ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.18 11月10日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第18戦バレンシアGP
■開催日:2013年11月9日(土)予選結果
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット(4.005km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:26度
■PP:M・マルケス(1分30秒237/ホンダ)
REPORT
J・ロレンソ & YZR-M1が予選2位フロントロウ
予選ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが予選2位を獲得。今シーズン最後の予選にいつも通りのスタイルで臨んだロレンソ。セッション開始と同時に真っ先にコースに飛び出し、そのまますぐにペースをつかんで好調な走りを見せた。そして最初のアタックで1分30秒645を記録。これで現行のラップレコードを上回り、トップに立った。しかしマシンに不具合が見つかりすぐさまピットイン。セッションの残り6分でコースに復帰したが、問題が解決されていなかったため再びピットに戻りスペアマシンに交換することとなった。残り時間はわずかとなっておりセッティングも完璧ではなかったが、タイムを更新して1分30秒577とし、2位を獲得。フロントロウからのスタートを勝ち取った。
一方、チームメイトのV・ロッシはスタートで集団を先行させ、コースがクリアになってから走行開始。最初のタイムアタックで1分32秒295を記録し、その後タイヤを履き換えて再度、更新を目指した。そしてセッション終盤、ペースをつかんだロッシは1分31秒台の壁を破り1分30秒920をマーク。これで一時は3位に上がったが、D・ペドロサ(ホンダ)がさらに上回ったためロッシは4位に後退した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスは、それぞれ5位と6位を獲得する大健闘。
クラッチローはセッション前半まで3位以内をキープ。その後、順位を下げたものの、1分31秒113のファステスト・タイムで5位。トップ3との差はコンマ4秒だった。一方のスミスは1分31秒201で一時、3位に浮上。セッション終盤までフロントロウ獲得の可能性を残していたが、最後のタイムアタックでライバルたちが上回り、6位に後退した。クラッチローとの差はわずか0.088秒だった。セカンドロウからのスタートは今季3度目。明日はシリーズ・ランキング10位獲得を目指して戦いに挑む。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.237 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'30.577 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.663 |
4 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'30.920 |
5 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.113 |
6 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.201 |
7 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'31.594 |
8 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'31.638 |
9 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'31.718 |
10 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'31.870 |
11 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'31.963 |
12 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'33.116 |
13 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'32.773 |
14 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'32.807 |
15 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'32.961 |
16 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'32.966 |
17 | M・ピロ | Ignite Pramac Racing Team | Ducati | 1'32.966 |
18 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'33.203 |
19 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'33.328 |
20 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'33.869 |
21 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'34.018 |
22 | L・スカッサ | Cardion AB Motoracing | ART | 1'34.113 |
23 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'34.805 |
24 | D・カドリン | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'34.903 |
25 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'34.993 |
26 | M・バウアー | Remus Racing Team | S&B Suter | 1'35.277 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分30秒577/7周)
「ひとつが予選。もうひとつが決勝。今日はポールポジションを目指してベストを尽くしたが、2回目のタイムアタック中に1台目のマシンに不具合が出てしまった。スペアマシンに交換したものの、エンジンが旧型のもので特性も違うため、同じ感覚で走ることができなかったんだ。決勝では、スタートがうまくいけばマルケスを抜くことができると思う。展開を見守り、しっかり対処していきたい」
V・ロッシ選手談(予選4位/1分30秒920/9周)
「フロントロウを目指したかったんだけれど、最後に逆転されてしまったのはとても悔しい。でも4位からのスタートは決して悪くないよ。ラップタイムも上々で1分31秒台の壁を破ることができたことには満足している。これからさらに作業を続け、決勝で上位について行くためのタイヤ・チョイスを決定しなければならない。ソフト・コンパウンドのタイヤのほうが速く走ることができたが、30ラップを走り切ることができるかどうかという不安もある。ハード・コンパウンドのほうが安全だけれど、速さも必要だ…」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「いつもながら非常に熱い予選セッションになった。そのなかで今回もまたフロントロウを獲得できたことは素晴らしいと思う。タイム的にはもう少し速く走れるはずだったが、マシンに技術的不具合が出てしまったため思い通りにはいかなかった。これについては、これから調査、分析を行う。重要なのはペースだと思っており、フリープラクティスでのホルヘのハイペースは非常に印象的だった。明日もあのような走りができれば優勝を目指せるだろう」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ここまでは良い仕事ができたと思う。スピードも安定性もあり、決勝のための準備は整った。楽な戦いでないことは、よくわかっており、チームのすべてのスタッフに大きなプレッシャーがかかっている。しかしここまでの自分たちの仕事に自信を持っているし、その結果としてふたりがフロントロウに並ぶことができたことに大きな意味があると思う。明日の朝、ウォームアップ・セッションで最後の調整を行い、決勝用のタイヤを決める予定。シーズン最後のレースを楽しみにしている!」
C・クラッチロー選手談(予選5位/1分31秒113/9周)
「最高にうれしい結果というわけにはいかなかったが、決勝に希望をつなぐ、まずまずの走りができたと思う。でもマシンのフィーリングがまだ完璧ではないので、明日のウォームアップ・セッションでいくつかの大幅な変更が必要になりそうだ。ブラッドリーが今日も素晴らしい走りをしていたので、何とか彼の前のポジションをキープすることができて良かった。日本GPと同じように、また彼と好バトルを展開してみたい。モンスター・ヤマハ・テック3チームでのレースは明日で最後になってしまうなんて、なんだか信じられないような気持ち。でも表彰台を目指してベストを尽くすよ。それが、チームを去り、新しい冒険を始めるための最良の方法になるはずだから」
B・スミス選手談(予選6位/1分31秒201/9周)
「正直、今日はあまりうまく走ることができなかった。マシンの状態を改善しようと、いろいろなものを試したけれど、ほとんど成果が見られなかったんだ。だから午後からの予選では、今日のセッティングと、昨日までの好調だったセッティングをミックスすることにした。ソフト・コンパウンドのリアタイヤを装着すると、一気にフィーリングが良くなり、ラップタイムも急上昇。セッション終盤になってもまだ3位につけていたときには、予選のベスト・ポジションを獲得できるかもしれないと思って期待したよ。最終的には6位になってしまって今までのベスト・ポジションに並んだわけだけれど、自分の走りには十分に満足している。ハード・タイヤでは難しいスタートになるだろうけど、いつものように好ダッシュを決めたい。トップに少しでも近づくために、僕が持っているすべての力を注ぎ、今まで以上に力強く走りたい。自信はあるよ」