ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.18 11月10日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第18戦バレンシアGP
■開催日:2013年11月8日(金)初日
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット(4.005km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:25度
REPORT
初日、J・ロレンソが総合3位
シーズン最終戦がバレンシア・サーキットでスタート。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソは、フリープラクティスで好調をアピールして第1セッションで2位。トップのM・マルケスに0.018秒差と迫った。第2セッションでもストレートのスピードを生かして開始早々からトップに浮上。ライバルのマルケスとD・ペドロサがペースを上げてくると、ロレンソは一度ピットに戻ってセッティング変更を行い、再スタート後はペドロサに続く2位についた。最後の10分間ではスペイン人ライダー3人の競争が激しくなり、ロレンソは最終的に1分31秒378のベストタイムで3番手。トップとの差は0.158秒だった。
ロレンソのチームメイトのV・ロッシは、第1セッションで6位。トップから0.68秒離された。第2セッションでは序盤でロレンソに続く2位につけ、その後、3位に後退。終盤になって各ライダーのタイムアタックが激しくなるなか、ロッシは1分31秒639まで上げて5位。トップとの差を0.419秒まで短縮した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローは、第1セッションで1分32秒434を記録して7位。第2セッションは風が強まりコンディションが悪化したにもかかわらず、1秒近く短縮する1分31秒503で4位まで順位を上げた。3位との差は0.124秒、トップからは0.282秒で、今回もまたサテライト勢のトップに立っている。最終ラップの第11コーナーで転倒があったが、幸い怪我はなかった。
チームメイトのB・スミスも絶好調。第1セッションではロッシやクラッチローを凌ぐペースで1分32秒086を記録し、4位につけた。第2セッションではタイヤの両コンパウンドを試しながら、さらにタイムを更新したが、総合順位は8位に留まった。トップ6まで0.5秒差。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.220 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.286 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'31.378 |
4 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.502 |
5 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'31.639 |
6 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'31.858 |
7 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'31.873 |
8 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.984 |
9 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'32.363 |
10 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'32.395 |
11 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'32.596 |
12 | M・ピロ | Ignite Pramac Racing Team | Ducati | 1'32.756 |
13 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'32.809 |
14 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'33.172 |
15 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'33.252 |
16 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'33.270 |
17 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'33.304 |
18 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'33.487 |
19 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'33.727 |
20 | L・スカッサ | Cardion AB Motoracing | ART | 1'34.049 |
21 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'34.077 |
22 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'34.132 |
23 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'35.478 |
24 | D・カドリン | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'35.644 |
25 | M・バウアー | Remus Racing Team | S&B Suter | 1'35.832 |
26 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'36.353 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日総合1番手/1分31秒378/27周)
「午後は非常に風が強かったので、午前中と同様のペースで走るのは難しかった。そのなかでもわずかにタイムを更新できたのは良かったと思う。電子制御システムやサスペンションを調整し、トップとの差を詰めることができた。明日への準備が整った」
V・ロッシ選手談(初日総合5番手/1分31秒639/27周)
「今日は決して悪くはなかったよ。とくに午後のセッションは順調だったので満足している。みんなのレベルがとても高くて、上位の7、8人は大混戦。そのなかでも午後のセッションはトップとの差を0.4秒に短縮できたし、ペースも良かったんだ。マシンの調子も良く、とくにコースの中盤はハイペースで走ることができる。第1コーナーと第4コーナーで少し遅れてしまうので、このあたりが明日以降の課題になるだろう。最終戦で好成績を残すため、トップ3に少しでも近づきたい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「ウイーク初日が終了。上位は大変な接近戦だ。週末はどうやら好天に恵まれ、ここ何年かの最終戦とは違うコンディションになりそうだ。ラップタイムはすでに、かなり上がってきているが、明日は路面の良さとグリップの良さを生かしてラップレコードを更新できるかもしれない。明日も激しい戦いになるだろう。ここまでの仕上がりには満足しているが、当然ながら、明日はさらに向上を目指さなければならない」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「トップに立つことはできなかったが、今日の仕事ぶりには満足している。ウイーク初日として非常に多くのデータを収集することができたので、ライダーたちも非常にハッピーだ。明日もこの調子で作業を続け、足りなかったところを補い伸ばしていきたい。タイヤについてもハード、ソフト両方のコンパウンドを試すことができたので、明日はこれを生かしてさらにステップアップできるだろう」
C・クラッチロー選手談(初日総合4番手/1分31秒502/42周)
「ウイーク初日の出来には満足している。第2セッションで大幅に前進できたのが良かったと思う。ただセッション終了間際に転倒してしまったのは残念。マシンに違和感はまったくなかったのに、コーナリングを少しでも良くしようとトライするなかでフロントが流れてしまった。コーナリング・スピードを上げたいと思っていたんだけれど、限界が見つかってしまったというわけだ。それでも全体的にはとても良かったと思っているよ。スペイン人トリオに迫る4位を獲得できたことは、明日以降に向けて大きな自信になっている。チームのメカニックたちが、今日も素晴らしい仕事をしてくれたおかげ。今回で最後になると思うと辛い気持ちになるが、だからこそ余計に、この最終戦を悔いなく戦おうと決意を固めている。チームとともに、上を目指したい」
B・スミス選手談(初日総合8番手/1分31秒985/45周)
「走り始めてすぐ、マシンに好感触を持つことができた。そして第1セッションで4位を獲得。セッション終盤でタイムアタックのために新品タイヤを履いたので、その分、良い結果が出たのだと思う。そして第2セッションでは、決勝に向けてソフト、ハード両コンパウンドのタイヤを試しながら、さらにタイムを短縮することができた。ハード・タイヤでのセッティングはもう少し煮詰める必要がありそうなので、明日の走行のなかでできるだけ多くのデータを収集し、決勝用のタイヤを決定したい。初日としては非常に好調。トップにも近づいてきているので、明日以降が楽しみだ」