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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.14 10月3日 日本

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第14戦日本GP
■開催日:2010年10月3日(日)決勝結果
■開催地:もてぎ/日本(4.801km)
■周回数:24周(115.224 km)
■観客:40,113人
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:34度
■PP:A・ドビツィオーゾ(1分47秒001/ホンダ)
■FL:V・ロッシ(1分47秒395/ヤマハ)

REPORT

ロッシとロレンソが"グレイト・バトル"を展開し3位4位!

フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソが、日本のファンに素晴らしいショーを披露。表彰台の最後のひとつをめぐって、チームメイト同士が激しいバトルを演じた。最終的にはロッシがわずかに上回り、今季6度目の表彰台を獲得。ロレンソは4位となり、次のマレーシアでチャンピオンを決定するための最初のマッチポイントを握った。

ふたりの戦いは第1コーナーから始まった。ロレンソがロッシのアウトから大胆に回り込み、第2コーナーでは3位に浮上。トップのC・ストーナー(ドゥカティ)と2位のA・ドビツィオーゾ(ホンダ)がすでにリードを広げていたこともあり、ロッシはロレンソを決して逃そうとせず、ぴったりと後ろについてチャンスをうかがっていた。そして何度かトライしたあと、6周目についに逆転。その次の周にはファステストラップも記録して勢いに乗った。

ロッシとロレンソは、しばらくはコンマ2、3秒の差を保ったまま走行を続け、その一方で前方の2台はリードを2秒まで拡大していった。戦いがクライマックスを迎えるころ、ロッシのタイヤが少しずつスライドを始め、ロレンソはそれを見逃さずにパスをしかける。そして18周目にようやく前へ出たが、キープしきれなかった。最後の2周はバトルがさらに激化。ふたりは一度ならず互いにカウルをぶつけあい、何度も順位を入れ替えて、最終的には残り3つのコーナーというところでロッシが抑え切って、そのままチェッカーを受けた。

ロレンソはD・ペドロサ(ホンダ)に69ポイント差を付けてランキングトップをキープ。次のセパンで、チャンピオン獲得の可能性がある。ロッシは5位に後退したが、4位のドビツィオーゾとの差はわずか3ポイント。

モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズとB・スピースは、それぞれ5位と8位。エドワーズは今季最高の成績。予選5位を獲得していたエドワーズは、好スタートを切って5位をキープし、序盤からシモンチェリ(ホンダ)、L・カピロッシ(スズキ)とバトルを展開した。3ラップ目にシモンチェリが5位に上がったが、エドワーズはその豊富な経験を生かして、シモンチェリの後ろについてプレッシャーをかける。そしてペースで勝ることを確信すると、さらに追い続け、18周目になって勝負に出て5位を奪い返した。その後もハイペースをキープしたまま最後まで走り切り、シモンチェリとの差を3秒まで拡大してチェッカーを受けた。5位は2009年の最終戦、バレンシア以来。

一方、6戦連続の2列目スタートとなったスピース。ところが2周目の第5コーナーのブレーキングでミスをおかし、コースアウトを喫してしまう。これで8秒遅れ、15位まで後退したが、このあとに目覚ましい追い上げを見せてポジションを挽回した。見事なライディング・スキルで次々にパス。終盤には上位グループと同等のラップタイムを記録し、12周目に10位。さらにふたつ上げて8位でゴールした。MotoGPパドックはこの後、直接マレーシアへ移動。第15戦は1週間後にセパン・サーキットで開催される。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C・スト―ナー Ducati Marlboro Team Ducati 43'12.266
2 A・ドビツィオーゾ Repsol Honda Team Honda +3.868
3 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha +5.707
4 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha +6.221
5 C・エドワーズ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +27.092
6 M・シモンチェリ San Carlo Honda Gresini Honda +30.021
7 A・バウティスタ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki +31.826
8 B・スピース Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +35.572
9 R・ド・ピュニエ LCR Honda MotoGP Honda +47.564
10 青山博一 Interwetten Honda MotoGP Honda +49.598
11 M・メランドリ San Carlo Honda Gresini Honda +49.999
12 N・ヘイデン Ducati Marlboro Team Ducati +50.703
13 H・バルベラ Paginas Amarillas Aspar Ducati +51.422
14 A・エスパルガロ Pramac Racing Team Ducati +52.843
15 M・カリオ Pramac Racing Team Ducati +1'14.668

