ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月29日 アラゴン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦アラゴンGP
■開催日:2013年9月27日(金)初日総合結果
■開催地:スペイン/モーターランド・ アラゴン(5.078km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度 ■路面温度:39度
REPORT
J・ロレンソが初日4位
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとV・ロッシが、アラゴンGPのフリープラクティスに出場。2連勝で波に乗るロレンソはその第1セッション、チャンピオンシップのライバル、M・マルケスと首位を競り合い、終盤で1分49秒753のベストラップを記録してトップに立った。第2セッションになると、さらにペースが上がって48秒台の戦い。ロレンソはこれでポジションを下げ、総合4位で1日目を終了した。トップとの差は0.418秒。
一方のロッシは、第1セッションでトップから0.746秒差の5位。第2セッションではブレーキの不具合やグリップ不足など様々な問題に悩まされ、本来のポテンシャルを発揮できないまま7位に後退。トップとの差は0.922秒だった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスは順調なスタート。
クラッチローは午前中の第1セッションで1分50秒575を記録して7位。午後から行われた第2セッションでは1分49秒840に更新し、6位に浮上した。一方のスミスは、2010年に同サーキットで125ccクラスに出場し、表彰台を獲得した経験を持つ。今日も好調な走りを見せ、第1セッションは1分51秒263で10位。第2セッションでは1分50秒944まで短縮したものの、ポジションアップはならず、13位に後退して1日目を終了した。リアグリップ向上のため、ミサノ・テストで初めて試したライディング・ポジションが功を奏し、10位との差はわずか0.5秒。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'48.987 |
2 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'49.119 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'49.254 |
4 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'49.405 |
5 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'49.763 |
6 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'49.840 |
7 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'49.909 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'50.034 |
9 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'50.055 |
10 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'50.446 |
11 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'50.727 |
12 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'50.913 |
13 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'50.944 |
14 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'51.345 |
15 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'51.461 |
16 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'51.699 |
17 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'51.970 |
18 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'52.020 |
19 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'52.121 |
20 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'53.220 |
21 | L・スカッサ | Cardion AB Motoracing | ART | 1'53.338 |
22 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'53.557 |
23 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'54.793 |
24 | D・カドリン | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'55.343 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日総合4番手/1分49秒405/17周)
「第1セッション終了後、マシンをさらに改良しようとしたけれどできなかった。前回テストのときと比べてもフィーリングが悪くなってしまったんだ。明日以降、何とか改善を目指し、ペースを上げていきたい。ライバルたちが大幅にペースを上げてきたので順位を下げてしまったけれど、明日はきっと好転し、一歩前進することができると確信しているよ。気温に関係なく、競争力を高めていかないと!」
V・ロッシ選手談(初日総合7番手/1分49秒909/16周)
「予想以上に苦しめられた。テストのときはもっと気温が低かったので、路面コンディションが違っていたんだ。グリップももっとあって走りやすかった。今日はいろいろな問題にぶつかり、とくに午後のセッションでは、ブレーキが思うようにいかなくてセッションの半分ぐらい時間を無駄にしてしまった。最後はセカンド・バイクを使用し、リズムをつかむために数ラップ走ったりもしたんだ。これから遅れを取り戻していかなければならないけれど、今の段階では、わずか数周でリアタイヤがスライドし始めるような状況。そしてマシン・コントロールが難しくなってしまうんだ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「アラゴンの初日。晴れ。しかし我々は、まったく満足できなかった。ロレンソによれば、あっという間にグリップが低下してしまうということなので、現時点でタイヤの耐久性向上が最優先課題だ。ラップタイムは接近しているが、もっと上げていけるはずなのだ」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「このようなスタートになるとは想像していなかった。テストのときのような走りができなかったのだ。コンディションがまったく違っていることは確かだが、明日以降の課題は非常に多いと言わざるを得ない。路面のグリップ・レベルが悪かったが、これは1日経てば良くなってくるだろう。これからデータを分析し、ライダーのフィードバックと照らし合わせながら、明日までに解決策を練りたい。明日は一歩、前進を目指す」
C・クラッチロー選手談(初日総合6番手/1分49秒840/36周)
「ウイーク初日としては順調なスタート。6位に入れたことはうれしく思っているよ。第1セッションは7位に留まったが、トップから6位までは、6月にここでテストを行っているライダーばかりだからセッティング面でアドバンテージがあったんだ。今のところとても順調に走れているけれど、明日以降はもっとスピードを上げていかなければならない。最高速はライバルたちよりかなり遅れているので、今夜はここを中心に作業に取り組むことになるだろう。さらに改良を目指すよ」
B・スミス選手談(初日総合13番手/1分50秒944/36周)
「とてもいい感じでスタートできたと思っているけれど、最終的な順位にはあまり満足できなかった。でも前のライダーたちのなかには、タイムを上げるためにソフト・コンパウンドのタイヤを履いていた人もいたので、今日の順位が本当のポテンシャルを反映したものではないと思うんだ。僕はペースも安定していて良かったと思っているよ。第1セッションと第2セッションとでは路面コンディションがかなり変わってしまったこともあって、セッティングの方向性がまだ良く見えていない状況だけれど、明日は少なくとも0.5秒は短縮したい。フリープラクティス第3セッションでトップ10入りを果たし、そのままQP2に進むことが目標」