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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.14 9月29日 アラゴン

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第14戦アラゴンGP
■開催日:2013年9月29日(日)決勝結果
■開催地:スペイン/モーターランド・ アラゴン(5.078km)
■周回数:23周(116.794 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:30度
■PP:M・マルケス(1分47秒804/ホンダ)
■FL:D・ペドロサ(1分48秒565/ホンダ)

REPORT

ロレンソ2位、ロッシ3位

ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが2位、チームメイトのV・ロッシが3位とそろって表彰台に上がった。モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスは、それぞれ6位と7位でゴールした。

予選2番手から好スタートをきめたロレンソは、1周目に2番手M・マルケス(ホンダ)に1秒差をつけていた。しかし後ろを走るマルケスとD・ペドロサ(ホンダ)の2人は、毎周約0.2秒ずつロレンソとの差を詰め、5周目には3人がテール・トゥー・ノーズとなる。ロレンソ、ペドロサ、マルケスの順で迎えた6周目、マルケスとペドロサが接触。これでマルケスは大きくはらんで遅れ、ペドロサはその後の左コーナー立ち上がりで、ハイサイドで転倒しリタイア。マルケスは、ペドロサの転倒に巻き込まれることなくコースに復帰する。これでロレンソは、マルケスに約2秒のアドバンテージを得る。しかし、その差は中盤にかけて詰まり14周目にロレンソはマルケスにトップを譲ってしまう。その後、10周が残っていたが、逃げようとするマルケスに懸命に食らいついていったものの逆転はならず、そのまま2位でチェッカーを受けた。優勝したマルケスとの差は1.3秒。

グリッド2列目発進のロッシ。順調に序盤は4番手を走る。ペドロサの脱落で3位に上ると、その後は、S・ブラドル(ホンダ)、A・バウティスタ(ホンダ)、クラッチローを従えての第2グループの先頭を走っていく。残り6ラップになって勝負をかけてきたバウティスタに先行されて一度は4位に後退。ロッシとバウティスタはその後も激しいバトルを繰り広げ、残り2ラップとなったアップヒル・セクションでしかけて再び3位を奪い返して表彰台に登った。

シリーズポイントでは、ロレンソがランキング2位をキープ。3位のペドロサに20ポイント差をつけ、トップのマルケスを39ポイント差で追っている。ロッシは今回の表彰台獲得で合計185ポイントとし、ランキング5位のC・クラッチローに29ポイント差をつけてランキング4位をキープしている。

クラッチローは、ロッシ、バウティスタ、ブラドルと3位争いを展開。最後まで懸命に食らいついていったが、最終的に6位となり今季5度目の表彰台は実現しなかった。10ポイントを獲得したクラッチローは、ランキング5位をキープ。またノン・ファクトリーのトップの座も守っている。

チームメイトのスミスは、今季最高のパフォーマンスを披露。フリープラクティスのなかでライディング・スタイルを調整し、ブレーキング性能が向上。このアドバンテージを十分に発揮して、3ラップ目にはA・ドビツィオーゾをパス。さらにこれを引き離す強さを見せた。終始、安定したペースで走り切って見事、7位を獲得。今後の戦いに弾みをつけた。優勝したマルケスとの差を30秒に抑えたことは大きな成果だった。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 M・マルケス Repsol Honda Team Honda 42'03.459
2 J・ロレンソ Yamaha Factory Racing Yamaha +1.356
3 V・ロッシ Yamaha Factory Racing Yamaha +12.927
4 A・バウティスタ GO&FUN Honda Gresini Honda +13.787
5 S・ブラドル LCR Honda MotoGP Honda +13.973
6 C・クラッチロー Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +14.662
7 B・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +31.220
8 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati +40.671
9 N・ヘイデン Ducati Team Ducati +53.413
10 A・イアンノーネ Energy T.I. Pramac Racing Team Ducati +55.067
11 A・エスパルガロ Power Electronics Aspar ART +58.001
12 Y・エルナンデス Paul Bird Motorsport ART +1'05.513
13 R・ド・ピュニエ Power Electronics Aspar ART +1'06.589
14 青山博一 Avintia Blusens FTR +1'08.674
15 C・コルティ NGM Mobile Forward Racing FTR Kawasaki +1'09.130
16 C・エドワーズ NGM Mobile Forward Racing FTR Kawasaki +1'12.041
17 L・スカッサ Cardion AB Motoracing ART +1'45.152
18 B・スターリング GO&FUN Honda Gresini FTR-Honda +1'45.228
19 L・ペセック Came IodaRacing Project Ioda-Suter +1'45.583

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 M・マルケス Honda 278
2 J・ロレンソ Yamaha 239
3 D・ペドロサ Honda 219
4 V・ロッシ Yamaha 185
5 C・クラッチロー Yamaha 156
6 S・ブラドル Honda 135
10 B・スミス Yamaha 80

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Honda 316
2 Yamaha 290
3 Ducati 123
4 ART 78
5 FTR 35
6 FTR Kawasaki 32
7 Ioda-Suter 23
8 PBM 3

COMMENT

J・ロレンソ選手談(2位)