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 J・ロレンソ Yamaha 297
2 D・ペドロサ Honda 228
3 C・ストーナー Ducati 180
4 A・ドビツィオーゾ Honda 159
5 V・ロッシ Yamaha 156
6 B・スピース Yamaha 139
10 C・エドワーズ Yamaha 81

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Yamaha 309
2 Honda 285
3 Ducati 220
4 Suzuki 81

COMMENT

V・ロッシ選手談(3位)

「最高のレースだったよ!もちろん、優勝争いができたらもっとよかったんだけれど、今日のバトルはとても見応えあるものだったと思うから満足なんだ。ホルヘは本当に強かったし、最後まで決してあきらめようとしなかった。彼の大健闘を祝福したい。残念だったのはスタートでちょっと遅れてしまったこと。ホルヘに抜かれて、その間にストーナ-とドビツィオーゾに逃げられてしまった。そしてホルヘを抜き返して3位に上がったときには、すでに差が大きくなり過ぎていたんだ。終盤は僕も疲れてしまったし、タイヤもスライドが大きくなった。いつも気に入って使っているものよりも柔ら目だったので、きっとこのようなになると思っていた。

それでも今日は、どうしても表彰台が欲しかったんだ。ホルヘがまた追いついてきて、すごいバトルになった。これこそ本当のレースという感じ。たぶん、見ていた全員が楽しんでくれたと思うよ!ウイークが始まる前は厳しい戦いを予想していただけに、うれしい結果になった。実際にはすべてのセッションで好調な走りができたからね。肩ももう大丈夫だから、次のマレーシアも同じように活躍できるよう頑張るよ」

D・ブリビオ、チーム監督

「表彰台獲得が目標だったから、いい週末となった。バレンティーノは金曜日から順調だったし、チームはいい仕事をしてくれたと思う。今朝のウォームアップ後にタイヤの選択を変更しなければならず、そのため微調整が必要となったが、ファスティストラップを出すなどバレンティーノはレース全体を通していいペースで走ってくれた。それにしても終盤、スリリングないい戦いができたと思う。強豪の2ライダーが接戦を繰り広げることで、レースを盛り上げることができたし、ホルヘが最後まであきらめなかったからバレンティーノも奮起したしね。こんなレースをもっと見たいね」

J・ロレンソ選手談(4位)

「すごいバトルだった!バレンティーノと僕、まるで殺し屋の本能をもったふたりの勇者の戦いだよ!ふたりとも限界ぎりぎりの状態だったけれど、彼が完全にフェアだったかと言えば、そうばかりも言えないところもある。動きが大きすぎるとことが何度かあったし、僕にぶつかってきたり押し出したりしたからね。僕らはチームメイトで、僕はチャンピオンをかけて戦っている。でも同時に、ふたりで協力してチームと、マニュファクチャラーのタイトルを目指しているんだ。このことを忘れてはいけないと思うよ。表彰台に上れなかったことは、もちろん悔しい。ヤマハの本拠地で、どうしても欲しい表彰台だったからね。でもこれがレースというものなんだ。

今日はリスクを避けてニューエンジンではなく、以前のものを使用した。走りだしてみるとフロントのフィーリングがあまり良くなかったので、そのようなことも含めて、今日は僕にとってパーフェクトな1日ではなかったのだろう。でも、とにかくポイントを獲ることができた。そして僕らの夢がもう目前に迫っているんだ。次のセパンで実現できることを期待しているよ」

W・ズィーレンベルグ、チーム監督談

「もう少しポイントを稼ぎたかったというのが本音。今回は完璧なレース内容ではなかった。Moto2の後にコースコンディションが変わって、ちょっと苦戦した。特に1コーナーでのハードブレーキングがね。でも我々の目標は無理せずにポイントを獲得することだから満足している。もちろんレース終盤はエキサイティングだった。チャンピオンシップがかかっている状況であってもホルヘはそう簡単に表彰台を逃したくないからね。世界トップの2人のライダーが繰り広げた、すばらしいバトルだった。しかもそれがチームメイト同士だっていうんだから! バレンティーノは何度もホルヘに接触してきて、チャンピオンがかかっているこんな時にちょっとやり過ぎかな。いずれにせよフロントエンドの問題と新しいエンジンで走行しなかったことを考えれば今回のポイント獲得はまずまずの結果。もう次戦のセパンに集中する。そこでチャンピオン獲得を決めたいね」

C・エドワーズ選手談(5位)

