ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.15 10月13日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第15戦マレーシアGP
■開催日:2013年10月12日(土)予選結果
■開催地:マレーシア/セパン(5.548km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:38度
■PP:M・マルケス(2分00秒011/ホンダ)
REPORT
予選、V・ロッシが2位、C・クラッチロー3位とフロントロウ獲得
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのV・ロッシが予選2位を獲得。セッション開始直前に雨が降り出し、不安定な路面コンディションにライダーのスキルが試されることとなった。ロッシは1ラップ目の第6コーナーで危うい場面があったが、これを回避したあとは2分03秒499を記録してトップに。その後、3位に後退してからリアタイヤを新品に交換。最後のタイムアタックで2分00秒336まで更新して再度トップに浮上した。しかし最終ラップでM・マルケスが上回り、ロッシは2位に後退。マルケスとの差は0.325秒だった。
チームメイトのJ・ロレンソもロッシ同様、1ラップ目の第6コーナーであわや転倒の危機。しかし同じくこれを回避し、一旦ピットに戻ってしばらく状況を見守った。そして残り6分、全体のペースが上がってきたところでコースに復帰。その2ラップ目に2分00秒792を記録してトップに浮上した。力を緩めることなく、さらに2分00秒578へ短縮したものの、その後はパーフェクト・ラップがとれず4位に留まった。トップとの差は0.567秒。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローは、予選3位を獲得してフロントロウに復帰。QP2のスタート直前に雨が降り始め、幸い短時間で止んだものの、いくつかのコーナーが濡れている状態。クラッチローはそのコンディションを読み切り、ポールポジションを目指して果敢な走りを見せた。セッション中盤で2分01秒801を記録し、一時はD・ペドロサを0.006秒上回りトップに浮上。後半は路面コンディションが回復するなかで2分00秒359まで短縮して3位を獲得した。
チームメイトのB・スミスも不安定なコンディションにしっかり対応する見事な走り。フリープラクティスの第4セッションで7位と健闘し、その勢いをキープしてQP2に臨んだ。ベストラップは2分01秒306。セカンドロウ獲得まであとコンマ3秒だった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.011 |
2 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'00.336 |
3 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'00.359 |
4 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'00.578 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.692 |
6 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 2'00.974 |
7 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'01.306 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 2'01.635 |
9 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 2'02.151 |
10 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 2'02.536 |
11 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 2'02.900 |
12 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'01.083 |
13 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 2'02.858 |
14 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 2'03.175 |
15 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 2'03.212 |
16 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 2'03.418 |
17 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 2'03.651 |
18 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 2'03.805 |
19 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'04.198 |
20 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 2'04.310 |
21 | L・スカッサ | Cardion AB Motoracing | ART | 2'05.199 |
22 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 2'06.038 |
23 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 2'06.203 |
24 | D・カドリン | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'06.273 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(予選2位/2分00秒336/7周)
「今日の走りには満足。午前中に比べても、マシンを大幅に改良できたんだ。チームのみんなとともに頑張って、いいマシンが仕上がったので、思い通りにプッシュしていくことができたしペースもあがった。予選開始直前に雨が降り始め、状況はさらに厳しくなった。完全なドライを予想していたのに、いくつかのコーナーが濡れていて最初のラップで転倒しそうになってしまったんだ。転ばなくて本当に良かった。僕のヤマハに感謝だよ! そのあとは一生懸命プッシュして、ラップタイムも上がって来た。コンディションを考えたら、かなりいいほうだと思うよ。今は明日を待つだけ。ドライのほうがいい走りができると思うので、晴れてくれることを期待しているよ」
J・ロレンソ選手談(予選4位/2分00秒578/7周)
「今日はマシンの状態がかなり改善され、昨日よりもずっと乗りやすくなった。フリープラクティスでロング・ランを行い、とてもいい結果が出たんだ。そして予選の前にまた少し変更を加え、さらに進化して臨むことができた。いくつかのコーナーでは問題もあって、とくに第6コーナーと第7コーナーは濡れていて難しかった。2ラップ目に危うく転倒しそうになったので、思い切って飛び込むことができず、結果、パーフェクト・ラップがとれなかった」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「非常にいい走りができた。スタート前の雨は、もちろん歓迎できないもの。ホルヘは1ラップ目ですぐにその影響を受けてしまった。幸い転倒せず、彼は一度、ピットに戻る選択をした。2回目の走行では、再び同じことを繰り返したくなかったため、一定のマージンを保ったなかでプッシュしていった。2列目スタートは若干、不利だが、スタートさえうまくいけばいいレースができるだろう。自信はある」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「開始5分前に雨が降り出し、コンディションはかなり難しいものだった。ホルヘもバレンティーノも最初のタイヤで転倒しそうになったが、そうならなかったのは幸いだった。1列目や2列目からのスタートが、今回も重要。今日だけでもマシンが大幅に進化しており、決勝に向けての準備は整っている。明日は残念ながら雨になりそうなので、天気予報を注意深く見ていなければならない。ウエットでのプラクティスのチャンスがなかったので、明日は面白い展開になりそうだ」
C・クラッチロー選手談(予選3位/2分00秒359/7周)
「難しいコンディションだったので、こうしてフロントロウを獲得することができて、とてもうれしいよ! 暗いシールドを使っていたので路面状況が見えにくく、実際、いくつかのコーナーはとても難しかった。濡れている場所は賭けみたいなもので、結局は、コンディションが回復してきたときに誰が最もリスクをおかせるかにかかっていたのだと思う。今日の結果はモンスター・ヤマハ・テック3チームへの恩返し。彼らは今回も、素晴らしい仕事をして僕にこのマシンを与えてくれたんだからね。僕自身は、右腕に痛みが出てとても厳しい状態だった。シルバーストーンでの怪我なのに、今になって痛みがひどくなってきたんだ。ミサノやアラゴンでは何ともなかったので、自分でもちょっと驚いているんだよ。腫れもひどいんだけれど、明日の決勝についてはやる気十分。暑さと湿気もあるからタフなレースになるだろうけど、いい戦いをしたいね。20ラップの長いレースなのでタイヤにも厳しいものになるだろう」
B・スミス選手談(予選6位/2分02秒109/7周)
「2月のテストから、どのくらい進歩できたかを知るための最初のチャンスだった。予選セッションではタンクのなかの燃料が少なく、新品タイヤを履いていたわけだけれど、このような状態はテスト以来、初めてなんだ。その状況で7位という結果が出たので、とてもうれしいよ! コンディションは理想からかけ離れたもので、雨が降ったあとは第6コーナーと第7コーナーが難しかった。それでもチームが頑張ってくれたおかげで、タイヤの耐久性のテストではとてもいい結果が出ていたし、燃料を満タンにしたときのフィーリングも向上していた。6位以内を狙うのは難しいだろうけど、好スタートを切ってトップグループについて行き、少しでも多くを学びたいと思っている。セッションの度に進歩しており、マシンのセットアップもとても順調。決勝に向けて、いつも以上に自信を持っているんだ」