ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.15 10月13日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第15戦マレーシアGP
■開催日:2013年10月11日(金)初日総合結果
■開催地:マレーシア/セパン(5.548km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:29度 ■路面温度:39度
REPORT
初日、C・クラッチローが3位、V・ロッシが4位
アジアでの3連戦の初回、マレーシアGPがセパン・サーキットでスタート。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのV・ロッシは、フリープラクティス1回目で記録したタイムを2回目ではコンマ5秒短縮し、総合4位を獲得。3位のC・クラッチローに0.115秒差と迫った。
チームメイトのJ・ロレンソは、コーナー途中のグリップ感が思うようにつかめずセッティングに手間取ったが、ロッシに0.085秒遅れの5位につけた。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローが、フリープラクティスで3位を獲得。午前中に行われた第1セッションで6位につけたクラッチロー。第2セッションでは1秒近くも短縮し、D・ペドロサ、M・マルケス(いずれもホンダ)に続く3番手に浮上した。第1セッションではシルバーストーンで負傷した右腕が腫れて痛みがあったが、第2セッションになると幸いにも状態が良くなったため、ラップタイムにも反映されたようだ。ベストラップは2分01秒423。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのロッシを0.115秒上回った。
チームメイトのB・スミスも両セッションでトップ10に入る健闘。最終的には2分02秒551のベストラップで総合10位を獲得した。前回のアラゴンで初めて経験したスムースなブレーキング・テクニックが身についたことで、ラップタイムがさらに向上。また消耗したタイヤでの安定性を追求し、その成果も出てきている。明日の予選に備えたマシン・セッティングは順調にはかどっており、本人も満足している。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.554 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 2'01.087 |
3 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'01.423 |
4 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'01.538 |
5 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'01.623 |
6 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 2'01.659 |
7 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'01.727 |
8 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 2'02.373 |
9 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 2'02.487 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'02.551 |
11 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 2'02.610 |
12 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 2'02.819 |
13 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 2'03.225 |
14 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 2'03.574 |
15 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 2'03.780 |
16 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 2'03.922 |
17 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 2'04.273 |
18 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 2'04.703 |
19 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 2'04.965 |
20 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'05.319 |
21 | L・スカッサ | Cardion AB Motoracing | ART | 2'05.598 |
22 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 2'06.538 |
23 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 2'07.024 |
24 | D・カドリン | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'07.122 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(初日総合4番手/2分01秒538/18周)
「個人的には、とくに午後のセッションでマシン・セッティングが大幅に改善されたのでいい走りができた。新品タイヤでも良くなったし、消耗したあともペースをキープすることができて、とても走りやすいんだ。まだまだ改良しなければならないところは残っているけれど、今日の午後はとにかく良かった。ライバルたちのほうが僕らよりもちょっと速いようだけれど、このところのホルヘが常に上位で頑張ってきたように、僕も100%の力を注ぐよ。大きく離されているわけじゃない。でももう少しギャップを埋めていかないとね!」
J・ロレンソ選手談(初日総合5番手/2分01秒623/14周)
「コーナーの真ん中から立ち上がり加速の部分で、自信を持って開けていくことができないんだ。その原因が何なのか、今、調べているところ。スピンが激しくて、マシンが大きく暴れてしまう。明日までに解決策を見つけ出し、いつものような良いフィーリングを取り戻さなければ!」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「セパンでの最初のプラクティスは厳しい展開になった。グリップが思うようにいかず悩まされている。これからデータを分析して、何が起こっているのか調べなければならない。今はまだ、答えが見つからない状態なのだ。明日の朝までに解決策を出し、プラクティスの第3セッションで挽回したい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・チーム・チームディレクター談
「希望通りにも、期待通りにもいかなかった。それでも多くのデータを得ることができたので、そこから学び、今はまだ完璧でない部分を改善していきたい。データとライダーのコメントから問題点を分析できると確信しており、両方の情報を集めて新たなセッティングを目指す。それによってホルヘとバレンティーノに、より安定して速いマシンを提供することができるだろう」
C・クラッチロー選手談(初日総合3番手/2分01秒423/35周)
「午前中は、イギリスGPで負傷した右腕に痛みがあって本来の力を出し切ることができなかった。シーズン後には手術をしなければならないことはわかっているんだけれど、今までは、腫れはあっても痛みは感じなかったんだ。ところが今朝は、ひどく痛んで、思い通りに動かすことができなかった。幸い、午後になるとかなり良くなったので、最後には納得のいくいい走りができて、3位を獲得することができた。第2セッションでは、午前中にすでに使ったタイヤを履いてマシンをセットアップしていたんだけれど、最後に新品タイヤを履いたら、すぐにラップタイムが上がったんだ!」
B・スミス選手談(初日総合10番手/2分02秒551/36周)
「セパンではオフシーズンに2回、テストを行った。その後のシーズンのなかでどれだけ成長できたかを知るためにも、ここに戻ってくるのが待ち遠しかったんだ。何より、YZR-M1で走った経験のあるコースはとても走りやすい。ラップタイムは2月の時ほど速くなかったけれど、安定性は増しているので良かったと思う。2分02秒台が何度も出ていて、ペースには満足している。でも明日は、2分01秒台に入れるためにも何か劇的な変更が必要なのかもしれない。古いタイヤで好タイムが出たことは自信になった。決勝も強気で行けるだろう」