ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 9月1日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第12戦イギリスGP
■開催日:2013年8月31日(土)予選結果
■開催地:イギリス/シルバーストーン(5.902km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:18度 ■路面温度:36度
■PP:M・マルケス(ホンダ/2分00秒691)
REPORT
ロレンソ、クラッチローがフロントロウ獲得
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが、激しいトップ争いの末に2位を獲得。15分間の予選ヒートが始まるとロレンソは、いつものように真っ先にピットレーンを出てコースへ。そして最初のラップで2分01秒497をたたき出し、早くもラップレコードを更新した。しかし、その直後にライバルのM・マルケスも反応してトップ交代。ロレンソは2ラップ目、さらにタイムを更新して2分01秒217。これでマルケスを0.070秒上回り、再びトップを奪い返した。セッションの半分が過ぎたところでロレンソはピットイン。素早くタイヤを交換してコースに復帰し、残り6分のタイムアタックに賭けた。そして順調にペースを上げていき、さらにタイムを更新して2分00秒819。しかし再びマルケスが反応し、ロレンソを0.128秒上回りそのままポールポジションを獲得。ロレンソは2位となった。
チームメイトのV・ロッシは予選6位、決勝グリッドは2列目となった。セッションスタートと同時に、ロレンソの後ろについて2番手でコースインしたロッシ。セッション前半では2分02秒763を記録した。その後ピットに戻ってリアタイヤを交換すると、またもロレンソのすぐ後ろについてコースに復帰。後半のタイムアタックでは2分02秒109まで短縮し、6位を獲得した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローが予選3位を獲得。今季6度目のフロントロウ・スタートとなる。地元イギリスのヒーロー、クラッチローは、午前中に行われたフリープラクティス第3セッションで2度の転倒。いずれもハイスピードからの転倒だったが幸い怪我はなく、午後からの予選セッションでは果敢に攻めて2分01秒425の好タイムを記録した。これでふたりのスペイン勢、マルケスとロレンソに続く3位を獲得し、明日の決勝では表彰台獲得を狙っていく。これが実現すれば、イギリス人ライダーとしては2000年以来初めての、ホームレースでの表彰台獲得の快挙となる。チームメイトのB・スミスも予選10位と健闘。ウイークを通じて好調をキープしてきたスミスはQP1で2分03秒110を記録。QP2ではさらに2分02秒409まで更新し、グリッド2列目まで、あとわずか0.3秒まで迫った。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.691 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha FactoryRacing | Yamaha | 2'00.819 |
3 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'01.425 |
4 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'01.558 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'01.624 |
6 | V・ロッシ | Yamaha FactoryRacing | Yamaha | 2'02.109 |
7 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 2'02.123 |
8 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 2'02.252 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 2'02.289 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'02.409 |
11 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 2'04.032 |
12 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 2'03.464 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 2'04.114 |
14 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 2'04.236 |
15 | M・ピロ | Ducati Test Team | Ducati | 2'04.680 |
16 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 2'04.692 |
17 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 2'04.749 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 2'04.798 |
19 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'04.936 |
20 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 2'05.356 |
21 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 2'05.622 |
22 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 2'07.261 |
23 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 2'07.300 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/2分00秒819/7周)
「結局はポールポジションを獲得できなかったんだから、うれしくないよ!でも予選でのハイペースには自分でもびっくりするほど。それまでのプラクティスまでと比べると1秒近くも伸びて、まさにビッグ・ジャンプだった。マシンの上で自分のラップタイムを見た時にはポールポジション確実だと思ったのに、順位を見たら2位になっていてがっかり。あのラップにすべてを賭けたつもりだったんだけど、まだ足りなかったようだね。決勝用セッティングでのペースは十分に速いので心配はしていないけれど、明日もライバルたちの状態を注意深く見ていきたい」
V・ロッシ選手談(予選6位/2分02秒109/7周)
「ロレンソとマルケスが素晴らしく、彼らに大きく離されてしまったことは残念。でも2列目という結果は悪くないと思う。何と言ったって、3列目よりはずっといいよ。ラップタイムも悪くなかったと思っているけれど、それよりもマシンのセッティング面で前進が見られ、ハイペースで安定して走れるようになったことがうれしい。いいペースをキープできるということが、明日の決勝では重要になるからね。いくつかのコーナーでマシンが大きく動いて遅れてしまうところがあるので、明日までに解決してさらに一歩前進したい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「非常にエキサイティングな予選セッション。2位は素晴らしい結果だ。ラップタイムは信じられないほど速く、このままいけば、明日の決勝もホルヘとマルクの激しい戦いになるだろう。ホルヘのペースもマシンの状態も絶好調。戦いの準備は整っている」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ウイーク2日目は非常に好調。決勝は1列目と2列目ということだから、とても良いスターティング・ポイントだと言っていいだろう。我々にはスピードもペースもある。明日は間違いなくハードなレースになるだろうが、必ず我々が主役になる。そのためにもウォームアップ・セッションでさらにセッティングを煮詰めていきたい。ここまでの展開には非常に満足しており、レースを楽しみにしている」
C・クラッチロー選手談(予選3位/2分01秒447/7周)
「シルバーストーンの土曜日として、僕にとってはいたってノーマルな展開。2011年も2012年も最後は転倒したけど、今日はそれが2回になってしまったんだから、さらにひどいね。右腕は擦過傷で腫れて痛みがある。でもいずれも高速からの転倒だったことを考えると、大きな怪我がなかったことに感謝。1回目の転倒は完全に僕のミスで、タイヤがまだ暖まっていなかった。そして2回目は、ブレーキングでマシンが動き出すと、腕が痛くてコントロールすることができなくなってしまった。でも、モンスター・ヤマハ・テック3チームのおかげで午後の予選にも出場することができた。彼らには感謝の気持ちでいっぱいだよ。午前中の出来事を考えれば、フロントロウ獲得は予想以上の結果と言っていいだろう。マルクやホルヘとの差が大きすぎて、明日は厳しい戦いになるだろうが、支えてくれたイギリスのファンのためにも全力で頑張りたい。彼らのサポートは本当にありがたい」
B・スミス選手談(予選10位/ 2分02秒409/7周)
「フリープラクティスのタイムを大きく更新し、好タイムを記録することができた。総合順位は期待通りというわけにはいかなかったけれど、厳しい戦いはQP1の初めから予想できたことだったんだ。それでもトップ6にはかなり近づくことができたと思うけれど、トップとの差は依然として非常に大きい。明日までにマシンをさらに煮詰め、もう1ステップ前進できるよう努力を続けたい。長いレースになるだろうけど、上位のライダーたちについて行って勉強させてもらうチャンスにもなると思う。それにこのコースは、ひとりで頑張るよりも、ついて行くほうが順調にタイムを上げていけそうだしね。ここまで決して楽な展開ではなかったけれど、一度のミスもなく、走るたびに速くなってきた。だから明日の決勝が楽しみ。そしてイギリスのファンのサポートも期待しているよ」