ロードレース世界選手権 MotoGP（モトGP）

RACE DATA

■大会名称：MotoGP第14戦日本GP
■開催日：2010年10月2日（土）予選結果
■開催地：もてぎ／日本（4.801km）
■コースコンディション：ドライ
■気温：24度　■路面温度：41度
■PP：A・ドビツィオーゾ（1分47秒001／ホンダ）

REPORT

ロッシ好調、グリッド6位以内に4台のヤマハ

フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシが素晴らしい走りを披露し、シーズン中盤の負傷以来、初めてフロントロウに復帰した。チームメイトのJ・ロレンソも同様に安定した速さを見せていたが、わずかに届かず4位。今シーズン初めてフロントロウを逃すこととなった。

ディフェンディング・チャンピオンのロッシは、1日目のフリー走行でもトップタイムを記録し、今回は非常に好調。今日の午前中のセッションを3位で終了したあと、フロントロウ獲得を期して臨んだ公式予選でも、ニューエンジンのアドバンテージを最大限に引き出して順調に周回。ほとんどの時間帯で4位以内をキープし、最後のタイムアタックを迎えたときには依然として4位に留まっていたが、最終ラップで一気にタイムを更新し、ふたつ順位を上げて2位を獲得した。ポールシッターのA・ドビツィオーゾとの差はわずか0.054秒。

一方のロレンソは、公式予選で初めてニューエンジンを使用。その効果はすぐに現れ、セッション序盤はライバルたちにコンマ2、3秒の差をつけていた。しかしその後、ドビツィオーゾ、C・ストーナーが上回って、ロレンソは3位に後退。終盤にはロレンソも何度かタイムを更新したが、再び浮上することはできなかった。そしてロッシが最終ラップで前に出たため、ロレンソは4位となった。ヤマハとの契約更新を行ったロレンソは、2列目からのスタートとなる。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとB・スピースは、それぞれ5位、6位と健闘。エドワーズにとっては、今季自己ベストタイ。スピースは6戦連続のセカンドロウ獲得となった。エドワーズは昨日に引き続き、荷重配分を変更したセッティングを採用。今日はそれにさらに調整を加えながら、公式予選の前半まで2位のタイムをキープした。終盤になって一時、6位以下に後退したが、最終ラップに１分47秒464を記録して5位を獲得した。明日の決勝では、今シーズン初めての6位以内を目指す。

一方のスピースは、1分47秒648で6位。エドワーズにあと0. 184秒と迫る大健闘を見せた。予選中には電子制御システム系の問題もあり実力を出し切れなかったにもかかわらず、順調にペースを上げていった。エドワーズとスピースの活躍により、6位以内に4台のヤマハ勢が並ぶことになった。明日も、ヤマハのホームレースで重要な役割を担うべく決意を固めている。

COMMENT

V・ロッシ選手談（予選 2位/1分47秒055/27周）

「久しぶりにフロントロウに戻ってくることができて、とっても気分がいいよ！何しろ、最後はムジェロのクラッシュの前のルマンだったんだからね。今回はすべての部分が改善されたという感じ。まず、セッティング面で大きく一歩前進。それからヤマハから与えられたニューエンジンのおかげでストレートが速くなった。さらにはタイヤも、アラゴンで使ったものよりいくらか硬めになっていて、それが僕にとても合っているようなんだ。

昨日も話したとおり、このコースは肩への負担が大きいだろうと心配していたんだけれど、実際にはとても調子が良くて、まっすぐの状態でブレーキをかければ痛みはそれほどひどくない。このことがとてもうれしいよ。このフロントロウ獲得は、明日の決勝でとても重要な意味を持つことになるだろう。今はただ、好天を願っているよ。どんなレースになるのか楽しみだ」

D・ブリビオ、チーム監督談

「フロントロウに復帰することができて良かった。昨日に続いて今日も好調。ここまでの3セッションがすべてうまくいったことで、チーム内はとてもハッピーな雰囲気に包まれている。ポールポジションとの差はほんのわずかだし、すべてが順調に運んでいるので、明日はきっとチャンスがあると信じている。ただ、天候は気になるところ。雨が少し降るかもしれないので、気温を含めてコンディションを判断してから、タイヤを決定することになるだろう。でも我々は、とにかく決勝を楽しみにしている」

