ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月29日 アラゴン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦アラゴンGP
■開催日:2013年9月28日(土)予選結果
■開催地:スペイン/モーターランド・ アラゴン(5.078km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:34度
■M・マルケス(1分47秒804/ホンダ)
REPORT
予選、J・ロレンソ2位、V・ロッシ4位
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソは、激しい競り合いの末に予選2位を獲得。セッション開始早々からペースを上げ、真っ先に1分48秒241を記録してトップへ。さらに1分48秒201まで更新したあと、残り9分の時点でピットに戻ってリアタイヤを新品に交換した。最後のタイムアタックの時間は5分強。ここでは数台がトップを競り合う形となり、ペースはさらに上がって47秒台に突入。ロレンソは再びトップに立ったが、最後の最後で逆転され2位に後退した。ポールポジションはチャンピオンシップのライバル、M・マルケス。その差はわずか0.010秒。
チームメイトのV・ロッシは、予選で今季最高と言える走り。トップから0.158秒差で4位を獲得した。スタート時の混乱を避け、少し遅れてコースインしたロッシ。集団が通り過ぎたあとの空いたコースで、早々にタイムアタックを開始して一気に1分48秒415を記録した。さらに1分48秒366まで更新したあとピットに戻ってタイヤ交換。残り5分でトップを脅かす好走を見せ、1分47秒962まで短縮した。3位のD・ペドロサにわずか0.005秒届かず、フロントロウ獲得はならなかった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスは、それぞれ7位と8位。
クラッチローは1分48秒653で7位となり、ここまで13戦連続で5位以内を獲得してきた記録が途切れることとなってしまった。しかし、6月のテストに参加しなかったメンバーのなかでは依然としてトップ。自信は失っておらず、決勝では今季10回目となるトップ6入りを目指す。
一方のスミスは、最終フリープラクティスで10位以内に入れず、QP1に出場。ここで1分49秒724を記録してトップに立つと、QP2ではさらに1秒近く短縮して8位を獲得した。1分48秒854のベストタイムはトップから約1秒、7位のクラッチローからは約0.2秒の差。昨日の13位から大きく前進し、実力をアピールした。ライディング・スタイルの調整が功を奏した形となり自信をつけたスミスは、今季9回目となるトップ10入りを目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'47.804 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'47.814 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'47.957 |
4 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'47.962 |
5 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'48.128 |
6 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'48.302 |
7 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'48.653 |
8 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'48.854 |
9 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'49.219 |
10 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'49.348 |
11 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'49.428 |
12 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'50.094 |
13 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'50.685 |
14 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'50.995 |
15 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'51.030 |
16 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'51.297 |
17 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'51.327 |
18 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'51.519 |
19 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'51.552 |
20 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'51.639 |
21 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'52.102 |
22 | L・スカッサ | Cardion AB Motoracing | ART | 1'52.305 |
23 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'52.989 |
24 | D・カドリン | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'53.521 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分47秒814/8周)
「好タイムが出たことはわかっていたので、ポールポジションを獲得したかった。でもその一方で、ライバルたちがかなり接近してくること、あるいは彼らのほうが前へ出るかもしれないということもわかっていたんだ。結局、最後に0.010秒差で逆転されてしまった。ベストを尽くして頑張ったんだけれど、第1コーナーでミスをしてコンマ1、2秒遅れてしまいポールポジションを逃すことになったんだ。ひとつは、たった1周の最速ラップ。そしてもうひとつは、レース全体を通しての速さ。午前中に行われた最終フリープラクティスで、また少し前進が見られペースが上がったので、今は、1周の速さもレース全体での速さも備わっている。明日も好天に恵まれれば、いいレースができるだろう」
V・ロッシ選手談(予選4位/1分47秒962/8周)
「フィーリングがとても良かったよ。ペースが上がり、ブレーキング性能も向上した。さらに長距離でのタイヤの耐久性も上がっていた。おかげでとても順調に走ることができて、予選セッションを楽しむことができたんだ。レベルは非常に高く、そのなかでトップから0.1秒差なのだから、ほとんど同等みたいなもの。あとは天候が鍵を握ることになるだろう。今日は確かに、天気が味方をしてくれた。もしも、さらにもう少し気温が下がれば、もっといい走りができるだろう。ペースはホルヘやマルケスやペドロサとほとんど変わらないが、彼らには速さがあるので、ついていくためにはさらに改良が必要」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「またしても予選2位。しかし前の2戦よりも差が縮まっている。ここは本来、あまり得意なコースではないが、今日はそれを打開するような何かが見つかったような感じ。決勝ペースは今日より遅くなるだろうが、とにかく大きな前進が見られたことは確かなので期待している。長いレースになるだろう」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「午前中のフリープラクティスは、路面コンディションのせいで十分に走ることができなかったが、それでも予選は非常に順調に運んだ。大きな前進が見られ、トップに近づくことができたのだ。ホルヘがフロントロウ、バレンティーノがセカンドロウということなので、最高の形になったと思っている。あともう少し調整が必要な個所もあるが、心配はしていない。昨日の不調からここまで立ち直ったことを考えれば、明日の朝のウォームアップでさらに向上を目指せるだろう。そして午後からの決勝に備える」
C・クラッチロー選手談(予選7位/1分48秒653/8周)
「今シーズンで初めて、6位以内に入ることができなかった。予選セッションは計画通りに進まず、マシンを間違えてしまったような感覚だった。2通りのセッティングを用意していたんだけれど、どうやら良くないほうを選んでしまったようだ。その結果、懸命にタイムアタックに臨んだ3ラップ目、まったく前について行くことができなかったんだ。しかも毎周のように小さなミスをしてしまった。その結果が7位というわけだ。常に予選5位以内を獲得してきたことを誇りに思っていただけに残念。トップグループについて行くためには好スタートが必須になるが、7位、3列目からとなれば厳しい展開を覚悟しなければならない」
B・スミス選手談(予選8位/1分48秒854/8周)
「ここ2戦がうまくいっていなかったので、今回は調子を取り戻すことができて良かった。昨日の時点で、13位は本来の実力ではないとコメントしたけれど、今日はそのことを証明することができたと思う。マシンは絶好調で、これについてはモンスター・ヤマハ・テック3チームのメカニックたちに心から感謝している。昨晩、長いミーティングをして、そこからいろいろなアイディアが出てきた。彼らの提案通りにライディング・スタイルを調整したら、マシンのフィーリングが伝わりやすくなり、ラップタイムも大幅に向上したんだ。8位という結果は、このマシンのコンディションから予測できたもの。ブルノのころの好調なフィーリングが戻ってきたので、今は明日の決勝がとても楽しみだ。タイヤの耐久性が鍵を握ることがになると思うけれど、目標としてはドビツィオーゾやヘイデンの後ろではなく、前を走りたい」