「いつも通り、好スタートからアドバンテージを広げていく作戦だった。これが成功してオープニングラップで1秒の差をつけることができたが、総合的に見てマルクのほうが速かったんだ。彼が追い上げてきたときには、終盤戦のことを考えてスロットルを緩めてエネルギーを温存。その後、抜かれ、彼が逃げ切ろうとするのを懸命に追いかけたけれど、どうしても届かなかった。単純に、今日は彼のほうが速かった。何の言い訳もないよ。彼を祝福し、次のレースのほうへ頭を切り替える。チャンピオン争いは、さらに厳しくなってしまったけれど、最後まで戦い抜くことに変わりはない。できるだけ多く優勝したい」

V・ロッシ選手談(3位)

「3位はうれしい。表彰台は素晴らしい! でも実はもっと速く走れると期待していたんだ。今朝のウォームアップが絶好調だったからね…。マルクとホルヘはフロントにソフト・コンパウンドを使用したが、僕はハードを選んでいた。結果的に彼らのほうが速かったのだから、彼らの選択が正しかったのだろう。最後に3位を獲得することができて良かったよ」

W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談

「今回もまた2位。去年と同じ順位だ。しかしタイムは大幅に縮まり、去年よりも合計で12秒も速かった。進化したことは間違いないのだが、やはり優勝には届かなかった。これが、あまり得意ではないコースでのポテンシャルということだ。残りの4戦はいくらか条件が良いと思うので、勝利を目指していきたい」

M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談

「すべてが計画通りに進んだわけではなかったが、そのなかで好成績を獲得し、ふたり揃って表彰台に上ることができた。いつも苦労させられたコースでの好成績は、大きな成果。しかも多くのデータを集めることもできた。チャンピオンシップの可能性もまだ残っているので、十分に準備をして次の戦いに臨みたい」

C・クラッチロー選手談(6位)

「6位という結果に不満はないよ。ただ本来いるべきポジションから離れ過ぎてしまっていて、その原因がスピード不足にあることは明らかだ。ストレートと加速で、ラップごとに10km/hも遅れてしまう。今朝から新しいエンジンを使用しているので、なぜこんなことになってしまうのかわからないんだ。映像を見てもらえば苦しさがはっきりわかるだろうから、言い訳の必要もないと思う。でも、どんなときでも良い点は見つけられるもの。僕らはライバルたちより走行回数が少なく、シームレス・ギアボックスもなかったが、それでもバレンティーノに1.5秒差でついていくことができた。決して最悪の走りというわけではなかったんだ。次からのアジア3連戦に期待したい。そして、また表彰台を目指したい」

B・スミス選手談(7位)

「ザクセンリンク以来のベスト・リザルト。ドゥカティ勢を抑え、しかも終盤で彼らを引き離すことができたのは、とても気分が良かったよ。決勝用のセッティングは、もっと向上させることができるはず。アジアへのフライ・アウェイ・レースでは、このあたりがおもな課題になるだろうね。でも今回は、総合的に見て満足しないわけにはいかない。ウイーク初日は何もかもが予定通りに進まず、本当に苦しかったんだ。それを克服して7位を獲得できたのだから喜ばないと!」

H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム、チームマネジャー談

「3位争いを展開しながら6位に留まったことは非常に残念。スピード不足は明らかで、このことがカルの足を引っ張ることになった。しかし彼はいつも通りに、強い決意とファイティング・スピリットを持って臨み、すべてをかけて3位集団に留まり続けた。彼のこうした取り組み方に、私はいつも感謝しているのだ。彼の素晴らしい走りと高い競争力が、チームをますますやる気にさせてくれることは間違いない。ブラッドリーには祝福の言葉を贈りたい。2台のドゥカティ・ファクトリーを抑え、とくに、去年は我がチームから出場して表彰台を獲得したアンドレアを突き放したのは決して容易なことではない。ときにカル、バウティスタ、ブラドル、ロッシと同等のタイムを記録するなど大きな成長が見られた。今日のふたりのパフォーマンスに満足している」

津谷晃司、MS開発部 モトGPプロジェクトリーダー談

「未明の降雨と雲・風のため、気温23℃に対して路面温度は30℃とあまり上昇しないコンディションでの決勝となりました。ロレンソ選手は2番グリッドからホールショットを奪いレース中盤までトップを走行、マルケス選手に交わされた後も大きく離されずに終盤ペースアップし再び直後まで迫りましたが、ラスト4周目からのスパートについていけず、約1秒差の2位でゴールとなりました。今回は昨日から今朝にかけて、もう一歩のステップアップを狙った変更が若干裏目に出てしまい、ブレーキング安定性をロスして僅かに0.1〜0.2秒程ラップタイムを落としたことが最終的なトップとの差となってしまいました。

ロッシ選手は昨日の好調を維持するため大きな変更をせずにレースに挑みましたが、想定より低めであった路面温度に対して上手くセッティングが働かず、バイクバランスが崩れたためトップ争いにはついていけなかったものの、4台での熾烈な3位争いを制して5戦ぶりの表彰台を獲得しました。

2010年の開催からまだ勝利したことのなく、相性の良くない本サーキットで僅差で勝利を逃す結果となったことは非常に悔しいですが、最後まであきらめない走りで勝利にこだわってギリギリの走行を続けたライダー達に感謝するとともに、ライダー・スタッフ・開発陣の頑張りで2人そろって表彰台に上ることができたことは今後につながる結果だと思います。次戦はヨーロッパから離れた3連戦の初戦となるマレーシアGPです。今回のレース結果をしっかり反芻して、攻めの姿勢を忘れないよう戦い続けますので応援よろしくお願いします」

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