソとペドロサがホイール・トゥ・ホイールの激しいバトルを展開。ロレンソはペドロサを突き放したかったが、ペドロサも懸命にくらいついて離れない。そして9周目、とうとうペドロサが仕掛けてロレンソをパス。ここまで3連勝を続けてきたロレンソだったが、今回は抑えきれずに2位となった。それでもこの第8戦まで、1位か2位を獲得し続けている。

一方のロッシ。再スタートでまた少し遅れたが、すぐにN・ヘイデン(ドゥカティ)をパスして5番手に。さらに6周目にはドビジオーゾをとらえて4位に浮上した。3位のストーナーはすでに2秒近く離れていたため追撃は不可能に見えたが、ロッシは今回もまた周囲を驚かせる。上位と同ペースをキープして懸命に追い上げ、ついにはストーナーのテールまで迫ってきた。最後の6ラップはふたりの激しいバトルとなり、何度か順位が入れ替わる大接戦。このときのロッシの走りは、6週間もレースから離れていたとは思えないものだった。残り2周でロッシが前に出たときには、これで決定的かに見えたが、その最終コーナーで抜き返された。これでロッシは4位。ストーナーが3位を獲得した。

シリーズポイントではロレンソが47ポイントをリードしてトップ。ペドロサが2位。ロッシはひとつ上げて6位。次回は1週間後のラグナセカ。チームはこのあと、アメリカはカリフォルニア州へ直行する。

スピースは8位を獲得。グリッド・ポジション13番手スタートの厳しい状況のなかでも懸命の追い上げを見せた。第2レースはスタート直後の第1コーナーで、M・カリオ(ドゥカティ)が目の前で転倒。スピースはこれを避ける間に上位グループから離されてしまった。そして前半7周は10番手を走行していたが、9周目でバルベラとM・メランドリ(ホンダ)をパス。これで8位に浮上した。この時点で前方のヘイデンとの差は5秒以上あったが、あきらめずに追撃を図る。5位争いの集団をラップタイムで1秒以上上回る好走を見せたスピースは、最終的にはヘイデンとの差を2秒以下にまで詰めることができた。 一方、チームメイトのエドワーズは転倒リタイアに終わり、毎レース、ポイント獲得の記録が途切れてしまった。ウイークを通じてセッティング変更に取り組んできたが、納得のいくものが最後まで見つからず苦しんだ結果だ。
スピースとエドワーズはこのあと、来週のラグナセカへ向けて出発する。ふたりにとって非常に重要なホームGPとなるだけに気合が入る。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 28'50.476
2 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha +3.355
3 C・スト―ナー Ducati Marlboro Team Ducati +5.257
4 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha +5.623
5 A・ドビツィオーゾ Repsol Honda Team Honda +17.158
6 M・シモンチェリ San Carlo Honda Gresini Honda +17.757
7 N・ヘイデン Ducati Marlboro Team Ducati +17.935
8 B・スピース Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +20.957
9 H・バルベラ Paginas Amarillas Aspar Ducati +22.000
10 M・メランドリ San Carlo Honda Gresini Honda +35.217
11 L・カピロッシ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki +45.042
12 A・デ・アンジェリス Interwetten Honda MotoGP Honda +45.204

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 J・ロレンソ Yamaha 185
2 D・ペドロサ Honda 138
3 A・ドビツィオーゾ Honda 102
4 C・ストーナー Ducati 83
5 N・ヘイデン Ducati 78
6 V・ロッシ Yamaha 74
8 B・スピース Yamaha 68
12 C・エドワーズ Yamaha 39

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Yamaha 190
2 Honda 162
3 Ducati 113
4 Suzuki 42

COMMENT

J・ロレンソ選手談(2位)

「途中で中断されてしまうと、いつも難しいものなんだ。今日も第2レースはあまりうまくいかなかったよ。ダニは本当に強くて、僕も限界ぎりぎりまで頑張って懸命にトップをキープしようとしたけど無理だった。そして抜かれたあとも、しばらくはついて行こうとしたんだけど、どうしても駄目だった。彼のほうがずっと速かったから、ついて行こうとすればリスクをおかさなければならない。この状況のなかで一番安全な方法は、2位でゴールして20ポイントを獲得することだったんだ。このコースはあまり好きなほうではないので、そこで去年に続いて今年も2位に入れて良かった。次はラグナセカだから、とてもわくわくしているよ!」

W・ズィーレンベルグ、チーム監督談

「"すべてのレースで勝つことはできない"。レースウイークが始まる前に私はそう話していた。そして今日、ホルヘは本当に素晴らしい走りをして2位でチェッカーを受けた。同時に貴重な20ポイントも手に入れた。ただレースがふたつになったのは、残念だったと思っている。彼は終盤がいつも強いので、レースが短縮されてしまうとその優位性を活かすことができなくなってしまうのだ。いずれにしても素晴らしいレースだった。懸命にペドロサについて行こうとしたが、今日はライバルのほうが少し速かったのだ。ここはホルヘにとって最高のコースというわけではない。今回も初日は問題もあって苦労した。そのことを考えれば、今日の2位は最高の結果と言っていいだろう」