J・ロレンソ選手談（予選4位/1分47秒206/27周）

「思っていたような結果が得られずちょっと残念。今朝、ヤマハとの2年契約にサインしたばかりなので、その本拠地、日本で、どうしてもフロントロウに並びたいと思っていたんだ。でも、これはまだ予選に過ぎない。一番大切なのは、もちろん決勝のほうだよね。決勝用のマシンでもペースは良くて、あとは少々の課題がひとつ、ふたつ残っているだけ。

今日は初めてニューエンジンを試して、高いギアでのフィーリングがとても良かったんだ。2列目に並ぶのは今シーズン初めてだけど、1列目との差は大きくないし、絶好のスタートを切れるよう頑張るよ。天気予報によれば、あまり良くない可能性もあるみたいだから、ウエットの準備もしておかないと。でももちろん、そうならないことを望むよ！」

W・ズィーレンベルグ、チーム監督談

「初めてフロントロウを逃してしまったが、セッション自体は非常に順調だった。ただ、すべてをひとつに合わせて完璧な1ラップを作り出すことができなかっただけ。依然として4位につけており、ホルヘのリズムはとても安定して速いので、フロントロウを逃したからと言って大騒ぎすることもない。ニューエンジンを初めて試して、フィーリングは良さそうだった。何箇所かもう少し調整が必要だが、以前よりさらに一歩、前進できたことは間違いない」

C・エドワーズ選手談(予選5位/1分47秒464/26周)

「セカンドロウ、第5位という結果にとても満足！ムジェロ以来のベスト・ポジションだからね。でも午前中のセッションが終了した時点では、こんなに上がってこられるとは思っていなかったんだ。昨日はソフト・コンパウンドのタイヤを履いて、十分なグリップが感じられなかったので、その後は一度も使わなかった。それだけに今日の公式予選も厳しいものになるだろうと覚悟していたんだけれど、昨日に引き続きフロントよりの荷重を採用し、それからタイムアタックのためにソフトタイヤを履いてみたら、これがまるで別のマシンみたいに良くなっていたんだ。僕の思ったとおりにすべてが応えてくれるので、自信を持ってコーナーに飛び込んでいくことができたよ。

ラップタイムを上げるのは難しいけれど、自分で思っていたよりは楽だったみたい。マシンに対してここまでのフィーリングを持つことができたのは、おそらく今シーズンで初めてだろうね。今はマシンのフルポテンシャルを引き出すことができる。今度こそ、今季初の6位以内獲得を目指すことができるそうだ。もちろん厳しい戦いであることに変わりはないけれど、準備は整った。モンスター・ヤマハ・テック3チームとヤマハのためにも、好成績獲得を狙っていく。ヤマハにとって重要なレースなので、バレンティーノやホルヘとともに、ベンと僕も素晴らしいショーを演じたい」

B・スピース選手談(予選6位/1分47秒648/27周）

「今回もまた2列目を獲得することができてハッピー！セッション序盤は電子制御系の問題が出てしまって、どうなることかと思ったからね。シャシーのセッティングは悪くないんだけれど、いくつかの問題があって乗りにくいマシンになってしまっていたんだ。これさえなければ、もっとずっと走りやすいはずなので、この状態で6位に入れたのは良かったよ。マシンの状態を考えれば、ポールポジションからコンマ5秒差というのは大きな驚き。僕自身もここまで近づけるとは思っていなかったくらいだからね。

モンスター・ヤマハ・テック3チームが問題解決のために、とても頑張ってくれたんだけど、やっぱりこのことがコース攻略の妨げにはなってしまったかもしれない。でも、僕としてはこの状況を受け入れて頑張っていかなければいけないし、決勝はきっとうまく走れる自信があるんだ。完璧な日ばかりじゃない。それに誰のせいでもないんだ。僕の後ろには、100万回もこのコースを走っているライダーたちもいるわけで、そのことを思えば十分にいい結果だった。あとは明日の天候を気にするだけ」