ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月15日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2013年9月13日(金)初日総合結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:38度
REPORT
ロッシ、ホームGPで初日総合3位と好発進
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのV・ロッシが、フリープラクティス初日に総合3位を獲得。
好天に恵まれ気温も上昇したミサノ・ワールド・サーキット。ロッシはヤマハの新型シームレス・ギアボックスをレースウイークのなかで初めて使用して好調な走りを見せた。午前中の第1セッションはトップから0.5秒差の4位。午後からの第2セッションではさらにペースを上げ、トップのM・マルケスに0.258秒差まで迫る3位を獲得した。
チームメイトのJ・ロレンソも順調にペースアップ。ロッシ同様、新型シームレス・ギアボックスを使用し、コースに合わせたセッティングに取り組みながら総合4位で初日を終えた。第1セッションはトップから0.426秒差の3位。第2セッションではタイムを短縮し、トップから0.295秒差で4位となった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスは、それぞれ10位と14位。
クラッチローは、ホームレースのシルバーストーンで負傷した右腕が完治しておらず、第1セッションでは予想外のトップ10落ち。しかし第2セッションでは0.7秒以上もタイムを短縮し、1分35秒208で10位に浮上した。トップ6まであと0.4秒。
一方、モトGPマシンでサンマリノを初走行したスミスは、予定通りにセッティング作業を進めることができず苦しい展開。第2セッションでは少しずつペースも上がってきたが、1分36秒004のベストタイムを記録した直後、11ラップ目の第1コーナーで転倒を喫した。幸い怪我はなかった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.200 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.233 |
3 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.458 |
4 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.495 |
5 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'34.732 |
6 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'34.858 |
7 | M・ピロ | Ignite Pramac Racing Team | Ducati | 1'34.889 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'34.901 |
9 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'35.107 |
10 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.208 |
11 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.218 |
12 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'35.392 |
13 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'35.933 |
14 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'36.004 |
15 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'36.122 |
16 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'36.181 |
17 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'36.198 |
18 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'36.283 |
19 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'36.646 |
20 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | ART | 1'37.310 |
21 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'37.329 |
22 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'37.334 |
23 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'37.722 |
24 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'38.962 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(初日総合3番手/1分34秒458/23周)
「このコースは特別な場所。ここを走るのは、いつだって最高の気分だよ。今日は初日として、とてもいい走りができたと思う。第1セッションから速さがあったが、午後になるとさらにペースアップ。最初から最後までハイペースで走り切り、トップにもかなり近づくことができた。新型のギアボックスもとても素晴らしい。ラップタイムを上げながら、同時に走りやすくなっているので、ライダーにとって大きな助けになる。加速で安定し、ウイリーが少なくなっているんだ。これによって、よりライディングに集中できるようになる。決勝でも大いに役立ってくれると思う」
J・ロレンソ選手談(初日総合4番手/1分34秒495/19周)
「ベスト・セッティングを見つけ出すのに苦労した。去年の同大会と比べると、やや遅れているような状況だけれど、懸命に改良を目指しているところ。ギアボックスは順調に機能してくれていて、僕も気に入っているよ。明日はもう少しペースを上げていけると思う」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「ミサノの初日が終了。コーナー進入をもっと自信を持って行えるようにすることと、リアグリップ向上が課題となった。トップから大差をつけられたわけではないが、何箇所か改善していかなければならないことは確か。あとコンマ数秒。必ず取り返す」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「新型のトランスミッションを使用したことを考えれば、好調なスタートだったと言えるだろう。ライダーたちは好感触を得ており、ブルノ同様、順調だ。ふたりともかなり気に入っている様子なので、慣れるにつれてますます良くなってくるだろう。第1セッションではグリップ不足も感じられたが、第2セッションでは解消できた。正しい方向へと順調に進んでいるので、明日はさらにもう一歩、前へ進みたい」
C・クラッチロー選手談(初日総合10番手/1分35秒208)
「非常に厳しい状況。ラップタイムにも順位にも満足できない。右腕はまだ100%ではないけれど、問題はそれよりも、マシンのフィーリングがまったく感じられないことなんだ。今の気持ちは、とにかくひどい、残念ということだけなので、明日は何とか改善していかなければならない。僕より前にいるライダーたちは、何かひとつが優れているというわけではない。とにかくペースが格段に違うんだ。このようにすべての面で苦しい状況だけれど、僕は決してあきらめないよ。これからスタッフと話し合って、明日までに解決策を見つけだす」
B・スミス選手談(初日総合14番手/1分36秒004)
「今日は残念な結果。ミサノは好きなコースなので、このようなリザルトには満足できない。これは単なるセッティングの問題ではなく、もっと大きな問題があることは明らかだ。シルバーストーンでもあったバッド・フィーリングがここでも出てしまっている。幸いなことに、今回は問題の本質を理解しており、これから進むべき方向もわかっているということ。転倒は残念だったけれど、好調だったブルノのときの感触を取り戻すために懸命にプッシュした結果なんだ。これまでの全データを集め、明日はもっと速く走れるよう、そして大きく一歩前進できるよう頑張りたい。このコースは第1コーナーまでが短く、最初のセクションがとてもタイトなので、トップグループに加わっていくためにはグリッド・ポジションが重要になるんだ」