V・ロッシ選手談(4位)

「こんな結果は予想していなかったよ!4位か5位くらいは不可能じゃないはずだけど、それはすごく難しいことだと思っていたんだ。そして結果は4位。でもケイシーとすごいバトルができて、もう少しで表彰台というところまで頑張ることができた。その意味で、今日の結果はとても重要だと思う。以前のフィーリングを完全に取り戻すまでには、もう少し時間と距離が必要。でも今日は自分でも納得のいく仕事ができたし、予想以上の走りができたから、とても良かったよ。レース中は肩の痛みはそうでもなかったけれど、脚のほうは切り返しのところでかなりきつかった。そんな中でもケイシーとのバトルは楽しかったんだ。ただ残念ながら、最終コーナーで彼のほうが少し上回っていたというわけ。僕を支えてくれたチームのみんなに感謝。ラグナセカはもっと頑張れると思うよ!」

D・ブリビオ、チーム監督談

「終わってみれば、まったく予想外のレースだった。1週間前は出場できるかどうかさえわからなかったのに、それから1日ごとに我々の目標は変わっていった。今日の目標では、5位以内に入れればまったく文句はなかったのだが、レースが始まってみると非常に強くて、最終的には表彰台まであと少しというところまで近付くことができた。しかも上位陣と同じペースで走ることができたのだから、まったく信じられない。3位争いを見ているときは本当に興奮したよ!バレンティーノはここまで懸命に頑張ってきた。そしてしっかりと仕事を成し遂げたのだ。だからこのあとも、チームとともに次の目標に向かって頑張っていく」

B・スピース選手談(8位)

「8位という結果は、今日の僕の走りをそのまま反映したものとは言えない。つまりもっと上へ行けたはずだということ。昨日の予選で不運に見舞われて、もちろんこれは誰のせいでもないけれども、実際僕は後方から追い上げていかなければならなくなってしまった。メランドリは加速がすごくいいから大変だったが、彼をパスしてからは自分のペースをつかめるようになった。このあたりは自分でもいい走りができたと思っているよ。

ドビツィオーゾ、シモンチェリ、ヘイデンの集団から5秒も離されていたんだけれど、そのあとは1秒ずつ詰めていった。ラップタイムで言えばトップ4に続く5番目だったと思うので、本当なら5位を獲得できたはず。でもランキング8位をキープして、4位との差も大きくない。あとは気持ちを切り替えて次のラグナセカに臨みたい。あのコースが大好きだし、ファンも大勢来てくれるだろう。今度こそきっと、5位以内を獲得したい」

C・エドワーズ選手談(リタイア)

「スタートで少し遅れてしまった。そしてそのあとは、加速で遅れる分をブレーキングで取り戻さなければならないので、必死になってプッシュしていった。それでミスをしてしまった。最終コーナーではらんでしまい、おそらく1メートルくらいラインを外れたと思う。そして戻そうと思ったところでフロントが切れ込んでしまった。このような形で、次のホームレースを迎えたくなかったけれど、逆にそれだけに、気合が高まっているようだ。何としても、これまでの苦しい状況を克服して好成績を狙いたい。僕はラグナセカが大好きで、集まってくれるファンも素晴らしい。だから彼らのためにももっともっと前へ行きたい。かつてそこを走っていたときの僕と同じようにね」

H・ポンシャラル、チーム監督談

「ベンは今回も素晴らしいレースを見せてくれた。初めてのコースを攻略する能力は本物だ。しかし残念ながら、成績は予選のポジションに大きく影響されてしまった。やはり、あれだけ後ろからのスタートでは難しかっただろう。5位争いに加わるだけのペースで走っていただけに悔やまれる。実際に急激に追い上げていたし、いつものように終盤は非常に速かった。彼は来週のラグナセカにこの悔しさをぶつけていくことになるだろう。一方、コーリンの転倒は本当に残念だった。結局、最後まで本来の力を出し切れなかったのだ。ウイークを通じて厳しい状況だったにもかかわらず、決してあきらめずに、スタッフたちとともに頑張ってきたというのに...。怪我がなかったのは幸いだった。彼もベン同様、ラグナセカへの思い入れは非常に強い。モンスター・ヤマハ・テック3チームのみんなが士気を上げている。非常に楽しみだ」

中島雅彦 技術開発部・MotoGPグループリーダー談

「まずはバレンティーノの復帰に対し、関係各位に心から感謝します。ムジェロでの事故以来40日あまり、正直これほど早い復帰は期待していませんでしたが、驚異的な彼の回復力と精神力には驚いています。レースは難しいコースを充分に攻略するに至らず、リアトラクション不足に苦慮、タフなレースとなりましたが、各ライダーは最大限マシンのポテンシャルを引き出してくれたと思います。課題を良く分析して、次戦に備えます。また、テック3の両アメリカンにとって特別なホームグランプリとなりますので、我々も全力でサポートします。タイトなスケジュールですが、前半戦を有終の美で飾りたいと思います」

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