「トップ6に入ったのは開幕以来、初めてだから、今日のこの結果には大満足だよ!モンスター・ヤマハ・テック3チームと僕とで、ずっと頑張ってきたことが、ここでようやく実を結んだのだと思う。しかも、ヤマハとテック3チームにとって非常に重要な日本の地で、それを実現できたのだから余計にうれしい。ウイーク中ずっと好調で、予選ではポールからわずかコンマ4秒差。ただ決勝ではウイナーから27秒も離されてしまったので、それはちょっと残念に思っている。力をすべて出し切って精一杯頑張ったし、マシンに乗っている感じもとても良かった。つまりマシンのセッティングがかなりしっかりと仕上がってきているということなんだ。

でも、依然としてトップ争いには届かない。現実的にはノン・ファクトリー・ライダーのトップになることが目標になるね。最初の数周は、リアタイヤの左側のフィーリングが不十分だったのでちょっと苦労してしまった。でもそのあとは自信もついて、シモンチェリに抜かれても気分よく走り続け、後ろについて勉強させてもらったよ。どこで自分のほうが速く、また同時にカピロッシにパスの隙を与えずに済むかをね。シモンチェリと比べると、僕のほうがリアタイヤのグリップがいくらか長く持ったようなので、抜き返すことができた。それからは、ひたすら身体を伏せて引き離すことだけを考えたんだ」

B・スピース選手談(8位)

「今回はマシンに100%満足できたわけではなかったし、レースの序盤でコースアウトもしてしまった。こうしたことを考え合わせれば、8位でゴールできたことは十分にハッピーなこと。何しろ、一時は15位まで落ちてしまったんだからね。決勝前にフロントのジオメトリーを変更、さらには今回は、まだ一度も試していなかったリアショックを使った。とても大きな賭けだったけれど、それが見事に当たったんだ。フロントはコーナーで扱いやすく、そしてトラクションが明らかに良くなっていた。そのおかげで、とても乗りやすくなり、自信を持つこともできたんだ。

第5コーナーの進入ではロリスのほうが前にいたと思うけれど、彼がものすごく早くブレーキをかけたもんだから、僕は彼を避けようと大回りした。それで縁石に乗り、ついにコースアウトしてしまった。ウォームアップのときには、どうやってライバルたちと闘えばいいのかわからないくらいだったんだけれど、走ってみたら何台かパスすることができたし、最後まであきらめなかった。とにかくベストを尽くしたんだ。結果は最高のものではなかったけれど、いいレースだったと思う。追い上げている最中には、何度か速いラップもあった。もしもミスがなかったなら、トップ5を走れていたペースだ」

H・ポンシャラル、チーム監督談

「今日のレースには非常に満足だ。ヤマハの本拠地で、コーリンもベンも、それぞれの最大限の力を出しきって戦ってくれた。我々はヤマハのためにいいレースをしようと心に誓っていたが、今日のふたりの戦いぶりは、十分にそれに応えるもの。ヤマハのすべての人々、そして日本のファンのみなさんが、ふたりの走りを楽しんでくれたものと確信している。コーリンは昨シーズン見せてくれたような素晴らしいパフォーマンスがようやく戻り、今季ベストを大きく更新。彼はモンスター・ヤマハ・テック3のクルーと協力して、ここまで本当によく頑張ってきた。その努力が今日、こうして報われたのだ。シモンチェリとのバトルは見事だったが、コーリンは豊富な経験を生かして楽に勝つことができたようだ。

一方ベンは、序盤でコースアウトをしてしまったのが不運だった。本来のポテンシャルなら8位よりももっと上へ行けたはずだからだ。彼は素晴らしいファイティング・スピリットの持ち主で、今日も決してあきらめようとはしなかった。終盤のラップタイムならば、トップ5も可能だったのだ。結果はこのようなことになったが、走りのなかで彼の固い決意を見ることができた。冬季のテストではセパンでとても好調だったので、来週のマレーシアGPではまた上位に戻ってきてくれると期待している」

中島雅彦MS開発部MotoGPグループリーダー談

「予選段階からタイヤ性能をうまく引き出すセッティング調整には苦労しました。レース結果は我々にとって満足できるものではありませんでしたが、限られた時間、状況の中でチームとしてはやるべき事は出来ました。終盤のバレンティーノとホルヘの激しい攻防には肝を冷やしましたが、ライダーとして死力を尽くした結果だと思います。コーリンは今季ベストリザルトで調子が上がってきており、ベンは残念ながら序盤のコースアウトが響きましたが、最後まであきらめる事無くポジションを挽回してくれました。厳しい3連戦が続きますが、まずは無難に終えることが大事であることを肝に銘じ、今回得たものを次に繋げて行きたいと思います」

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