ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月20日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦オーストラリアGP
■開催日:2013年10月18日(金)初日総合結果
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(4.448 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:34度
REPORT
J・ロレンソが初日総合トップ
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが好スタート。フリープラクティスの初日にトップタイムをマークした。ロレンソは午前中に行われた第1セッションから好調をアピール。中盤で一時M・マルケスに先行される場面もあったものの、新しく舗装し直されて大幅にグリップが向上した路面を利用し、昨年までのレース・レコードを1秒近く更新した。第2セッションではさらにペースを上げ、唯一1分28秒台に入れる1分28秒961のタイムでトップを獲得。2008年にC・ストーナーが記録したポール・レコードにコンマ3秒と迫った。
チームメイトのV・ロッシも順調な滑り出し。第2セッションでは、第1セッションの自らの記録をコンマ5秒も短縮して総合5位を獲得した。トップのロレンソから0.576秒、4位のD・ペドロサからはわずか0.059秒の差。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスは、それぞれ6位と7位を獲得。今回でモトGP、50レース目を迎えるクラッチロー。バス・ストレートの強風をものともせず、2008年にN・ヘイデンが記録したラップレコード、1分30秒059を上回る1分29秒667をマークした。
一方のスミスは、超高速のフィリップ・アイランドをモトGPマシンで初走行。第1セッションから早くもペースをつかみ、クラッチローから0.231秒遅れの1分30秒361。第2セッションでは1分30秒165に更新して総合7位となった。
この日に更新された記録はラップレコードだけではなく、トップスピードでは、A・バウティスタ(ホンダ)がメイン・ストレートで343.9km/hに達した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'28.961 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'29.255 |
3 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'29.438 |
4 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'29.478 |
5 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'29.537 |
6 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'29.667 |
7 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'30.165 |
8 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'30.215 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'30.609 |
10 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'30.754 |
11 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'30.792 |
12 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'30.917 |
13 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'31.091 |
14 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'31.134 |
15 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'31.286 |
16 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'31.434 |
17 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'31.451 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'31.803 |
19 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'32.066 |
20 | L・スカッサ | Cardion AB Motoracing | ART | 1'32.261 |
21 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'32.290 |
22 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'32.943 |
23 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'33.165 |
24 | D・カドリン | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'34.969 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日総合1番手/1分28秒961/32周)
「今回はマレーシアに比べて格段に競争が激しいようだ。強風も悩みの種で、あるコーナーではフロントの浮き上がりを抑えきれないほど。明日までに少しでもこの問題を改善しないとね…。全体的に見れば、作業は一歩一歩着実に進められ、そのおかげでマシンの状態が上向いてペースも上がって来ている。タイヤのフィーリングも安定しているので、フロントの課題も改善されるだろう。舗装がとても良くなっていて、路面のうねりも少なくなったので、自信を持ってプッシュしていくことができる。第6コーナーの出口に小さなギャップがあるが、それ以外は非常にいい状態」
V・ロッシ選手談(初日総合5番手/1分29秒537/43周)
「今日の走りには満足。とくに午後のセッションではマシン・セッティングを大幅に改善することができた。ペースがとても良く、速いだけでなく非常に安定している。古いタイヤでも1分29秒台をキープすることができたのは良かったと思うよ。でも、いくつかの部分では課題も残ってしまったんだ。第4コーナーでもう少しペースを上げること、そして最終コーナーの立ち上がりをもう少しうまくできるようにしたい。また、タイヤのエッジも気になっている部分で、とくに左側は大きな負荷がかかっているんだ。このコースは、今日のような好天の日には本当に素晴らしい。新しい路面もすごくいいよ。グリップが向上し、路面の凹凸も少なくなって走りやすくなったため、今回は大勢のタイムが接近していて、ライバルたちもかなり速い。だから僕らはもっと速くならないとね!戦いの状況は何も変わっていないんだから」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「強風に悩まされたが、それを除けば非常に順調な一日。路面は以前に比べ格段に良くなっていて、多くのライダーがそのグリップ性を評価している。ホルヘは非常に安定しており、セッティングも上々。初日でトップに立つことができたが、明日は全体にもっとペースが上がってくると思うので、状況を見守りながらさらなる可能性を探りたい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「順調なスタート。多くのデータを収集することもできた。マシンは2台とも絶好調で、前の2レースに比べてかなり素早く改良を進めることができた。やはり、このコースがヤマハのマシンに合っているのだと思う。このような形でウイークをスタートすることができてとても良かったし満足しているが、これからもプッシュし続け、明日はさらに良い状態で走れるようにしっかり取り組んでいきたい」
C・クラッチロー選手談(初日総合6番手/1分29秒667/43周)
「ウイークのスタートとしては上々の出来。トップ6入りに満足しているよ。あとの課題は第4コーナー進入のブレーキング。決勝ではここが重要なパスポイントになると思うんだ。新しい路面はとても良くなっていて、十分なグリップがありながら非常にスムース。おかげで何人かがラップレコードを更新するペースでコンスタントに走ることができた。そして明日はもっと上げていきたいと思っている。去年はここで表彰台を獲得。しかもケイシー、ホルヘと並ぶことができたことはとても良い思い出だ。あのときの再現は難しいかもしれないが、僕はいつものように、最高の結果を得るために最大限の努力をするよ」
B・スミス選手談(初日総合7番手/1分30秒165/45周)
「フィリップ・アイランドの初日は、いつもの金曜日よりも好調だ。第1セッションからマシンのフィーリングがとても良く、新しい路面とブリヂストン・タイヤが自信を与えてくれたおかげで、しっかりプッシュしていくことができた。マシン・セッティングに関しては、いくつかのことを試し、明日以降に向けて正しい方向性が見えてきた。今のところとくに大きな問題もないので、明日は小さな変更と調整をしながら、できることなら29秒台に入れてトップのホルヘに近づきたい」